転職理由の一つに「会社への不満」がありますが、その代表的なものに方針との不一致があります。
- 会社の方針に納得できない
- 会社の経営方針に合わない
もちろん、自分自身の考え方と会社の方針が一致している職場で働けるとしたら、それは素晴らしいことです。
ゆえに、この一致を求めて転職に臨むのは悪いことではないですし、転職理由としても間違ってはいません。
但し、その事実をありのまま「応募書類」や「面接」で伝えるのは非常にリスキーです!
現職へのストレートな不満や愚痴は、採用側の企業に確実にネガティブな印象を与えます。あなたの語る内容によっては、「会社組織で働くことの本質を理解していない」と判断されて一発不採用。
それだけ「会社の方針」や「経営方針」との不一致を転職理由として掲げるのは難しいことなんですね。
正しい伝え方を学びましょう!
転職(退職)理由として「会社の方針」を伝える難しさ!
転職理由として「会社の方針」を伝えるのであれば、まずは、それがどれだけ難しいことであるかを理解しておく必要があります。
企業が採用過程で「転職理由」を聞くのは、以下を確認するためです。
- 応募者の前職への不満は納得できる内容かどうか?
- 自社への転職で不満を解決できるかどうか?
要するに、あなたが語る「会社方針との不一致」が通用するのは、「応募先の企業が納得できる内容」&「応募先であれば解決できる(起こり得ない)問題である」という二つの条件が成立している必要があるということ。
ゆえに、あなたは企業選びにおいて、「同じ不満が絶対に起こり得ない会社」&「自分自身の考えと一致する方針を掲げる会社」を見つけ出さなければなりません。
この点に問題はありませんか?
あなたはこの条件を満たす会社を見つけられますか?
同じ業界・職種を選択するのなら、似たような方針を掲げている会社が多いです!
この事実を把握していますか?
「あぁ、うちの会社でも起こり得るな」と判断されれば、あなたの能力と関係なしに不採用確定です。
会社方針との不一致を理由として掲げるのは、実はとてつもなく難しいことなのです。
会社組織で働くことの本質を理解していない...と判断されるリスクもある!
会社の方針にケチを付ける前に、一つ考えて欲しいことがあります。
何故、会社には方針というものが存在するのか?
会社というのは、様々な人間が集まって形成されています。人それぞれ考え方が違うので、従業員の数だけ「考え方」が存在すると言えるでしょう。
そして、会社の存在意義は「利益の追求」にあります。利益なくして従業員に給料を払えませんし、会社を存続することもできません。
こうした現実がある中で、従業員が自分勝手に思いのまま働いていたとしたらどうでしょう。
- 俺はこの方針に納得できないのでこの仕事はしない!
- 私はこの方針とは合わないので別のやり方でやる!
- この経営方針は間違っているので従わない!
こんな状態で経営が成り立つでしょうか?
深く考える必要もありませんよね。まず間違いなく成り立ちません。
こんな状態で利益が出せますか?
絶対に出せません。間違いなく潰れるでしょう。
もう何が言いたいのがお分かりですよね。
会社の方針というのは、考え方の違う者同士の方向性を一致させ、会社全体として同じ方向を見つめ、利益を最大化させるために存在する!
つまり、ここに盾を突くということは、「会社組織で働くことの本質を理解していない」と捉えられる危険性があるんですね。
そして、このリスクは絶対に排除できないので、どんなに真っ当な理由を語ろうと、表面化した時は不採用確定です。
- 組織で働くことを理解していないようだ!
- 何を甘いこと言ってるんだ!
- 自分の思い通り働きたければどうぞ起業して下さい!
- この人は自分の考えと合わないことが発生すると辞めるんだ!
企業や面接官にもよりますが、こんな風に捉えられたら終わりです。
厳しいですよね。
でも、これが現実です。
会社組織で働くにあたり、以下のことは理解しておかなければなりません。
- 会社の方針に納得できないのであれば、起業して自分の思い通りの会社を作ればいい
- それができないのであれば、他人が作った会社で働くしかない
- 他人が作った会社なので、あなたに合わない方針が存在するのは当たり前
- 会社の方針は個人のために存在するわけではない
- その会社で働き続けたいのであれば、納得できない方針でも従うのが基本
- それが嫌なら、方針を変えられる立場まで昇進していくしかない
企業目線で考えると、これが普通です。
仮にあなたが社長で「会社の方針」を決める立場であるとすると、これは理解できるかと思います。
つまり、方針が合わないというのは非常に語るのが難しい理由なのです。
会社の方針との不一致が通用するケースとは?
実際の面接においてどんな内容なら通用するのか、OK・NG回答からそのポイントを確認してみましょう。
会社の方針との不一致が通用するケース!
自身の望むスタイルや得意分野が、吸収合併というやむを得ない事情によって失われた...。
この経緯があるので、採用側が納得できる内容であり、単なるわがままや浅はかな考えからではないことが伺えます。
また、自身の望む方向性と、応募企業の方針が一致しており、企業選びの視点も間違っていないので、採用に値する人物とみなされるはずです。
何となくでも見えてきたでしょうか?
会社の方針への不満を転職理由として掲げるには、真にレベルが必要なんですね。
会社の方針との不一致が通用しないケース!
売上を追求しない企業は存在しないので、語る内容に説得力がなく、改善への行動も見られないため、企業が納得できるレベルに到達していません。
こうした場合、企業は「売上を追求する = 厳しい目標やノルマがある」という体制から逃げただけで、顧客満足云々はただのいい訳だろう...と推測して不採用にします。
会社の方針に限らず、何らかの不満を語る場合は、「上手く言い回しを変え、不満を自分が実現したいことやビジョンへと繋げる」ということが必要不可欠です。
自身の語る内容が、採用側の視点で聞いた時に納得できるレベルにあるのか?
この視点で持って回答内容を見直し、採用選考上に残る答えを準備しましょう。
類似情報!
転職面接「退職理由」の回答例と盛り込むべき重要ポイント
続きを見る