社会人経験をお持ちの人であれば「キャリア」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
- 仕事を通してキャリアを積んでいく必要がある
- 転職してキャリアを積み上げる
- キャリアアップする転職は良し
誰もが一度は触れる機会のある言葉ですが、そもそも「キャリアを積む」とはどういう意味なんでしょうか?
あなたは正確にこれを説明できますか?
「何となくは想像できるけど、正しい意味は理解していない」という人が多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは「キャリア」について考えていきたいと思います。
「キャリアを積む」とはどういうことなのか?

まず、キャリアに関しては以下のように認識されていることが多いです。
キャリアを積む = 長く働く = 様々なことを経験する
でも、厳密に言うとこれは違っており、「キャリアを積む」とは以下のように解釈しなければなりません。
キャリアを積む = 自身の市場価値を高める = 稼ぐ力を高める
これは会社側の視点から考えると分かり易いのですが、「会社により多くの利益をもたらす人物として成長しているかどうか」ということです。
つまり、キャリアを積んでいる人は、会社により多くの利益をもたらすことになるので、その対価としてより多くの給料が貰えることになります。
逆に、キャリアを積んでいない人は全ての要素が反転します。
時に、「長く働いているのに給料が上がらない!」なんて怒る人がいますが、結局は経験年数相応のキャリアを積んでおらず、入社当時から同レベルの仕事を繰り返しているだけの人が多いです。
これも先ほどの視点で見ると分かり易いのですが、会社からすると給料を上げる要素がないのです。
同レベルの仕事をずっとやっている = 会社にもたらす利益は変わらない
一般職に分類される仕事は、総合職に比べて給料が上がりにくいですが、ここに理由があります。
言葉は悪いですが、「一通り仕事の流れを覚えると、後は同じことの繰り返しの仕事」なんかは該当しやすいですね。
長く同じ分野の仕事に従事している・経験年数が長い ⇒ キャリアを積んでるとは言えない
キャリアに関しては、あくまでも自身の成長によってもたらされる「利益ベース」で考える必要があるということです。
「キャリアを積む」を詳しく知ろう!

キャリアに関してより深く理解するため、「小売業(販売)」の一般事例を見ていきましょう。
実店舗で一般消費者相手に商いを行っている企業に入社すると、以下の順序で昇格を目指していくのが一般的です。
- 販売員
- 店長
- スーパーバイザー
大抵は給料UPも伴いますが、その理由は、会社により多くの利益をもたらす人材となり価値が上がるからです。
たとえば、以下2人の人物がいたとしましょう。
- A「一人の販売員として売上げを確保している人」
- B「店長として店舗スタッフをマネジメントし、店全体の売上げを確保している人」
この場合、Bさんの方が価値のある人物となるので、会社はAさんよりもBさんにより多くの給料を払います。
これを転職に当てはめて考えてみましょう。
例えば、以下の経歴を持つ2人の人物がいたと仮定します。
この二人が転職市場に乗り出したら、どちらが高く評価されると思いますか?
- C「店長になれる能力がなく販売員として従事(5年勤務)」
- D「販売員を経験後、店長となり店舗運営に従事(3年勤務)」
この場合、問答無用でDさんの方が高く評価されます。
何故かというと、Dさんは「販売+店長としてマネジメント」ができる人物なので、販売しかできないCさんよりも価値が高いからです。
Cさんは販売の経験が長いだけの人物
Dさんはキャリアを積んできた人物
転職市場ではこのように評価されるんですね。
この事例からも「キャリアを積む = 長く働く」ではないことが分かります。
ここで、例えばCさんが、販売に限界を感じて、経理に転職したとしましょう。
これで「販売+経理」を経験することになるんですが、これは「キャリアを積んでいる」とは言えません。
販売のキャリアを捨て、経理としてのキャリアを一から積み直すことを意味します!
つまり、「キャリアを積む = 様々なことを経験する」とも違うことが分かるかと思います。
逆に、Cさんが「今の会社はレベルが高くて店長になれないが、別の会社ならなれそうだ」と考え、同業他社に転職を考えたとしましょう。
これは、キャリアアップを目指す転職となります。
そして、転職を実現させ、再び販売員を経て店長となり給料UPも成し遂げた!
この場合はキャリアアップを実現させたことになります。
つまり、キャリアを積むとは「市場価値(会社の中での価値)を高めること」であり、強いてはそれが「稼ぐ力を身に付けていくこと」でもあるんですね。
- キャリアを積む
- 市場価値を高める
- 稼ぐ力を高める
全て密接に結びついています。
ぼんやりとでも見えてきたのではないでしょうか。
キャリアと転職の関係を考える!
キャリアが転職に及ぼす影響について考えてみましょう。
正しいキャリアの積み方をしている人
- 年齢相応の経験・スキル・実績を持っている
- 市場価値が高い
- より多くの企業から求められる
- 自分の望んだ会社に入れる可能性が高い
- 転職が成功に繋がりやすい
- 給料UPも実現可能
- ある程度の年齢を重ねていても転職可能
正しいキャリアを積み上げている人は、転職市場でも高く評価され、引く手あまただということですね。
逆に、キャリアを積めていない人は、反対の道を辿ります。
キャリアを積めていない人
- 年齢相応の経験・スキル・実績を持っていない
- 市場価値が低い
- 一部の限られた業界(会社)にしか相手にされない
- 転職が失敗に終わりやすい
- 転職すると給料が下がる
- 年齢を重ねるほどに全てのマイナス要素が大きくなる
転職では「転職回数が多いと不利になる!」と言われますが、これは回数の問題ではなく「キャリアの積み方の問題」なんですね。
同じ転職回数だったとしても、「転職を利用してキャリアアップを実現してきた人」と「様々な職を転々としてきたジョブホッパー」では評価が180°違います。
ここに「キャリアアップ転職は良し!」とされている理由があります。
キャリアと向き合っていきましょう!
正しいキャリアを積み上げていけば、仕事をしていく上でのメリットを享受できます。
- 収入面の充実
- 転職の可能性UP
- 将来不安の軽減
ただ、キャリアを積むということは、より高いレベルの仕事を任されることであり、成果に対する責任やプレッシャーが増えていくのが一般的です。
つまり、それを乗り越えて結果を出していくことが必要なので、言葉で言うほど簡単なことではありません。
また、会社はあなたのキャリア形成よりも「今いる人員で利益を最大化させること」を最優先に動くので、自分の思い描いているキャリアと関係のない仕事を任されることもあります。
でも、この先も今の会社でやっていくのであれば、時としてそうした仕事も受け入れなければなりません。
これに我慢できないのでれば、転職して自身の考えるキャリアに方向転換する方法もありますが...。
もちろん、キャリアを高めることだけが人生ではないですし、それを強く望む人もいれば、そうでない人もいます。
また、やりたい仕事・挑戦したい仕事があるのならば、キャリアを一から積み直すことになったとしても、自己実現のために挑戦していくべきだと思います。
でも、これだけは覚えておいて下さい。
チャンスは決して多くはない!
だから、いつかは「この職でキャリアを積んでいく!」と決断しなくてはいけない日が来ます。
その決断から逃げ、「あれも違う」「これも違う」とキャリア形成を無視して転職を繰り返すと、前述した「キャリアを積めていない人」の道を辿ることになります。
私は無意味な転職を3度も繰り返し、これを痛いほど味わいました。
だから、油断だけはしないで下さい。
あなたも、この機会に自身のキャリアについて深く考えてみてはいかがでしょうか!
キャリアを積まないとどうなる?
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キャリア形成していかないと「会社から必要とされなくなる」怖い事実!
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