業種と職種の違いを把握して転職活動に望むこと、実はこれ凄く大切であったりします。これを正しく把握しておくことは、自己分析、採用活動、強いては企業選びの選択の幅を広げることにも繋がります。
あなたは、業種と職種の違いをスムーズに答えることができますか?
正しく把握していなくても転職は可能ですから、「何となくは把握しているけど答えられない」という方も多いのではないでしょうか。また、業種に至っては「業界」という言葉と同義で使われたりしますから、分かりづらいことも確かです。
ここでは、その「業種(業界)と職種の違い」と共に、それを把握して「転職活動に活かす方法」をお伝えします。あなたの転職の可能性を広げる為にもお付き合いいただけたらと思います。
業種とは?
業種とは「事業の種別」と定義されており、総務省の公表しているところでは20種類に分類されます。簡単に言うと、どのような商品やサービスを取り扱っているかによって分類される事業の種類です。
【総務省の日本標準産業分類での業種】
- 農業、林業
- 漁業
- 鉱業、採石業、砂利採取業
- 建設業
- 製造業
- 電気、ガス、熱共有、水道業
- 情報通信業
- 運輸業、郵便業
- 小売業、卸売業
- 金融業、保険業
- 不動産業、物品賃貸業
- 学術研究、専門・技術サービス業
- 宿泊業、飲食サービス業
- 生活関連サービス業、娯楽業
- 教育、学習支援業
- 医療、福祉
- 複合サービス事業
- サービス業(その他)
- 公務
- 分類不能の産業
転職での「異業種転職」とはすなわちこの業種を変えることを意味します。
ただ、ここでの業種は大きな括りでの分類なので、一般的にはこの下位に位置する中分類を使うことが多いです。たとえば「小売業」で言うならば、「アパレル」「食料品販売」「自動車販売」「スポーツ用品販売」などがそれにあたります。
仮に「アパレル販売」から「食料品販売」へ転職したとすると、大分類上は同じ小売業となるので、厳密に言うと異業種転職とは言いません。ただ、この場合には「アパレル業界」から「食料品業界」への転職と言われ、異業種転職のように扱われることも多いです。
職種とは?
職種とは、業務内容によって分けた仕事の種類のことです。
たとえば、営業、事務、販売などを指し、あなたの会社での部署(営業部、経理部など)をイメージすれば分かりやすいかもしれません。つまり、職種とは具体的にあなたが何をしているかにあたるものと考えて下さい。
- 営業
- 事務
- 人事
- IT関連技術職
- 販売、サービス
- 企画
- 設計
- 研究開発
- 建築、土木
- クリエイティブ
- 専門サービス
職種に関しても広い意味で使われており、一般的期には中分類を使用します。
- 営業 ⇒ 法人営業、個人営業
- 事務 ⇒ 経理、一般事務
- IT関連技術職 ⇒ SE、プログラマー
- 販売 ⇒ アパレル、食料品
- クリエイティブ ⇒ WEBデザイナー、フォトグラファー
- 専門サービス ⇒ 看護師、保育士、スポーツインストラクター
基本的に、仕事を尋ねられた時に答えるものが「職種」と考えて良いでしょう。たとえば、「何の仕事をしていますか?」と聞かれて、「専門サービスです!」と答える人はいないかと思います。大抵は「看護師です!」「保育士です!」と答えますよね。
業種と職歴を把握し、転職活動に活かそう!
転職に臨むにあたっては、自身の経験してきた「業種」と「職種」をきっちりと把握しておくことが大切です。
何故なら、面接で「あなたの経験してきた、業種と職種を教えて下さい」と経歴紹介を促されることがあるからです。ここで正しく答えられないとなると、それだけで印象を悪くしてしまいます。
また、職種で得た経験を踏まえ、異業種も含めて検討することで転職の可能性が広がります。業種が違っていても、職種で得た経験が活かせる仕事は数多く存在します。「何ができるのか?」「どんな仕事に活かせるのか?」を分析して活動の幅を広げましょう。
例えば、「営業」や「事務(経理)」はあらゆる業種の会社に存在しますから、実績さえあればどの業種でも採用のチャンスがあります。販売にしても、何かを売る仕事(小売)は多種多様ですから、同じものを売ることだけにこだわる必要もありません。「IT関連技術職」も、IT部門が自社内に存在する会社も多いので、業種を飛び越えての転職が可能です。
つまり、今の業種にこだわる必要がないということです。あなたが経験してきたことは、あなたが思っている以上に大きな可能性を秘めているのです。