転職の面接では「社会人経験を持つ人物」を採用するという観点から、「仕事上の強み」を問われることが多々あります。
- あなたの仕事上の強みを教えて下さい!
- 仕事する上で誰にも負けない強みはありますか?
- 働く上で得意としていることは何ですか?
企業はこの種の質問で「あなたの採用メリット」を探っており、回答如何で評価が大きく上下します。合否をも左右する重要な質問なので、適切な回答を示して入社後の活躍をイメージさせる必要があります。
ここでは「企業側の質問意図」「NG回答例」「OK回答例」を交え、この質問に関して詳しく解説していきます。
企業側の本音 ~ここが知りたいポイント~
適切な回答を導くため、まずは企業の「質問意図」を把握しておきましょう。
- 募集職種に関連する強みを聞かせて欲しい
- 当社で活かせる強みを聞かせて欲しい
- 強みだと言える根拠もセットで語って欲しい
この質問における最重要ポイントは、応募企業の募集職種に活かせる強みであることです。
いくら素晴らしい「強み」を語ろうと、募集職種で活かせるものでなければ意味がありません。ある程度のビジネス経験を積んできたアラサー世代や、同業・同職種出身者は特にこの点を意識しおきましょう。
自身の強み、特に業務上の実績・スキル・得意なことを、応募企業のニーズに合わせて具体的にアピールする! これを満たした回答こそが、あなたの「採用メリット」を的確に伝える回答です。
逆に、若年層や異職種出身者で募集職種で直接活かせる「強み」を持っていない場合は、どんな仕事でも活かせる「ビジネススキル」や「ヒューマンスキル」を語ってもOKです。ただし、その場合でも応募企業で活かせるものであることが前提です。
いずれにせよ、応募者が勝手にそう思い込んでいるだけの、何の根拠もない「強み」を語っても意味はありません。回答には客観性を持たせ、採用側に「なるほど、確かにその強みはもっともだ!」と納得させる必要があります。
NG回答例
実際の面接の場でよくある「NG回答」について見ておきましょう。
「まだ実績には結びついておりませんが、私は交渉力に自信があります。」
「足で稼ぐタイプの営業マンでフットワークの軽さが身上です。新規顧客開拓のため、飛び込みで1日30件の企業を訪問したことがあります。また、営業窓口を広げるため、異業種の名刺交換会といった機会にも積極的に参加しています。」
まず第一に、ビジネス上で有益かどうか分からないものはセレクトすべきではありません。「誰にでも優しく接することができる」というのは人として素晴らしい要素ですが、ビジネスの場では評価されません。
仮に、その優しさが仕事をする上で有益に働いた経験があり、「御社でも必ず役に立つ」と説明できれば別ですが、この点を満たせないのであれば避けるべきです。
次に、客観性のない自己申告レベルの話は、何の説得力もなく「あなたの勘違い」と見なされて終了です。採用側はあなたのことを知らないわけで、信じてもらうには「具体的根拠」を示す必要があります。
最後は、やる気や行動力を感じさせる内容ですが、結果が伴う「できる営業マン」かは判断できません。話す内容に説得力を持たせるには、数値を交えて客観性を持たせることが必要不可欠です。営業職なら尚更ですね。
OK回答例
この質問の回答としては、どんな内容が適切なんでしょうか。
私の強みは、決定権者の見極め力とクロージング力です。私は今まで2社の勤務経験がありますが、業種は違えど一貫して法人営業に関わってきましたので、この2つの力には自信があります。
担当や事務レベルの方にいくら時間や労力をかけても、商談は前に進まないことを体感してきましたので、どの商談であっても決定権者を見つけ出し、1分でもいいからアポを取り付けるようにしました。決定権を持つ経営上層部の方は多忙であることが多いので、事前に綿密な商談趣味レーションを行うなどして徹底した準備で臨み、一発勝負のつもりでクロージングしてまいりました。
この周到な準備とクロージング力が実り、前職では私が所属していた関東地区において、〇〇年度営業成績1位を獲得することができました。
応募企業でも役立つ強みが、具体的なエピソードと共に語られているので、新しい職場での活躍を想像させることができています。また、最後に「営業成績1位」と実績にも繋がっていることを伝え、話の説得力を高めていることがわかります。
この例文からも分かる通り、「具体的なエピソード(体験談)・数値を交えて話に客観性を持たせること」が最も重要なポイントになります。このポイントを外すと「ただの自己評価」となってしまうので、採用側が納得することはありません。
このポイントを意識して回答を準備しましょう!