転職市場には「異業種転職は難しい」という定説がありますが、これは間違いではありません。
但し、その難易度は「職種」にも大きく左右されるので、転職難易度を判断するには「業種」と「職種」を絡めて考える必要があります。
業種と職種の明確な違いを知りたい!
業種と職種の違いを把握すれば、転職の視野が広がる!
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転職には以下の4つのパターンが存在しますが、ここでは、それぞれの特徴と共に「転職するにあたって何が求められるのか」をお伝えします。
- 同業種・同職種
- 異業種・同職種
- 同業種・異職種
- 異業種・異職種
一般的に「1 ⇒ 4」の順に難易度は高くなります。
転職では「異業種転職」が取り上げられがちですが、実は「異職種転職」の方が遥かに難しい要素を持っているのです。
同業種・同職種への転職
業種(業界)の風潮や仕組みを既に知っており、これまでの「経験」や「スキル」を存分に活かせる転職です!
このパターンの転職者は第一候補者として見られることが多く、即戦力性が重視される中途採用においては有利な要素と言えます。
小売業 - 販売(アパレル) ⇒ 小売業 - 販売(家具)
この場合も同業種・同職種への転職と見なされます。
取り扱う商品は変わりますが、商品を仕入れて最終消費者に売る「仕組み」や「利益構造」が同じだからです。
つまり、今まで培ってきたマーケティング理論、数値管理、集客、販売スキルなどを活かすことができるというわけです。
この転職で求められるのは、何と言っても「実績」ですね。
採用過程では、「雇用することで自社に利益をもたらしてくれるのか?」という部分が深く探られる!
ここは、具体的な「数値」や「キャリア」などで実績を示したいですね。
但し、ただ単順に「私はこんな結果を出しました」を羅列するだけでは足りません。
提示した実績を、応募企業でも出せること(再現性)を伝えるのが何よりも大切!
この点はしっかりと理解しておきましょう。
逆説的に考えると、この転職では「実績」がないと厳しい戦いを強いられるということ。
※経験年数・年齢相応の実績が求められる!
職歴が長いだけで大した実績がなければ、「仕事ができない人」と思われて終わりです。
異業種・同職種への転職
業種の変更は伴いますが、これまでの経験で培った「スキル」を存分に活用できる転職です!
業種が違えども、あなたの経験が思わぬ所で発揮されることはよくあります。
その経験を上手くリンクさせて伝えることができれば、充分に可能性のある転職と言えますね。
- 「営業」や「経理」はどの会社でも存在するので、業種を飛び越えての転職が比較的容易
- IT関連技術職(SE)の経験者が、異業種の社内SEとして働く
- etc...
職種によって可能・不可能はありますが、視野を広げて検討する価値がある転職ですね。
また、企業がこのパターンの転職者を求めているケースもあります。
- 同業種出身者は既に考えが固まっており、自社の考えや仕組みに柔軟に対応できないケースがある
- 業界の固定観念に縛られていない「異業種出身者」の視点や意見を求めている
- 異業種出身者は、異業種の壁を埋めるために入社後も意欲的に学ぶことが多い
この転職で求められることは、パターン1と同じで「実績」です。
職種で培ったスキルを活かすということは、やはり実績がないと説得力がありません。
また、志望動機と共に「異業種に転職する理由」も重要で、「何故この業種なのか?」という部分に、企業が納得する明確な理由が必要です。
同業種・異職種への転職
同業種内の転職ですが、希望する職種が違うパターンです!
職種転換を伴う転職となるので、ここからは難易度が各段にアップする!
この転職の難易度を知るため、以下のケースを想像してみて下さい。
- あなたは、ある企業で「営業職」として働いていました
- しかし、ある日突然、「明日から経理で頼むよ」と言われました
- どうでしょう?
- 過去に経理の経験があるならまだしも、未経験なら絶対に不可能ですよね?
そう、同じ会社であったとしても、職種転換は容易なことではないのです。
この難易度の高い転換を、会社を変更してまで実現しようとするのがこの転職です!
簡単ではないことが想像できるのではないでしょうか。
転職では「即戦力性」が重視されることが多く、新卒の如く「育成の必要な人材」を求めているわけではありません。
つまり、「企業の求める人材」と「新しい職種にチャレンジしたいあなたの気持ち」がマッチしない!
この非マッチングが、職種転換を図る転職を難しくしています。
基本、企業は以下のように考えて行動しますからね。
- 未経験で実績なし
- 企業からすると評価基準がない
- 採用リスクはなるべく軽減したい
- 無難に経験者を選ぶ
また、同職種からの転職者との勝負になるので、強力なライバルを上回るだけの「何か」を持っていなくてはなりません。
例えば、「この人ならば、新たな職種でも結果を出してくれるだろう!」と思わせるだけの、誰もがうなる実績などです。
この転職を成功させるには、異職種であっても、今の職種の経験を上手くリンクさせてアピールすることが必要!
この転職は、年齢によっても実現可否が大きく変化します。
難易度の高い転職ではありますが、「第二新卒」に代表する若年層であれば、可能性は十分にあります。
参考第二新卒は異業種・異職種転職の最大で最後のチャンス!?
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逆に、ある程度の年齢を重ねているとしたら、極めて低い確率を追い求める「難しい挑戦」になるのは間違いありません。
異業種・異職種への転職
全くの未経験分野への挑戦で、一から出直し的な要素の強い転職です!
この転職が難しいのはパターン③と同じ理由ですが、全てが未経験という要素が、更に難易度を高めています。
転職において、最大の難易度を誇る!
採用側の企業としても、「何故、全てを捨てるのだろう?」という目で求職者を見ています。
ここに、企業が納得するだけの理由が必要なのはもちろん、今後の社会人としての「キャリアビジョン」を示す必要もあるでしょう。
面接で深く探られる可能性があります。
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この転職の難易度を下げ得るのは、「若さ」という要素だけです。