どうせ働くのであれば、やりがいのある仕事がしたい!
今後何十年にも渡って働くことを考えると、この考えに至るのは自然なことです。
もちろん、仕事に「やりがい」を求めることは決して悪いことではありません。
でも、やりがいを求めると以下の道を辿る可能性が高くなります。
- 今の仕事にやりがいを感じていない
- 新たな仕事・憧れている仕事・昔から興味があった仕事に就くことを目指す
- 新たな分野への挑戦・未経験分野への挑戦となる
- 当然、給料は下がる
- キャリアも一から積み直しとなる
ここで一つの問いに答えて欲しいと思います。
給料を減らしてまでやりがいを追求する、この選択は未来を見据えていますか?
- 給料よりも大切なものがある!
- お金だけが全てでなはい!
- 私にとっては給料よりもやりがいが重要!
- やりがいのある仕事に就いて給料を上げていけば良い!
こんな声が聞こえてきそうですが、確かにこれらの考えは間違っていません。
ただ、以下3つの現実を確認して、もう一度よく考えて欲しいのです。
これは全て「将来的な後悔」を防ぐためです。
仕事の目的を再確認しよう!

なぜ、あなたは仕事をするのでしょう?
まずは、仕事することの「目的」に立ち返って欲しいと思います。
仕事の目的、そう、それは「お金を稼ぐこと」にあるはずです。決して、「やりがいのある仕事をすること」が目的ではないですよね。
更に言うと、仕事をして稼いだお金で「より良い人生を設計すること」が最大の目的ではないでしょうか。
- 一定水準以上の生活をすること
- 友人・知人と交流して人生を豊かにすること
- 彼氏・彼女と楽しく過ごすこと
- 結婚して家庭を築くこと
- 子供を不自由なく大切に育てていくこと
- 趣味を楽しんで人生を充実させること
- 欲しい物を買って気分を高揚させること
- 行きた場所に行って楽しむこと
- 将来に備えること
つまり、給料を減らすということは、お金を稼ぐ最大の目的である「より良い人生を過ごすこと」に制限を加えることを意味するんですね。
また、給料を減らす転職は、計画的に昇給していかないと「生涯年収」に大きな影響を及ぼします。
この点をしっかりと理解していないと、将来的に後悔する可能性が...。
例えば、「将来的に結婚して子供も作り、マイホームも欲しい!」と漠然とでも考えているとしましょう。
ここで一つの事実をお伝えすると、結婚すると仕事に対する価値観は激変します!
仕事のやりがい?
そんなものはどうでも良くなります。
- 家庭にどれだけの「お金」をもたらすことができるのか
- 家族と過ごせる「時間」をどれだけ確保できるのか
結婚すると多くの人が求めるのはここです。
あなたは未来でこの状況に直面した時、「あの時転職しなければ、今よりも給料が多く、時間的にも余裕があったかもしれない...」と後悔しませんか。
私は、結婚して家族がいる人物が、「やりがい」を求めて転職するという事例を聞いたことがありません。
逆に、若い時分に転職を重ねたことが影響し、結婚後に給料が低いことを嘆いている人には出会ったことがあります。
低収入で家族がひもじい想いをしている・・・こんな状態でもやりがいのある仕事ができていれば幸せですか?
未来を見据えず、一時の感情で転職することは危険性をはらんでいる!
この事実をよく理解しておいて欲しいと思います。
お金が全てではありません。
でも、お金はメチャクチャ大切です!
仕事をする目的は「お金を稼ぐこと」であって、「やりがいのある仕事をすること」ではありません。
将来的に絶対に後悔しないのか?
この点をしっかりと吟味して下さい。
やりがいは自分自身で見出すものである!

