転職の面接では「入社可能日(時期)」について問われることがあります。
「いつごろ入社できますか?」
「当社とご縁があった場合、いつから働けますか?」
「入社可能な時期を教えて下さい!」
実は、この質問には「言葉通りの意味」と「もう一つ別の意図」が隠されています。その為、採用側の質問意図を把握せずに誤った回答をしてしまうと、それが原因で不採用となってしまうことがあります。
この点を含め、採用側の質問意図、NG回答例、OK回答例を交えて詳しく解説していきます。
採用側の本音 ~ここが知りたいポイント~
何故、採用側は「入社可能日(時期)」を問うてくるのでしょうか。評価を落とさない適切な回答を準備する為、まずは採用側の質問意図を把握しましょう。
- 自社の想定している期間内に入社できるのかを確認するため
- 自社に入社する意思(転職意思)が本当にあるのかを探るため
まず、言葉通り「いつから働けるのか」を確認する意図があります。採用側は配属予定部署の状況から「いつまでに、何人採用する」とある程度決めているので、想定期間内に入社可能な人物かを確認したいんですね。
一般的に中途採用者を募る転職においては、内定から1ヶ月半以内の入社を想定しています。採用側も「すぐに働けます!」という回答だけを求めているわけではないので、あなたの状況を素直に語れば問題ありません。
ただ、想定よりも先の入社となると、状況によっては「不採用」となることもあります。その為、会社をすぐに辞めることができない場合は別として、「退職後にゆっくりしたいから」などの私的な理由で先延ばしにすることは避けましょう。
なお、離職中の方は「御社のご都合に合わせられます」「いつでも入社可能です」という回答が基本路線です。逆にある程度の期間を設ける場合は「理由」を添えて回答する必要があります。
次に、この質問には「本当に自社に入社する意思があるのか(本気度、転職意思)」を確認する裏の意図も隠されています。
特に在職中の方に対してはそれが顕著で、「本当に良い会社から内定を得られた場合にだけ転職する」という人も少なからずいるので、転職に対する本気度を探られているわけです。
これらが質問に込められた企業側の意図なので、求職者側は「すぐに入社することが無理であるならば、その理由と必要日数を具体的に説明すること」が求められています。
つまり、面接までに「今勤めている会社の退職までに必要な期間」を調べておく必要があるということですね。回答で具体的な期間を説明できないと、「本気で転職を考えていないのでは?」と疑われ、評価を下げる危険性があるからです。
NG回答例
実際の面接の場でよくある「NG回答」をいくつかご紹介しておきます。
「他の会社も受けているので、選考状況次第となります。」
「退職後は少しゆっくりしたいと考えていますので、3ヶ月先の入社となりそうです。」
いずれの回答も、「入社意欲(本気度)が低い!」「入社意思がない?」という印象を与えかねない答えです。企業は、「いつ入社できるか分からない人」「自己都合であまりにも先の入社となる人」は採用しません。
この質問に関しては、自ら不必要なことを語らず、おおよそでも入社時期を明言した上で、「なぜ、その時期になるのか」について具体的に説明することを心掛けて下さい。
OK回答例
OK回答例から、どんな回答が適切なのかを確認しましょう。
2.内定をいただいてから1ヶ月後の入社を考えています。1ヶ月後と申したのは、現職の社員規定を確認したところ、退職の場合は1ヶ月前に届け出るようにとの記載があるのを事前に確認しており、引継ぎにも1ヶ月弱は必要だと判断したからです。ただ、もしこの1ヶ月という期間が御社の想定よりも長いようでしたら、もう少し短期間で退職できないか、現勤務先と交渉してみたいと思います。
2つの回答に共通するのが、入社可能な時期(退職にかかるであろう期間)を明確に示し、その理由を具体的に述べているという点です。ここが、この質問の回答として重要なポイントとなります。
また、例文2では、期間を縮める努力を匂わすことで「入社意欲が高いこと」も同時にアピールできています。この質問の回答として最適なものになりますから、在職中の方や、入社時期が1ヶ月半以上先になってしまう方は、このように付け足しても良いでしょう。
この質問は、「採用側の意図」さえ把握していれば簡単に適切な回答を示せます。この種の問いで評価を下げるのは勿体ないことなので、ポイントを押さえた回答をしっかりと準備しておきましょう。