転職しやすい業界には6つの共通点が存在し、あなたがその点をどう捉えるかによって、可能性は大きく変化します。
- 情報通信業
- 医療・福祉
- 運輸業
- 建設(土木)、不動産業
- 宿泊・飲食サービス業
- 小売業
- 生活関連サービス業
- 教育・学習支援業
まずは、各業界の「何故、転職しやすいのか?」に迫っていきましょう。
情報通信業
情報通信系の特に「営業職」が該当します。
転職しやすい理由
- 辞める人が多く、人の出入りが激しい
- 常に利益をもたらしてくれる人材を探している
営業職は「実力(成果)主義」であることが多く、それが出入りの激しい原因となっています。(情報通信系の営業に限らず、営業職全般に言える)
営業成績が良い人は、年齢(経験)に関係なく高い給料を手にでき、会社からも優遇されます。
逆に、営業成績が芳しくない人は、以下の理由から退職に追い込まれやすい。
- 給料が一生横這い
- 会社(上司)から常にはっぱを掛けられる
- 数値目標を達成していないので休めない
- 常に数字のプレッシャーに追われ、精神的に厳しい
結果、「辞めるしか選択肢がなくなる」ということですね。
ブラックと言われることもありますが、これは「実力主義についていけずに辞めた人間」のいい訳にすぎません。
営業はブラックだから人が辞めるのではなく、実力主義だから人が辞める!
要は、この実力(成果)主義をどう捉えるかだと思います。
営業職で高い成果を残せる人は、どの業界からも重宝され、給料面でも好待遇を受けられます。
つまり、これを良しとして検討できれば、営業職の求人は圧倒的に多いので、チャンスは大いに広がります。
医療・福祉
近い将来に訪れる「超高齢化社会」を考えると、需要はうなぎ登りの業界ですね。
転職しやすい理由
- 不規則な勤務形態、長時間労働、仕事量に対する賃金の低さなどを理由に辞める人が多い
- このイメージが定着しているために、その道に進む人も少なく、その影響も相まって「慢性的な人手不足」となっている
医師や看護師は簡単になれるものではありませんが、「医療事務」や「介護士」などは資格を取れば未経験でも積極的に採用してくれます。
入社後に資格取得を支援してくれる企業も増えており、給料も改善傾向にある!
医療や福祉の現場は決して楽ではありませんが、今後、更に需要が拡大されることは間違いありません。
ゆえに、将来性や仕事という面で捉えるならば、限りなく大きなチャンスを秘めた業界です。
運輸業
ネット社会の伸長で、需要が極限まで高まっているのがこの業界です。
転職しやすい理由
- 需要の高さに反して超人手不足
特に、将来的に最も人手不足が懸念されているのが「ドライバー(大型は顕著)」です。
以下のことが原因で、「大型を運転できる人材」が減る一方なんですね。
- 団塊の世代の引退
- 近年の免許制度の変更
- 若者の車離れ
ネット市場の拡大、即日配送などのサービス拡充で、ドライバー需要が拡大しています。
また、外国人観光客が増えた影響で、ツアーバスのドライバーも不足しています。
ニュースで事故を起こしたバスドライバーの勤務実態が取り上げられたりしますが、会社としては無理にでも働いてもらうしかない状態なんですね。
それくらい、人手不足な業界で、大いなるチャンスを秘めています。
宿泊・飲食サービス業
何かと話題に挙がることの多い業界ですが、チャンスを秘めているのは確かです。
転職しやすい理由
- 勤務形態の不規則性、長時間労働、薄給、休日の少なさで避けられがち
- 業界全体のイメージが悪く、流入者も少ないために慢性的な人手不足
実際、過酷な労働環境が伴うことも多いですが、昨今は改善傾向にあります。
イメージ先行で業界自体を避ける人が多いですが、会社単位で見ていくと、働きやすい優良企業がたくさん存在しています。
建設(土木)業、不動産業
建設業に関しては、中小企業が該当します。(大手は安定感がある)
転職しやすい理由
- 給料等の待遇や将来性が原因で辞める人が多く、慢性的な人手不足
- 実際、大手でないと生き残っていくのが難しい状況もある
転職のチャンスは大いにありますが、企業選びには細心の注意を払いたいですね。
不動産業に関しては特に営業で、理由は情報通信業の営業と同じです。
小売業
求人数も豊富で、若年層であれば、異職種・異業種からの受け入れにも寛容です。
転職しやすい理由
- 薄給、長時間労働、休日の少なさが原因で人の出入りが激しい
- 業績の良い企業は全国規模で出店開発を進めていくので、それも相まって常に求人がある
小売業は外から(客として店舗を利用)見ると楽に見えますが、内実は激務であることも多く、想像とのギャップで辞めてしまう人が多い業界です。
また、販売職は当然数字が求められるので、営業職と同様の厳しさもあります。
ただ、店舗運営全般の知識、考え方、顧客との接触を通して「幅広い経験」を得ることができる業界でもあります。
生活関連サービス業
様々なサービス業を含みますが、特に「理容・美容業」「旅行業」「冠婚葬祭業」「娯楽業」が該当します。
転職しやすい理由
- 仕事量に見合わぬ薄給で、人の出入りが激しい
- イメージの悪さから避ける人が多い
専門的なスキルが必要なものを除けば、比較的転職しやすい業界と言えます。
教育・学習支援業
昨今の社会形態が影響し、避ける人が増えており、需要が高まっている業界です。
転職しやすい理由
- 仕事量に見合わぬ薄給で、人の出入りが激しい
- 昨今の教育現場に向けられる厳しい視線によるストレスから、離職率が高く定着性が低い
誰にでも手が出せる業界ではないですが、ここにも採用のチャンスがあります。
転職しやすい業界の6つの共通点
未経験の受け入れにも寛容な「転職しやすい業界」を見てきましたが、どう感じたでしょうか。
全てに共通するのが、「人が辞める何か」を持っている業界だということですね。
既に転職サイトなどを通じて求人検索している人ならば、上記の業界の求人数の多さを実感していることだと思います。
- 実力主義
- 長時間労働
- 仕事量に見合わぬ薄給
- 暦通り休める仕事に比べて休みが少ない
- 離職率が高い(定着性が低い)
- 慢性的な人手不足
転職しやすい業界はこれらの要素を抱えており、イメージの悪さも相まって避ける人も多いです。
その結果として、慢性的な人手不足が発生し、転職者の受け入れに寛容なんですね。
事実、厚生労働省が公表しているデータからもそれが見て取れます。
産業分類別の3年以内の離職率
- 宿泊・飲食サービス業 53.2%
- 生活関連サービス業・娯楽業 48.2%
- 教育・学習支援業 47.6%
- 途中省略
- 製造業 18.6%
- 鉱業、採石業、砂利採取業 10.4%
- 電気・ガス・熱供給・水道業 6.9%
要は、これらの事実とデータを見てあなたがどう考えるかです。
あなたが「転職しやすい業界は避けたい!」と考えるならば、その他大勢と同じ考え方なので、高い競争率を勝ち抜かなければなりません。
また、「人が辞める何か」を持たない業界は、需要自体が少ないので、狭き門への挑戦になります。
逆に、これらをチャンスのある業界と捉えることができれば、選択の幅は大きく広がります。