転職者を受け入れる中途採用の求人数は時期によって変動し、企業側が求める人材も時期によって変化があります。
つまり、「求人の多い時期」と「企業の動向と狙い」を把握しておくことで、あなたが動くべき時期をある程度見極めることができるんですね。
ここで言う、あなたが動くべき時期とは「転職活動に全力を注ぐ時期」です。つまり、その時期に入ってから動きだしたのでは遅く、転職活動の準備はそれを逆算して開始することが大切です。
時期ごとの転職市場の動向を知り、活動に活かしましょう。
1~3月は転職市場の最盛期
1~3月は新年度(4月~)に向けた採用が本格化するので、求人を打つ企業が多くなります。
また、異業種転職・未経験者も対象とした大量採用を行う大企業も動きます。
新卒と同時入社を想定して採用を行い、導入研修を一気に終わらせる魂胆を持っているからです。
これらの要素が絡み合い、年間を通して最も転職市場が賑わう時期となりますが、3月に入ると新規の求人は下火に向かっていきます。
また、求人数に比例して転職希望者も多く、ライバルが多い時期でもあります。
この理由は、12月という年の区切りで退職する人が多いからです。人は何かと区切りをつけることが好きですからね。また、ボーナスを貰ってから退職する人が多いことも理由の一つです。更に、在職中の人は「今年は転職するぞ」と意気込んで活動を始める人が多いのもこの時期です。
企業側も転職希望者が多いことを知っているので、この時期を狙って求人を出します。つまり、求人が多くてチャンス(選択肢)は多いが競争率も高めなのが1~3月です。
- 求人が多いので選択の幅が広がる
- 求人が多いので採用を勝ち取れるチャンスが多い
- 異業種転職・未経験可(特に第二新卒)の大規模採用が狙える
- 大企業の求人が年間を通して最も多い
- 4月1日入社で同期が多く簡単な研修を受けれるケースもある(一部企業のみ)
- 年度末で現職の退職を考えている人が狙うべき時期
普段はあまり求人を出さない企業も、この時期に狙いを絞って採用活動を行うことがあります。「チャンスの多い時期だが、ライバルも多いので内定獲得は簡単ではない」という事実をしっかりと頭に入れて活動に臨みましょう。特に人気企業の場合は、倍率が何百倍に及ぶなんてこともざらにあります。
この時期を狙うのなら、前年からしっかりと準備し、求人が出たら即応募できる体制を整えておくことです。早い企業は12月から求人を出すので、「年明けから心機一転頑張ろう!」では遅いです。ライバルが多いので、その他大勢がしていないことをしなければなりません。だらだらしているとあっという間に最盛期は終わっていきます。
4~7月は右肩上がりで求人が増えていく時期
新年度の組織改革や新卒受け入れがある4月は中途採用の活動は下火になりますが、GW明けくらいから徐々に求人数は増加していく傾向にあります。
ただ、人が流動的な現代社会ですから、企業は常に優秀な人材を探しています。最盛期と比べて少ないだけであって、この時期でも求人は十分にあります。また、新卒を受け入れていない中小企業やベンチャー企業はこの時期を狙って求人を出すこともあります。
求職者側から見ても4~7月はいくつか利点があります。
まず、この時期でも転職活動している人は、最盛期に内定を手にできなかった可能性が高いです。つまり、「ライバルのレベルが下がっており、採用過程のレベルも低い時期」だとも言えます。また、「会社を辞める人が少ない時期でもあるので、流入者が少なく競争率も低い」です。
在職者の動きは6月のボーナス以降に活発化してきます。
- ライバルが少なく競争率が低い
- 中小企業・ベンチャーにチャンスあり
- 新年度の採用がスタートして新規求人が増えていく
- 下半期(10月~)を見越した採用が始まる
この時期は求人が増えていく時期であり、新年度の最初の採用ですから下半期よりもチャンスも多いです。下半期はこの時期の採用状況から対象者が絞られたり、採用自体を行わないこともある為に難しくなる傾向があります。
8~10月は下半期に向けた採用が活発化
8~10月は下半期に向けた採用が最盛期を迎えます。上半期の業績が好調な企業や人員が不足している企業も動きだす為に、求人が多い時期です。
- 下半期の体制整備に向けた求人が活性化
- 年間を通して第2の最盛期で求人が多い
- 8月は動く人が少なくライバルが少なめ
特に、夏季の休暇があったり、夏の暑さの影響で動く人が少ないのが8月です。ただ、そんな中でも採用活動は続いており、10月の下半期開始と同時に組織変更も行われますので、そこに向けた採用が8月から始まっています。
動く人が少ない時期であるからこそ、精力的に動くことでチャンスが広がります。
11~12月はピンポイント求人が多い
11~12月は多くの企業が1年で最も忙しい時期となるため、欠員補充の為のピンポイント求人が多くなります。よって、この時期に求められる人材は即戦力であることが多く、実績(キャリア)重視の採用となります。
- 即戦力となれる実績を持っている人にチャンス
- 早い企業は来年度の採用が始まる
この時期に大量の採用を考えている企業は少ないが、人員確保の為の求人は続いています。また、動きだしが早い企業は来年度(来年4月~)に向けた求人を出し始めるので、来年度から新たな会社で働くことを考えている人は動きだしておく必要があります。
まとめ
以上のようなな流れで年間を通して採用が行われています。
実際に、求人が多い時期・少ない時期は存在しますが、どの時期であっても常に求人がある世の中でもあります。一昔前は時期によって求人数に偏りがありましたが、今はそれが無くなってきているのが実状ですね。
また、企業や業種によってもピークとなる時期が前後する場合がありますから、あなたの希望する業界(職種)の動向を把握するようにしましょう。
また、あなたの狙う時期に即行動できるよう、1ヶ月は前倒しで準備を始めることが大切です。
事前準備を怠ると、あなたにとって大切な時期がいつの間にか終わっているなんてことも・・・。
転職は何事にも準備が大切です。