面接で苦手なタイプの人(上司・部下)を問われた時の適切な答え方
「あなたはどんなタイプの人が苦手ですか?」
この手の質問は答え方が非常に難しい!
というのも、この問いに答えることによって「どのようなタイプの人と上手く働けるのか」「何を苦手としているのか」ということが相手に伝わるからです。
つまり、この手の質問は、評価を高める要素がないにも関わらず、答え方を間違えると「大きく評価を落とす(一発で不採用)」という厳しい側面を持っているのです。
そうした中で、特に評価を落としやすいのが「苦手な上司」を答える時です。
詳しく見ていきましょう。
苦手なタイプの上司を答える際のリスク
実際の面接でよくある失敗は、「苦手な上司」について雄弁に話してしまうことです。
多くの場合、過去に出会ったある特定の上司を想像して話してしまうため、かなり話は具体的になります。そのため、知らぬ間に「誰かの悪口を言っている印象」を与えてしまう可能性があるんですね。
あなたの想像する上司のレベルによっては、「やはり仕事ができないのに偉そうな上司は嫌いです」など、つい言葉が過ぎるようにもなります。
面接官は、基本的には上司となる立場の人が多いので、それが全く他人の話であったとしても、どこかで自分と重ねて話を聞いているものです。また、直接上司とならない立場の人であったとしても、「〇〇部署のあの人の元で働くのだから、◇◇タイプの人が馴染みやすいだろう」と配属予定部署のことを想像して面接しています。
このような背景があるため、答え方を間違えると「文句が多く、扱い辛い部下かもしれない」「上司に対する見方が厳しいが、果たして自分はどうなんだ?」と厳しい目を向けられるのです。
たとえば、「私は頑固な上司が苦手です」「おとなしいタイプの人とは馴染みにくい」「体育会系はちょっと」といったような、苦手なタイプの人の性格面を指摘するのもリスクが高いです。
何故なら、面接官から「体育会系が苦手とのことだが、私も野球部出身だから、あなたにとっては苦手なタイプにあたるのかな」なんて揚げ足を取られる可能性があるからです。
ここで、「いえ、あなたが私の前の上司のようなひどい方には見えません」なんて弁明を述べても、あなたの評価は返ってきません。
会社という組織は、性格の異なる人たちが集まって形成されているので、「性格の合わない人」「苦手なタイプの性格の人」がいるのは当たり前のことです。そのため、個人の「性格」に言及する行為には、一定のリスクが存在するのです。
この手の質問で、「苦手なタイプの人はいません」「どんなタイプの人であっても上手くやっていけます」と答えるのもリスクがあります。何故なら「じゃ、部下を不公平に扱う上司でも問題ないのですか?」と問われると、やっぱり答えに窮してしまうはずだからです。
人付き合いの上手い人であれば、「誰とでも上手くやっていける」ということは確かなのですが、面接官がそう認識してくれるとは限りません。基本、面接官は求職者の答えを疑ってかかるという側面がありますからね。
これらの理由から、「質問を否定するような答え」を提示するのも避けた方が無難です。
苦手なタイプを問われた時の適切な答え方
じゃ、一体どう答えたらいいんだ!? と言いたくなる質問ですが、最も無難な選択は「コミュニケーションの取りやすさ」について言及することです。
このように答えておけば、面接官は納得してくれるでしょうし、揚げ足を取られる心配もありません。自分にとって苦手なタイプであっても、あきらめずに工夫をして接してきたという部下のコメントは、これから上司になる人からしてみれば、頼もしいコメントに聞こえるのです。
但し、例文の場合は「具体的にどんな工夫をしていたのですか?」と突っ込みを受ける可能性が高いので、答えは準備しておく必要があります。質問される前に回答に入れ込んでおいてもOKです。
このコミュニケーションについての言及は、反対に「理想の上司」を問われた時にも使えます。
面接官が反感を抱くこともなければ、反撃をくらうこともない。それが、苦手(理想)なタイプの人を答える際に「コミュニケーションについて言及すること」なんですね。
プラスの加点がもらえない質問に答える際は、リスクをどれだけ排除できるかというのが最も重要な要素になります。この点を意識して、あなたなりの答えを導き出して下さい。