新卒採用では頻出の質問ですが、転職でも「尊敬(目標)する人物」について問われることがあります。
- 尊敬している人物はいますか?
- 目標としている人物について教えて下さい!
当然、経験者を採用する中途採用の場において、新卒採用時と同レベルの回答では通用しません。
ここでは、転職面接における適切な回答を導くため、「企業側の質問意図」「NG/OK回答例」を交え詳しく解説していきます。
企業側の本音 ~ここが知りたいポイント~
適切な回答を準備するため、まずは、企業の「質問意図」を把握しておきましょう。
質問意図
- 尊敬(目標)する人物の「どんな点を見習い、自身にどう活かしているのか」までを聞かせて欲しい
- 順序立てて考えを的確に伝える表現力も探っているので、「この人を尊敬しています」の一言で終わられても困る
この質問のポイントは「誰を選択するのか?」にはないので、危険人物(反社会的人物など)でなければ誰でも構いません。
- 歴史上の偉人
- 企業家
- スポーツ選手
- 先輩
- 両親
- 先生
例えば、坂本龍馬は多くの人が選択しそうですが、他の候補者と被りそうだと避ける必要はありません。
何故なら、「尊敬する人物のどんな点を見習い、それを自身にどう活かしているのか」は人それぞれ異なるので、独自性を出すことが可能だからです。
自分自身の考えを的確に伝えることが求められているので、人物云々は関係がないんですね。
質問意図を考慮すると、「坂本龍馬を尊敬しています」という一言で完結するのは言葉足らずですし、一般論の「坂本龍馬は、日本を憂いて自らリスクをとって行動したから」で終わってもいけません。
- 何故、その人物なのか
- その人物のどこが尊敬できるのか
- その尊敬できる点を、自身にどう活かしているのか
このように順序立てて理路整然と伝えることが大切です。
また、転職の面接なので、③に関しては「仕事の面で」というのがベストな回答となります。
NG回答例
実際の面接の場でよくある「NG回答」について見ておきましょう。
NG例①
ここまで育ててくれた恩があるので、私は両親を尊敬しています。
若年層ほど「両親」を選択する傾向が強いですが、「恩がある = 尊敬の念を抱く」は微妙にリンクしないので、もう少し細かく説明する必要があります。
NG例②
大谷翔平選手は尊敬に値する人物だと思います。世界最高峰のリーグで結果を残しており~
ミーハーの域を出ておらず、企業が求める回答にはほど遠いです。
このNG回答に登場した人物を選択することに問題はありません。しかし、採用側は単に「あなたの尊敬する人物」を聞きたいわけではありません。
転職の面接で聞く以上は理由があるので、企業の質問意図から外れた回答はNGとなります。
OK回答例
OK例文から回答のポイントを探りましょう。
OK例
私はソフトバンクの孫社長を尊敬しています。朝鮮部落で生まれ育った幼少期から日本一のビジネス成功者になった過程に、非常に人間としての魅力を感じるからです。
私が最も感心しているのは孫社長の「攻めの姿勢」です。震災後、すぐに再生可能エネルギーの開発に新規参入すると発表したことは、成功したからといって現状に甘んじない「強い攻めの姿勢」を感じます。
私自身、仕事をする上で処遇や環境に愚痴をこぼすことも多かったのですが、孫社長の半生を知って自分の考えを悔い改め、たとえ逆境に置かれても、積極的に前に進む気持ちを持てるようになりました。
今は、この考えをしっかりと持って仕事に取り組んでいます。
尊敬する人物から受けた影響を、自身の行動姿勢に反映した内容を盛り込んでおり、質問意図を満たした回答に仕上がっています。
また、応募者が魅力に感じている点と、その説明が簡潔で理解しやすので、面接官も納得してくれるはずです。
ソフトバンクの「孫社長」も尊敬する人物として多用さますが、自分の考えを順序立てて語れば問題はありません。
以上のポイントを意識して「あなたなりの回答」を準備しましょう。