転職の面接では「貢献できることは?」という質問で、具体的に何ができるかが問われます。
この種の質問は、採用へ踏み切る最後の決め手を欲している時に出やすい質問であるため、大きなチャンスを秘めています。
ここは、内定を決定付ける回答で印象UPを図りたいですね。
- 当社にはどんなことで貢献できますか?
- 当社に貢献できる職務経験について教えて下さい!
- 入社したらどのように貢献していただけますか?
この質問では、応募先の需要にマッチした経験・スキルのアピールが求められています!
どの会社でも通用する内容では何のアピール力もありません。
ここでは、貢献に関する3つの回答視点と、OK・NG例文を提示し、この質問に斬り込んでいきます。
適切な回答を導く参考情報として活用していただければと思います。
視点1:応募先とマッチする実績と能力を回答する
応募先の業務と同様の仕事をこなしてきた実績、応募先で役立つ能力など、応募先の業務にマッチするアピールができれば最高です。
- 商品(何を売っているか、何を作っているか)
- 業務内容(どのような作業が必要か)
- 市場(どこで売っているか)
- 顧客層(誰をターゲットにしているか)
応募先のこれらの要素と、自分の実績・経験・能力(スキル)を比較して、マッチする部分を優先的にアピールします。
ここで貢献度を強くアピールができれば、大きく内定へと近づくはずです。
この視点での回答が、貢献を問う質問に対する最もベターな選択となります!
視点2:面接官の望む方向から回答する
面接官の要望を汲み取ってアレンジする方法です。
面接の中で、具体的な業務の説明を聞いていた場合に、それとリンクする自分の経験や知識をアピールします。
例えば、以下のような感じです。
今日の面接で新規事業への参入をお考えになっているというお話しを聞き、「その方面でベンチャービジネスでの経験が活かせるのでは」という思いを強くしました。
応募先の事業展開や要望と自分の経験を結び付けて回答できれば、採用後の仕事ぶりを強くイメージさせることができます!
事前に準備していた答えよりも強くアピールできると判断できれば、この視点から回答するのもアリです。
視点3:将来の目標や理想像から回答する
自身のビジョンや仕事の理想像をもとに回答することもできます。
この場合は、自分の将来像を提示して、今後も長く続く会社への貢献イメージを描きます。
2年以内にアプリケーションソフトを担当するSEとしての技術を極め、5年以内にプロダクトマネージャーとして会社に貢献するのが当面の目標です。御社の業務環境は〇〇という点で、その目標に打って付けだと確信しています。
応募先の事業や役割に合った将来像を提示できれば、面接官にあなたの入社後の具体的な貢献イメージを描かせることができます。
その意味で、自身のキャリアビジョンと、応募先の人事制度とのマッチングを確認しておくのも大切ですね。
条件別OK・NG例文

実際のOK・NG例文から、この意味するところを確認していきましょう。
当社に貢献できる職務経験があれば教えて下さい。
NG例①
御社がどのような職務を求めているのか分からないので具体的にはお答えできませんが、経理は10年の経験があります。財務面では経理部長に同行して銀行へ資金繰りをお願いした経験があります。
経理、財務しか経験がないので、他の分野での貢献は難しそうですが、経験分野では戦力になれると思います。
OK例①
経理だけでなく、財務経験がありますので、財務面を強化したい御社の意向を踏まえて短期間で戦力となり貢献できると思います。財務面では、財務諸表の作成、銀行との折衝業務の経験が活かせます。経営、財務面から中長期的な経営資料も作成できます。
また、前職では2名の新入社員の指導、育成経験がありますので、経理関連の研修も行うことが可能です。即戦力として御社で貢献できればと思います。
入社したらどのように貢献していただけますか?
NG例②
ブランドや販売方法が違いますので、貢献できるまで時間を要するかもしれませんが、これまで経験した商品企画や販売ルートの構築が少しでも活かせればと思います。
アパレル商品は、景気や天候にも左右されるため売上予測が難しいですが、御社に入社できましたら売れる商品を打ち出したいと思います。
OK例②
お客様のニーズを読み取り斬新なアイデアを打ち出すことができます。前職ではアパレル業界でマーチャンダイザーの経験があり、市場を把握したうえで、お客様にデザイン、価格、品質で満足していただける商品を提供してきました。
業界の動向、販売チャンネルを熟知していますので、新たな販売ルートを構築し、売上に貢献していきたいと思います。
OK例文に共通するのは、応募企業の募集職種で求められる役割を的確に把握し、それを自身の経験・能力とマッチングさせて、「この点で貢献できる!」と断定して述べている点です。
貢献と問われると謙遜しがちですが、求職者は経験・未経験問わずプロ意識を持って回答する必要があります。
NG例文に見られるような、へりくだった物言いや自信のなさが見え隠れする表現は避けるべきです。
次に、会話形式での例文を見ていきましょう。




【面接官の感想(高評価)】
25歳~35歳はわが社のメインターゲットと重なるし、購買の動機など基本的な知識も持ち合わせているようだ。この候補者なら入社後すぐに戦力として活躍できそうだ。




【面接官の感想(低評価)】
私なりのノウハウという割には、ありきたり。そこからヒットに結び付けたなどの実例もないし、入社後の貢献イメージが描けない...。
未経験者が問われた場合は?
転職においては、未経験者であってもこの質問が投げかけられます。
未経験者の場合も、やはり「ウリ」になるのは過去の経験・実績です。
これまでの仕事で、次の仕事で貢献できそうな部分、企業のニーズにマッチする部分を見つけ出し、自信を持ってアピールすることが大切です。
高いマッチングを示すことは難しいでしょうが、活躍する姿をイメージさせる内容を語りたいですね。
入社したらどのように貢献していただけますか?
NG例
飲食業界やホテル業界での接客経験しかありませんので、貢献できるかどうか分かりませんが、できる限りのことはしたいと思います。
保険業界はこれまでに経験した仕事と違い、商品が複雑なので、すぐに貢献することはできないかもしれませんが、地道に努力していきたいと思います。
OK例
飲食店における接客サービスのほか、ホテルのフロント業務に携わった経験を活かし、お客様のニーズを的確にとらえて、満足していただける商品を提案したいと考えております。
保険業界は未経験ですが、積極的に専門知識を習得し、培った接客経験と人脈を武器に売上に貢献したいと思います。
未経験者のアピール方法については、以下のページでも解説しています。
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参考転職面接「なぜ未経験職を希望するのか?」に対するOK・NG回答例
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