転職の面接では、前職の「退職時の状況」を問われることがあります。
- 前職は円満退職でしたか?
- 前職はスムーズな退職でしたか?
何故、企業はこのような質問を投げかけてくるのでしょうか。
質問意図を理解していないと、意外に答えるのが難しい質問です。
ここでは、退職時の状況を問う質問について、企業側の質問意図、回答例を交えて詳しく解説していきます。
企業側の本音 ~ここが知りたいポイント~
適切な回答を準備するため、まずは企業の「質問意図」を把握しておきましょう。
質問意図
- 求職者がトラブルメーカーでないことを確認している
- 「絶対に円満退職でないといけない!」ということはなく、許容できる程度のものであれば、現在の反省の念と自身のけじめについて語ってもらえれば問題はない
この質問の最大の目的は、「求職者がトラブルメーカーでないか」を確認することにあります。
「採用後に前職と同様の問題を起こして辞める...」
採用リスクを軽減するため、このような可能性がないかを探っているんですね。
円満退職であったのならば、その事実をありのまま伝えればOKです。
逆に、円満退社でなかった場合は注意しなければなりません。
例えば、「上司と大口論の末、貸与品なども変換せずに退職してきた」といった内容だと、トラブルメーカーの可能性を疑われ、採用を見送られることも...。
ここは、以下のような反省の弁を述べ、関係修復策を語るなどしてフォローする必要があります。
あの時は感情的になってしまい、深く反省しています。来週早々にも非礼を詫びに行くつもりです。
NG回答例
実際の面接の場でよくある「NG回答」について見ておきましょう。
NG例①
社長からもう来なくてもいいという主旨の言葉を浴びせられたので、そのまま出社せずに自然と退職となりました。
NG例②
あきらかなブラック企業でしたので、円満退職のできる環境ではありませんでした。私だけでなく同僚も~
たとえ事実であったとしても、これらの言い回しでは「トラブルメーカーの可能性あり!」と判断されて一発アウトです。
- 会社が悪い
- 上司が悪い
- 環境が悪い
これらの他責は、やはり面接官の心象を著しく低下させてしまいます。
また、前職がブラックかどうかを採用側は確認のしようがないので、「ブラックを言い訳として逃げてきた」とマイナスに捉えられる可能性が高いです。
OK回答例
OK例文から回答のポイントを探りましょう。
OK例
前職は円満退社ではありませんでした。
退職当時、直属の上司との関係がギクシャクしており、これが退職の主な一因でしたので、未だに釈然としない想いを抱えているのが正直な気持ちです。ただ、もっと自分からも上司に歩み寄ることができたのでは、と深く反省もしております。
また、前職の会社には私を一人前の社会人として育てていただいた恩もありますので、本当に感謝しています。
この先、転職先が決まり、自分の気持ちも落ち着きましたら、前の職場には菓子折りを持って挨拶に伺い、しっかりとけじめをつけて邁進していく所存です。
円満退職でなかったことを素直に伝え、自分の本音や前職への感謝の気持ち、転職決定後の関係修復策にまで触れることで、素直さを感じさせることができています。
ここまでしっかりと語ることができれば、許容範囲として捉えてもらえるはずです。
但し、一定以上の危険性は伴うので、円満退職でなかった場合は、敢えて語らないことも視野に入れて考えましょう。