基本、転職では「正社員」を前提として活動している人が大半かと思います。
しかし、企業によっては「中途採用者は契約社員から」と決めていたり、正社員採用を前提に活動している企業でも、個別に「契約社員スタート」を打診することがあります。
当然、こうしたケースに該当した場合、正社員を前提として活動している求職者は迷います。
- 契約社員スタートにはリスクがあるのだろうか?
- 正社員でスタートできる会社を選ぶべきだろうか?
- 契約社員からスタートしたとして、本当に正社員になれるのだろうか?
- 志望度の高い会社であっても蹴るべきだろうか?
そこで、ここでは、企業が契約社員スタートを打診する理由と共に、この実状から導き出した一つの判断基準をお伝えします。
転職活動における「契約社員問題」で悩んでいる方のヒントになりましたら幸いです。
企業が契約社員スタートを選択(打診)する理由
何故、企業は契約社員でのスタートを打診するのか?
企業の考えや思惑は色々とありますが、全ての企業に共通するのは「採用リスクの軽減」にあります。
結局のところ、面接や書類選考をいくら慎重に行おうが、実際に働いてもらわないことには「求職者の価値(仕事ができるのかどうか)」は分かりません。
求職者から見た場合の、「入社してみないことには会社は分からない」と同じですね。
正社員でもいつでもクビにできる!
これが日本の社会にも浸透していれば企業も正社員登用を躊躇いませんが、現状はそうではありません。
ゆえに、企業は、正社員登用する前に、その人物の実力を見極めたいのです。
契約社員スタートに対する判断基準

前述した企業の意図を考えると、実は「契約社員スタート」を受け入れるかどうかの判断基準は一つしかありません。
あなたが仕事で成果を出せる人物かどうか?
ここに自信がある人は、契約社員スタートを恐れる必要はありません。
基本、企業は貢献度の高い人物を囲い込む方向に動くので、条件を満たせば普通に「正社員」へと任用替えしてくれます。
難しく考える必要はありません!
契約社員云々の世界は、非常に単純な構図で成り立っています。
- 仕事ができる人物 ⇒ 正社員登用
- 仕事ができない人物 ⇒ 契約が延長されずに退職
日本の社会の場合、これが「正社員」だとできないので、契約社員という便利なものを使ってるんですね。
契約社員スタートはリスクだ、デメリットが多い、避けるべきだ...。
こんな情報も散見されますが、これらの情報を鵜呑みにして「契約社員」を蹴っていては、大きなチャンスを棒に振ることにもなり兼ねません。
厳しいことを言いますが、真実は以下の通りです。
仕事ができない人にとって、契約社員スタートはリスクであり、避けるべきかもしれない!
これが転職における契約社員の実態です。
契約社員はチャンスでもある!
契約社員スタートはマイナスに感じるかもしれませんが、その会社で働くことのできる機会を得ることを意味します。
志望度が高い会社であるなら、前向きに検討すべきではないでしょうか。
- 魅力的な企業だが、契約社員スタートだから応募もしない
- 志望度の高い企業だったが、契約社員を打診されたから内定を蹴る
これは非常にもったいないことですし、後に後悔する可能性があります。
特に未経験職への転職では、契約社員を打診されることが多いです。何故なら、未経験なので採用リスクが高いからです。
でも、契約を打診されたということは、「異業種出身だが可能性を感じるので見てみたい」と感じている証拠でもあります。
このチャンスを「契約社員だから」という理由で簡単に手放すのはどうなんでしょう。
契約社員スタートを前向きに検討すべき条件!
以下3つの条件が成立している場合は、契約社員スタートでも前向きに検討しても良いのかと思います。
- 契約社員から正社員への登用実績がある
- 契約変更の基準が明確
- 仕事で成果を出せる自信がある
①②に関しては会社に問い合わせたり、ネットで情報を拾って調査します。
面接時に打診されたのであれば、その場で確認するのもありです。
逆に、この条件が成立しない場合は、慎重にことを運ぶべきかもしれません。
悪徳な会社には要注意!
最初から「正社員」にする気のない悪徳な会社も存在するかもしれないので、①②の成立は絶対条件とすべきなのかもしれませんね。
私の経験をご紹介!

私の過去の経験をお話しさせていただくと、私自身、IT系から販売サービス業への転職時に「契約社員スタート」を打診されたことがあります。
大手企業の「新規事業」の募集であり、その点に強く魅力を感じていたので、契約社員スタートを受け入れました。
その際の状況を、上記の条件に当てはめると以下のようになります。
- 契約社員から正社員への登用実績はあり
- 店長に昇格すれば、その時点で即正社員に任用替え
- 未経験分野であったが、仕事に真摯に向き合えばやれるはず
会社自体の信用度が高かったですし、何よりも正社員への基準が「明確」だったのが決め手でした。
新規事業の募集であったため、同時期に50名ほど採用されましたが、契約社員であったのは4名だけ...。
同期の正社員と同じ仕事をするわけですが、給料は少し低く、ボーナスは半分ほど。
この点は悔しかったですが、逆に私はこの契約社員というのを「同期の中で絶対に上位の評価を勝ち取る」というモチベーションにしていましたね。
その結果、最初の昇級試験で合格でき、無事に「正社員」に任用替えされました。
私自身、リスクを取れる性格だと思っていますが、れでも「契約社員」というは多少の怖さがありました。
給料面でも劣る部分があるので、納得いかないこともあります。ただ、ここにめげずに懸命に仕事をすることで、道は開けるということを学びましたね。
だから、契約社員スタートを選択する人は、恐怖心や悔しさをモチベーションに、正社員よりも仕事をして下さい!
そうすれば、「こいつを正社員にしないわけにはいかない」と思わせることができます。
そして、契約社員として懸命に仕事をした経験は、その後の人生にも必ずプラスとなって返ってくるはずです。