転職における妥協について、ネット上には以下のような情報が溢れています。
- 転職は絶対に妥協してはいけない!
- 転職で妥協すると後悔する!
果たしてこれ、本当に正しいのでしょうか?
私はこれが正しいとは思いません!
何故なら、世の中に「個人の望みを全て満たしてくれる会社」なんてものは存在しないからです。
存在しない理想を追いかけていても、転職先は決定できません。
もし仮に、全ての人が「妥協なし」に転職先を決定できるのであれば、転職はとてつもなく素晴らしいものになります。
社会で働く全ての人が「転職」という道を選択するでしょう。
でも、そんな現実はどこにもありませんよね。また、妥協のない転職を簡単に実現できるほど、転職は甘いものでもありません。
だから、私は「妥協」についてこう考えています。
転職には「妥協すべき点」と「妥協してはいけない点」が存在する!
これが意味するところを解説していきます。
転職で妥協してはいけない点!
転職の目的を無視した妥協!
これが転職で絶対にやってはいけない妥協です。
何故なら、ここに妥協すると転職する意味がなくなるからです。
転職するということは、人それぞれ何かしらの「目的」を持っているはずです。
- 給料アップを実現したい
- 〇〇の仕事がしたい
- 将来性のある業界で働きたい
- 休日の多い会社で働きたい
- 希望の勤務地で働きたい
- 今の会社では手にできないものを手に入れたい
- 何かしらの不満を改善したい
転職はこの目的を実現するために行うものであるはずなので、ここに妥協しては意味がありません。
ここに妥協するくらいなら、転職しない方がいいくらいです。
ゆえに、転職目的の実現については一切の妥協なしに臨まなければなりません!
でも、転職活動が上手くいかなかったり、連戦連敗が続くと、活動自体から逃げたくなって妥協するんです。
- 給料アップを目指して転職に臨んだはずが、妥協して給料減を受け入れる
- 〇〇の仕事をしたいと転職に舵をきったにも関わらず、内定欲しさに別の仕事を受け入れる
これでは転職に踏み切った意味がないですよね。
何故ここに妥協してはいけないかというと、一定期間経過後に絶対に後悔するからです。
ほんの一瞬の出来事に過ぎない「内定」の魅力に負け、転職目的を見失ってはいけません!
ここは妥協なしに臨みましょう。
現職で働きながらの意味!
転職では現職で働きながらの活動が推奨されますが、転職目的を妥協しないためにも必要なことになります。離職状態だと、活動の長期化は相当な悪影響となるため、妥協せざるを得ない状況に追い込まれる可能性があるからです。
転職で妥協すべき(しなければならない)点!
転職の目的以外の部分は妥協が必要!
冒頭でお伝えした通り、全ての望みを満たす会社が存在しないのも一つですが、もう一つ大きな理由があります。
あなたが手に入れたいプラス部分は、何らかのマイナスと結びついている可能性が高い!
例えば、給料アップが転職の目的であったとするならば、以下のことは受け入れなくてはなりません。
- 就業時間の増加
- 残業の増加
- 休日の減少
- 会社からの要求レベル上昇
- プレッシャーの上昇
要は、給料が高い会社というのは、その対価として「高レベルの要求」&「多くの業務量」を求められるのが基本なんですね。
それにも関わらず、その他の要素まで欲張って求めてはいけないということです。
これは、あらゆるケースに該当します。
- やりたい仕事に就くことを目的とするなら、他のデメリットは受け入れなければならない
- 休日の充実を求めるのであれば、給料ダウンを受け入れなければならない
- 将来性を求めるのであれば、それが興味のない仕事でも受け入れなければならない
- 勤務地を優先するなら、昇進・昇給が制限される地域限定社員を受け入れなければならない
手に入れたいものが手にできて、かつ、その他の部分も自分の思い通り!
ないです、そんな素敵な会社も存在しません、転職もそんな甘くはありません。
ゆえに、妥協という名の受け入れは、転職においては避けては通れないのです。
妥協できない人ほど、転職が実現しにくく、活動が長期化する!
正直、転職ってそんな素晴らしいモノでもなければ、望みどおりに事が運ぶモノでもありません。
- 転職の目的が実現でき、他も全て自分の望み通り
- 転職の目的が実現でき、前職の良い部分は全て引き継いでいる
- 給料が良い
- 仕事が楽(残業が少ない)
- 休日が多い
- 人間関係良好
- やりたい仕事ができて、やりがいがある
- 将来性もある
有り得ません、夢物語です。
仮にこんな会社が存在したとしても、そんな素晴らしい会社は絶対に人が辞めないので、転職市場に求人を出していません。
あなたが転職して入社する会社は、他の誰かが不満を持って辞めて会社です!
人が辞める会社が存在するからこそ、転職市場は成り立っているので、これは非常に高い確率で当てはまります。
転職市場に存在するこの根本的事実を忘れてはいけません。
もちろん、最大限に欲張って「より良く」を求めることは間違っていません。
但し、欲を出せば出すほどに、選択肢は狭まり、競争率は高くなります。
あなたは、その超高倍率を勝ち抜けるだけの経験・スキル・実績を有していますか?
この問いに「YES」と回答できる市場価値の高い人は、妥協すべき点が少なくて済むでしょう。
逆に、この答えが「No」である人は、妥協という名の受け入れが少なからず必要です。
- 妥協は駄目だと凝り固まった考えを持つ
- にも関わらず、市場価値は平凡
- いつまでたっても転職先が決まらない
- 活動が長期化し、疲弊する
- 内定の獲得が最優先となり、転職目的にも妥協する
こんな悪循環は最悪ですよね。
転職を実現するには、「自分の実力を知り、勝てるところで勝負する」というの鉄則です。
残念ながら、転職には「活動を頑張ったら良い企業に入れる」といった要素は一切存在しません。
つまり、あなたの勝てるところによっては、少なからず「妥協」が必要だということです。
妥協を限りなく少なくする方法!
ある程度の妥協は必要だとは言っても、少ないに越したことはありませんよね。
それを実現する方法は2つあります。
- 現職場で働きながら転職活動を行い、妥協なしに選んだ会社から内定を取れるまで継続する
- 現職場で「市場価値」を高めてから転職市場に乗り込む
絶対に妥協したくないのなら、今の会社で働きながら活動することです。
そして、活動期間が半年に及ぼうが、1年を超えようが、妥協なしに選んだ会社から内定を獲得できるまで根気強く活動を続けます。
相当な労力を要しますが、妥協を最大限にまで無くした活動が可能です。
次に、自身の市場価値を高めるのも一つです。
企業から「是非、うちに来てよ」と言われるような存在になれば、妥協点を限りなく減らすことができます。
もちろん、言葉で言うほど簡単なことではなく、現職でそれだけの結果を出す必要があります。
最後に!
先ほどもお伝えしましたが、転職は全てが好転するような素晴らしいものではありません。
だから、以下のことが絶対に必要だと考えています。
- 妥協という名の受け入れ
- マイナス面も受け入れる覚悟
妥協というのは決してプラスの言葉ではありません。
でも、勘違いして欲しくないのが、妥協は「負け」ではないということです。それは時に必要であったりもします。
もしあなたが、転職活動を通して「多少は妥協が必要なのかな?」と感じているとしたら、それは「妥協」の必要性をあなたに提示してくれているのかもしれません。
仮に、今回の転職に多少の妥協があったとしても、転職の目的が実現でき、今よりも充実している未来があるのであれば、それは間違った選択とは言えません。
現状よりもプラスになる妥協、それは「勝ち」ですから!