転職の面接において、ライバルとの競争を勝ち抜くには、他者との「差別化」が必要不可欠です。
理由
書籍やネット上で仕入れた「模範解答」を少し変更しただけの、没個性の回答をする人が多いため!
つまり、あなたも同じようにアプローチするのなら、その他大勢に埋もれてしまうことに...。
それ故の差別化なんですが、これを実現する一つの要素に「雇用側(求人企業側)の視点を理解した回答」があります。
面接に限らず、転職活動全般に通じる内容なので、堅い話ですがお付き合い頂ければ幸いです。
求職者と雇用側の視点の違いを理解しよう!
転職市場において、「求職者の視点」と「雇用側の視点」の間には大きなギャップがあります。
ゆえに、雇用側の視点を知ることは、面接で他者との「差別化」を図ることだけに留まらず、転職活動を成功に導く要素にもなります。
逆に、この点を理解していない求職者は、自己中心的な活動に終始してしまい、採用試験時に「この人は何も分かってないな」と判断されて不採用となるのです。
求職者(雇われる側)の視点
基本、求職者が転職を検討する理由は、現職で抱える「不満の改善」にあります。
それ故に、転職活動時は以下の視点で企業を見てしまいます。
- この会社は自分の不満を解消してくれるのか?
- 自分の経験にいくら払ってくれるのか?
- どんな待遇(条件)で雇ってくれるのか?
分かり易く言うと、「この会社は何を与えてくれるのだろう?」といった見方をしているということ。
しかし、求職者の視点とは裏腹に、給料や待遇といったものは、自らを労働力として提供し、会社に利益を与え、その対価として初めて要求できるものです。
つまり、与えてもらうものではなく、自ら獲得するものであるということ!
それにも関わらず、雇用側の視点を理解していない求職者は、「入社さえすれば会社が与えてくれる」といった誤った認識を持って転職活動に臨んでいるのです。
こんな状態では、上手くいくはずがありません。
ここは一つ「対人関係」で考えみましょう。
「これあげるから、それちょうだい(交換)」は理解できますよね?
でも、一方的な「あれくれ、これくれ、もらって当然だ」は理解できないはずです!
極端な例ではありますが、これと同じことを多くの求職者がやってしまっているのです。
雇用側(雇う側)の視点
一方で、雇用側が人材を募る最大の理由は、労働力の拡充による「利益の向上」です。
不満の改善 ≠ 利益の向上
労働力の拡充方法には、人材の雇用以外に、業務委託、代理店、業務提携など、幅広い選択肢があります。
これら雇用以外の選択肢は、成果が上がればコストが発生する「成果比例型」が主流です。
つまり、中途で人材を採用するという拡充方法は、雇用側からすると先行投資的なリスクを含む方法となります。
ゆえに、雇用側が採用を判断する時の視点は、「この人は今後(未来)、いくら稼いでくれるのか?」といった投資的な観点になる!
雇用側の視点を理解せず、「この会社は私に何を与えてくれるのか?」では話にならないことが分かるかと思います。
求職者の視点
- 過去の実績を基準に、自分をいくらで買ってもらえるのか?
- 入社すればどんな待遇(環境)で働かせてくれるのか?
- この会社は何を与えてくれるのか(不満を改善してくれるのか)?
- 「過去」×「現時点(入社直後)の自分」
雇用側の視点
- 今後の成果予測を基に、いくらまでなら投資できる人材なのか?
- 雇用することでどれだけの利益を生み出してくれるのか?
- 「未来」×「適応変化の可能性」×「予測収益」
この通り、両者の視点の違いは想像以上に大きく、面接などのやり取りに如実に表れます。
- 現時点を改善したい求職者
- 未来の収益を確認したい雇用側
この両者のコミュニケーションですから、すれ違いが多くなるのも当然ですね。
これは何も求職者だけが悪いという訳ではなく、構造的なギャップの問題です。
しかし、ギャップが存在するのは当然だと、自分の要求だけを雇用側に求めていては内定は勝ち取れません。
であれば、この構造的なギャップを上手く利用するのが賢い選択です!
- ライバルの多くが、求職者視点だけを持って面接に臨んでいる!
- 雇用側視点に寄り添ったアプローチをするだけで、簡単に「差別化」が可能!
ライバル以上に企業の視点に立ち、課題を整理し、自身の経験(実績)や可能性(未来)を提案する!
この能動的な売り込みアプローチで面接に臨めば、必ずやあなたに朗報がもたらされるはずです。
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