転職で「人事職」を志す場合、面接でその理由を問われることがあります。
特に、未経験から人事職を志す場合にはそれが顕著です。
- なぜ、人事職を志すのでしょうか?
- あなたにとって人事職の魅力とは何ですか?
- 人事職は未経験のようですが、なぜ人事職を志望するのでしょうか?
これらの質問は「人事職の志望動機」と言えるもので、回答如何が合否に大きく影響を及ぼします。
ゆえに、企業の質問意図を理解した「適切な回答」を準備して面接に臨まなければなりません。
ここでは、企業の質問意図、NG回答、OK回答を用いてこの質問を斬っていきます。
企業側の本音 ~ここが知りたいポイント~
適切な回答を準備するため、まずは、企業の「質問意図」を把握しておきましょう。
質問意図
- 人事の仕事について現実的な認識を持っているかを探っている
- 責任感や慎重さを持った人物かを探っている
実際、人事を志望する多くの人が、以下の安易な考えで志望しているケースが目立ちます。
- 採用活動(面接など)が楽しそう
- 新卒採用をやってみたい
- 人を見定める側にまわりたい
- 比較的仕事が楽そう
- etc...
要するに、企業はこの手の質問で、安易な考えで志望する人を炙り出そうとしているんですね。(不採用者を決定する質問)
現実的に、人事の仕事において「採用」などはほんの一部に過ぎず、仕事も決して楽ではありません。
人事というのは、「採用」「教育」「配置(異動・賃金カット)」「退職(解雇・リストラ)」を通して、組織の活性化や会社利益の最大化といった使命を背負っているものです。
今のご時世での人事という仕事について、現実的な認識を持っているかを確認している!
また、人事が扱う情報(異動・リストラ・採用)は会社にとって重要機密となるので、機密事項を扱えるだけの「慎重な姿勢」や「責任感の強さ」が備わっているかも探っています。
この質問意図から理解しておくべきことは、「興味があります」レベルの志望動機は通用しないということ。
まずはこの事実をしっかりと把握しておきましょう。
人事の「志望動機」に関するNG回答例
実際の面接の場でよくある「NG回答」について取り挙げておきます。
NG例①
いろいろな人との出会いがあること、それが人事職の魅力です。
NG例②
新卒採用で若い就活生と関われる点が魅力です。
NG例③
人を見る目には自信があるので、採用を行う人事職に活かせると思います。
NG例④
人事異動から会社の動向を一早く得られ、人的な面から会社を把握できる点が魅力です。前職では〇〇が解任された情報から~
これらの浅はかな回答では、「人事という仕事を理解していない」と評価されます。
特に、未経験者は「採用に関することだけ」を述べがちですが、それでは「私は人事という仕事を理解していません」と自ら宣誓しているのと同じです。
また、機密情報を扱う人事職において、前職の情報を軽々しく語るのもNGです。この程度の回答では、評価が下がることはあっても、上がることはありません。
人事の「志望動機」に関するOK回答例
OK例文から回答のポイントを探りましょう。
OK例
人事は責任の重い職務ですが、既存社員や新規採用者のキャリアと組織の最適化・最大化を考え、これを具現化できる点が魅力だと考えています。
前職では、パフォーマンスのでない社員に対するリストラも一任されていましたので、壮絶な現場も体験しました。切る側の私も精神的に辛い想いをしましたが、馴れ合いの仲良しグループでは組織は成り立ちません。そこは心を鬼にして、私情を交えずリストラを完遂してきました。
このようなリストラも含め、組織が活性化し、それが会社の業績アップに繋がったと感じられた際に、私は人事職としてのやりがいを感じます。
人事職の魅力につてい、分かり易く伝えることができています。また、リストラ経験にも触れることで、人事職の厳しい側面も理解していることが伝わりますね。
この質問のポイントは以下の通りです。
人事職の志望動機(魅力・選んだ理由)を、経験談を交えて分かり易く語る!
但し、前職の機密事項を意識して、慎重に話すことも忘れてはいけません。
未経験者の場合は、「前職の仕事を通して人事が重要だと感じたエピソードを交え、だから魅力を感じている」という流れで話すと良いでしょう。
以上のポイントを意識して適切な回答を準備しましょう。