知的・独創的・クールといった印象のある「コピーライター」という仕事ですが、名称が独り歩きして、その実態を詳しく知っている人は少ないのが実情ではないでしょうか。
その為、新卒就職時や転職にて、肩書きだけに憧れて「コピーライター」を目指してしまうと、後の後悔に繋がる恐れがあります。ここは、コピーライターが何たるかをしっかりと理解し、その上で「本当に職業とする価値があるかどうか」を見極めて欲しいと思います。
- コピーライターとは?
- コピーライターになるには?
- コピーライターの仕事内容
- コピーライターの年収(収入)と未来設計
コピーライターに関して、4つの観点からその実態に迫っていきます!
1.コピーライターとは?
商品またはサービスの「短く印象的な売り文句(キャッチコピー)」を考える言葉のアイデアマン!
採用されたキャッチコピーは、「テレビCM」「ラジオCM」「新聞広告」「雑誌広告」「ポスター」「商品パッケージ」などに使用され、商品の売り上げ増に貢献することが使命となります。
一見、楽な仕事のように感じますが、「これだっ!」と確信できるコピーを考え出すまでには産みの苦しみがあり、気楽な職業ではありません。
コピーライターの多くは「広告代理店」や「広告制作会社」の社員として勤務しており、実力が認められると指名で仕事が舞い込むようになり、独立してフリーランスとして稼げる道も見えてきます。
コピーライターになるための資格などはなく、「広告代理店」や「広告制作会社」に入社し、該当部署に配属されればなることができます。(但し、大手広告代理店への入社難易度は極めて高い!)
2.コピーライターになるには?
コピーライターになるための基本的な道筋をご紹介します。
- 基礎を学ぶ
- コピー作成
- コンテストに応募
- 会社コピー作成
- 作品集の作成
- 採用試験へ
- 下積み
- 社内試験へ
書籍などを参考にキャッチコピー作成の基礎を学ぶ。コピーライター養成講座などに通うのも一つの手。
基礎を学んだら、様々な商品のキャッチコピーを独自で作成し、知人・友人に評価してもらう。評価を元にコピーを修正し、一つのものを創り上げていく。
キャッチコピーのコツが掴めたら、企業や団体が応募しているキャッチコピーコンテストに応募する。(入選した場合、自らの実績にすることができる。)
入社したい「広告代理店・制作会社」をリストアップし、各企業のキャッチコピーを作成する。(採用試験のアピール用)
これまでに作ったキャッチコピーを厳選し、作品集を作成する。(採用試験のアピール用)
広告代理店・広告制作会社の求人に応募する。面接の際、作品集と該当企業のキャッチコピーを披露する。才能がありそうだと判断されれば採用される。(但し、採用されても該当部署に配属されるとは限らない!)
広告代理店に入社した場合、まずは、営業に配属されるのが一般的。営業職を経験することで、業務の全体像を掴むことができ、後のコピーライティングに役立つため。広告制作会社に入社した場合は、先輩コピーライターのアシスタントとして修業を積むところから始まる。
広告代理店の場合、多くの会社が、コピーライティングの部署に移籍するには「社内試験」を受ける必要がある。合格できれば、晴れて当該部署に配属され、コピーライターとして仕事ができるようになる。
御覧の通り、コピーライターというのは簡単に就ける職業ではありません。
1~5の段階を全く踏まずに「広告代理店」や「広告制作会社」の求人に応募し、「コピーライター志望です!」と高らかに宣言しても、まず採用はありません。新卒採用ならば学生の内に、転職であれば現職で仕事しながら、独自にコピーライティングの実績を積み上げておく必要があります。
そして、上手く採用されたとしても、いくつかのステップを踏んでいく必要もあります。コピーライターになるのに近道はなく、長期的な計画や視点を持って目指していかなくてはなりません。
厳しい道のりである為、この現実を知ってなお「私は絶対にコピーライターになる!」といった人でないと難しいでしょう。
3.コピーライターの仕事内容
一般的なコピーライターの仕事は、以下の流れで進行していきます。
- クライアントのオリエンテーションに参加
- 構成案作成
- コピー案作成
- プレゼン内容の打ち合わせ
- プレゼン
クライアントがPRしたい商品についてのオリエンテーションに参加するところから仕事は始まる。オリエンテーションにはコピーライターだけでなく、デザイナーや営業と共に参加する。オリエンテーションでは、商品やサービスの特徴、課題、目的、予算などの説明もある。
オリエンテーションに参加したデザイナー、営業と共にアイデアを出し合い、ラフな構成案(デザイン+キャッチコピー)を作成する。
構成案を元に、多数のキャッチコピーを作成する。
クライアントにプレゼンする内容(キャッチコピーが組み込まれた構成案)を打ち合わせる。
クライアントに考えた「PR構成案」をプレゼンする。クライアントが納得すれば、コピーライターとしての仕事は終了。納得してもらえない場合は、クライアントが納得するまで案を練り直す。
コピーライターとして活躍していくには、社内やクライアントとの折衝力が必要不可欠です。キャッチコピーを考えることは、コピーライターの仕事の一部であることを理解しておく必要があります。
また、クライアントありきの仕事であるため、案の練り直しなどが発生すると長時間勤務などは当たり前に発生します。この観点からも、決して楽な仕事ではありません。
4.コピーライターの年収(収入)と未来設計
コピーライターの年収(収入)は、個人の実力と勤務する会社によって大きく変動します。
電通などの大手広告代理店の場合、実力が認められれば「年収1,000万円」を超えることも可能ですが、中小の代理店や広告制作会社だと、一般の企業と同程度です。(拘束時間が長いので、時間給にすると低いなんてことも...)
一般的にコピーライターは3つの未来に分かれていきます!
- 敏腕コピーライター(会社員)
- マイウェイコピーライター(会社員)
- フリーランス
ヒットコピーを連発し、社内で出世・昇給していく。
出世を意識せず、マイペースでひたすらコピーを考えていく。
ヒットコピーを連発すると、会社員であっても指名で仕事が入るようになる。この人脈を活かして独立し、フリーランスとして活躍していく。(収入は青天井だが、仕事を継続して受注し続けるのは至難の業)
フリーランスを目指す場合、それ相応の覚悟と準備、営業力、人脈、人間力、コピー力が必要です。フリーランスの甘い響きに誘われて、計画も無しに独立することだけは避けましょう。