転職の面接では「業界の見通し」についてあなたの考えを問われることがあります。
- 今後の業界の見通しについて、あなたはどうお考えですか?
- あなたが考える業界の展望について教えて下さい
- 今後、この業界はどうなっていくと思われますか?
採用側は、この質問から何を見極めようとしているのでしょうか?
この疑問を解決するため、企業の質問意図、OK・NG回答例から、この質問を解体しています。
企業側の知りたいポイント!
適切な回答を準備するため、まずは、企業の「質問意図」を把握しておきましょう。
質問意図
- 過去の経験や事前の業界研究から得た見通しを、自分の言葉で簡潔に語って欲しい
- この業界を志望する本気度を見極めたいと考えている
- 新聞記事の寄せ集めのような、論文的な回答は求めていない
応募企業の属する業界について、事前の調査・研究を基に、自分の意見を述べることが求められています。
よくあるNG例は、「安倍政権が掲げるアベノミクスは~」といった、論文長に語り出すパターン。世間一般的な論調や評論家が語るような内容は求められていません。
あなた自身が行った調査・研究の結果を基にした、自分自身の意見が求められてる!
これがこの質問の論点であり、絶対に外してはいけないポイントです。
企業が確認しているのは、「具体的な数字や客観的事実をもとに、自身の考えとして論理的にまとめ、要点を話すことができるのか」という点です。
また、ここで語るのはあくまでも「今後の見通し」なので正解はありません。
- 間違っていたらどうしよう・・・
- 自分の浅いキャリアで偉そうに語っても良いのか?
この種の不安を抱える必要はないので、あなたの意見を自分の言葉で自信を持って語って下さい。
NG回答例
実際の面接の場でよくある「NG回答」についていくつかご紹介しておきます。
NG例①
今後の業界の見通しは非常に明るいと考えております。(根拠のない言い切り)
この質問の回答には、あなたがそう結論付けた「理由」が必要になります。
業界が上向き・下向きといったことは別にどちらでも良く、「あなたは何故そう結論付けたのか?」を企業は聞きたいと思っています。
NG例②
今までと違う業界なので、〇〇業界はあまり詳しくありませんが~
業界転換の転職者によくありがちなNG例ですね。
異なる業界に転職するからこそ、深い業界研究が必要なのは言うまでもありません。
このような言い訳がましい言葉から入るのは、業界研究をしていなことを自ら露呈しているようなものです。
NG例③
2020年をピークに需要は下落傾向で、これからは加速度的に衰退していくと言われております。
あなたの意見や言葉が全く入っていない回答ですね。
この内容では、質問に対して適切な答えを示していないことになります。
OK回答例
OK例文から、回答のポイントを探りましょう。
OK例
化粧品業界は少子高齢化が進む中、国内市場は今後ますます厳しさを増すものと思われます。
一昔前までは「美への出費は削られない」などという神話もありましたが、百貨店などで販売する中価格帯の商品は、ドラッグストアやネット販売などの低価格帯に圧倒され、より一層厳しくなると考えています。
また、マクロ視点で見ると、国内市場は1兆円前後で推移してきましたが、今後は緩やかに下落していくと思われます。これからは、国内市場だけに頼らず、日本の繊細な品質を評価している新興国に、低価格帯商品を販売できるかどうかが成長のカギだと考えます。
業界研究なくして語り得ない事実をベースに、自身の予測を交えて簡潔に語ることができています。
このレベルならば、「記事をそのまま持ってきた論文のようだ」と思われることはないでしょう。
要は、業界研究の成果とあなたの意見が求められているので、業界研究から得た数値や客観的事実に、あなた自身の考えを織り交ぜて回答すればOKだということですね。
このポイントを意識して回答を準備しておきましょう。
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