転職の面接では、「仮想の質問」で応募者の見極めを行うことがあります。
- あなたが社長だったら何をしますか?
- あなたが当社の社長だったら、その問題にどう対処しますか?
社長だったらというのは、正にその代表例ですね。
採用側は、この質問から何を探ろうとしているのでしょうか?
企業の質問意図、OK・NG例から、この疑問の答えを探っていきましょう。
企業側の本音 ~ここが知りたいポイント~
適切な回答を準備するため、まずは、企業の「質問意図」を把握しておきましょう。
質問意図
- 当社(業界)に対する理解度や入社意欲を探っている
- 仮想な質問ではあるが、実現不可能な夢物語を語られても困る
- 事前の「企業研究」や「情報収集」で当社の経営課題を見極め、実行を想定した現実的な話を聞かせて欲しい
この質問は「仮想」の質問ですが、だからと言って何でも好き勝手なことを語っていいわけではありません。
応募企業の実績や今後の方向性、業界の動向など、複数の情報を把握した上での現実的な回答が求められています。
また、この質問の回答には「事前の情報収集の差」がモロに現れるため、企業からすると「当社に対する理解度」や「入社意欲」を判断する恰好の質問なんですね。
- 企業研究はHPを軽く読み流しただけ
- 業界については調べていない
この手のことを察知される薄っぺらな内容だと、「この人はこの程度なんだ」と判断されて終わりです。
残念な結果に終わらぬよう、事前の情報収集をしっかりと行い、万全の準備で臨みたいですね。
回答例文(NG編)
実際の面接でよくある「NG回答」をいくつかご紹介しておきます。
NG例①
まだ社会に出たばかりなので、社長というポジションで働くイメージが湧かず~
NG例②
まずは一社員としてしっかりと勤め上げ、働きながら何が必要かを考えていきたいと思います。
共に若手にありがちな回答ですが、この質問はあくまでも仮想の話なので、「今の自分が社長だったら」という視点での考えを語る必要があります。
この手の内容では「質問から逃げた」と判断される可能性もあるので、自分なりの考えをしっかりと伝えましょう。
NG例③
私が社長だったら、今までにない革新的で付加価値の高い商品を開発し~
この回答例のごとく、「革新的な」「付加価値の高い」といった抽象的な表現に終始するのもNGです。
上記の質問意図でもお伝えした通り、実現を想定した具体的な内容を語る必要があります。
回答例文(OK編)
OK例文から、回答のポイントを探ってみましょう。
OK例
私が御社の社長なら、「グローバル化の更なる推進」と「不採算事業の撤廃」の2つに着手します。
前者は、真のグローバル企業になるための試金石です。ここは、海外からの優秀な人材を採用するのは当然として、着任ポストに上限を設けない人事制度を一早く構築し、運用ベースに乗せます。
次に後者ですが、既にグループ全体の業績を赤字に転じさせるような事業が出てきています。ここは、過去の成功やこだわりを捨て、まだ価値のあるうちに海外企業等への売却を検討します。
今までの企業文化や風土の良い部分は残しながらも、改革すべきところはダイナミックにやらなければ、今の社会では生き残っていけないと考えるためです。
この例文は、応募先の課題と解決策について、自分の考えを交え、応募企業に関する研究の成果をしっかりと伝えることができています。
また、しがらみに囚われない決意を語ることで、経営者マインドも垣間見えるのがGoodですね。
この質問の回答において、一つ知っておいて欲しいことがあります。
企業の意図に即した回答ができれば、内容云々はそれほど重要ではない!
ゆえに、深い企業(業界)研究を行った上で、あなたなりの考えを自信を持って語ればOKです。
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