自営業を閉職し、一般企業へ転職する...ある程度の年齢を重ねている人も多いでしょうから、言葉で言うほど簡単なものではありません。
しかし、会社経営やマネジメント全般に携わった経験は、一般的な転職者が持っていない強い武器となるので、「この経験が応募企業の利益に繋がること」を適切にアピールできれば十分にチャンスはあります。
ここでは、そんな自営業からの転職を実現するにおいて、絶対に避けては通れない「面接」にスポットを当ててお伝えしていこうと思います。
面接では、自営業からの転職だからこそ聞かれることがある!
転職において「面接」が重要なのは皆に同じですが、「自営業者からの転身」という一種独特な属性の人だからこそ懸念されていることがあり、面接にて探られることがあります。
それが、再独立心です!
実際、自営業は一度離れるが、「生活が安定してある程度の資金が準備できたら再び独立してやろう!」という野望を持っている人は結構おられます。また、長く人を使う側にいたことで、使われることに慣れず、組織に馴染めず辞めていく人も多いです。
そのため、企業は面接にて「自営業からの転職ですが、また独立したいと思われるのでは?」といった質問で、「再独立の意思」と「会社組織で働いていく覚悟」を問うんですね。
- 再独立の準備が整うまでの足掛け的な応募ではないか?
- 経営者から一社員になることの意味を理解しているのか?
- 入社後は新入社員という立場になることを理解しているのか?
基本、企業は社員に「長期的な貢献」を期待しているので、早期退職や足掛け就業を嫌う傾向にあります。そのため、あなたの本心に関わらず、面接では”再独立の意思はない”ときっぱりと伝える必要があります。
また、「会社組織に馴染めるのかどうか」も懸念されているので、経営者という立場から一社員になることに何ら抵抗はなく適応できることも合わせて伝えたいですね。
自営業者が転職を実現するには、この企業の疑念を拭うことが必要不可欠です。あなたの本心として「再独立の意思」があったとしても、面接で匂わすのは厳禁です。それは心の奥にしまっておきましょう。
面接での回答モデルから、再独立意思を確認する質問に対するポイントを抽出しましょう。
自営業からの転職ですが、また独立したいと思われるのではないですか?
【回答モデル(OK)】
再び独立という気持ちは全くありません。前職を閉職したときに、今後は独立しないと決断いたしました。
過去の7年間の営業経験に加え、独立後にゼロから企業を新規取引先として開拓した経験は、御社の営業でも大いに生かせるはずです。また、会社経営やマネジメント全般に携わった経験も無駄にはならないと思います。
もし御社に入社できましたら、これまでの経験を生かして即戦力となり、末永く貢献していく覚悟です。
【回答モデル(NG)】
将来のことなので断定はできませんが、負債を抱えながら再び独立するのは難しいと思います。借金や資金繰りで悩むのは本当に辛い経験でした。
今現在は、会社員となって給料をもらい、安定した生活を送ることが第一だと考えているので、再び独立心が芽生えることもないかと思います。
回答モデル(OK)は、きっぱりと独立の意思がないことを伝えるとともに、自営業(独立)の経験が応募企業でプラスに作用すること加えています。会社に貢献する意思をしっかりと示しているので、内容に説得力があります。
一方、回答モデル(NG)は、「独立が上手くいかなかったから、仕方なく会社員を志している」「会社員にさえなれば、安定した給料がもらえる」といった勘違いを連想させる内容です。
会社への貢献があってこその給料だということを理解しておらず、組織で働いていく覚悟も見受けられないのでNGです。