あなたは、こんな勘違いをしていないでしょうか?
- やりたい仕事をすれば、やりがいを感じることができる
- やってみたかった仕事に就ければ、やりがいを感じることができる
- 興味のある仕事をすれば、やりがいを感じることができる
はっきり言って、これ、全部違います。
何故かと言うと、やりがいは、会社(仕事)から与えられるものではなく、自分自身で見出すものだからです!
例えば、同じ会社で同じ仕事をしていても、「与えられた仕事に自らやりがいを見出してイキイキと働く人」と「こんな仕事やってられないとイヤイヤ働く人」に分かれます。
これは何も、前者がやりたい仕事ができているからではありません。
組織で働く人間として、与えられた仕事の意味や必要性をしっかりと考え、自分自身の成長や会社の利益を考えて前向きに働いているからです。
やりがいの有無は「与えられた仕事に対してどう考えるか」という個人の思考に大きく左右される!
この本質的な部分を理解していないと、転職しても結局は今と同じ状況に陥ります。
転職してやりたかった仕事ができれば、初めはやりがいを感じるでしょう。
でもそれは、以下の感情があなたに勘違いをさせているだけです。
- 自分の想いが実現した高揚感
- 新たな仕事や環境に対する新鮮味
- 仕事を覚えていく喜び
人はどんな環境にも慣れていくので、次第にこれらの感情は薄れてきます。
で、最初は感じていたはずの「やりがい」を感じなくなります。
何が言いたいのかというと、結局、転職という環境が変わることによってもたらされる(会社や仕事から与えられる)やりがいもどきは長続きしない!ということ。
継続的に仕事に対してやりがいを感じることは可能ですか?
あなたが仕事に対してどう向き合い、どう考えるかにかかっている!
ゆえに、あなた自身の考え方も変えないと、転職しても結局は「やりがいがない」と嘆く羽目になります。
これだけは絶対に間違いありません。
何故なら、やりがいが一生続く仕事(会社)なんてものは存在しないからです。
人間の感情や求められる役割は、時の経過と共に変化する!

人というのは、その時々の状況や重ねた経験、出会った人の影響を受けて「やりたいこと」「興味があること」がどんどん変化します。
だから、今あなたが「やりがいがある!」と感じていることが、3年後・5年後も同じだとは限りません。
あなたは「私は〇〇の仕事をすれば一生やりがいを感じることができる!」と断言できますか?
これに「YES」と回答できないとすると、給料を減らしてまで転職する意味はありません。
また、年月を重ねると、求められる役割は大きく変化します。
一生給料が横ばいのプレイヤーで良いというなら別ですが、昇進・昇格を考えているのなら、仕事は変わります。
基本的には、プレイヤーからマネージャーへの転換が求められるので、組織に属する限り、同じ仕事をずっと続けることもできません。
「マネジメントの仕事なんてやりがいがないから転職だ!」
こんな風な道を一生繰り返すんですか?
最後に...
ここまで偉そうなことを書いてきましたが、何を隠そう、私も若い時分にやりがいを求めて転職に走った人間の一人です。
だから、ここでお伝えしたことは、私が「やりがい」を追って転職した結果から導き出した答えです。
- こんなつまらない仕事を続けても意味がない
- こんな仕事をやるために就職したんじゃない
- もっとやりがいのある仕事がしたい
今思えば、単にカッコつけていただけですね。
でも、社会に出たばかりの経験の浅い若造では気付けなかったのです。
若い時分というのは、自身の行動が将来にどんな影響を与えるか深く考えません。それが若者の良いところでもあるんですが、後悔の要因になったりもします。
だから、今「やりがい」を求めて転職という道に進もうとしている人に、負の側面が存在することを知っておいて欲しいのです。
やりがいを求めて転職することは悪ではありません!
上手くいく可能性も大いにあります。
でも、深く考えもせずに突っ走るのはやめましょう。それは私と同じでただのバカです。
未来が掛かっているのです!
だから、転職を決意したのであれば、会社を変えるのと同時に、自分自身の「仕事」に対する考え方も変えて下さい。
- これまでのキャリアを捨て、給料を減らすことの意味を理解しているか?
- ライフスタイルや将来を考慮した上でのやりがい追求なのか?
- 今現在の一時的な感情に流されていないか?
- 今の環境から逃げたいだけの転職への逃避ではないか?
- やりたい仕事ができれば、やりがいを感じると勘違いしていないか?
- やりたい仕事ができれば、やりがいがずっと続くと勘違いしていないか?
- やりがいがあると思っている仕事、その仕事の「負の部分」までしっかりと調査したのか?
- やりがいは自分自身で見出すものだと理解しているか?
仕事、やりがい、人生、どれも複雑に絡まって難しいですが、だからこそ、本当に真剣に考えて後悔しない選択をして欲しいと思います。