残念ながら、世の中に「ブラック企業」と呼ばれるものが存在するのは事実です。
「無賃労働を強要される」
「常識を逸脱した労働を課せられる」
「常識を逸脱した労働時間」
「過度なパワハラやセクハラが横行している」
ブラック企業の定義というのは明確に存在しませんが、こられの要素を持っていればブラックと呼んでも良いでしょう。まぁ、「辞めてしかるべき企業」と言い換えることもできますね。
でも、そんな場合でも「何の実績も挙げずにすぐに辞める」といったことは避けましょう。何故なら、何の実績もない状態で転職しても、結局は同レベルの会社(つまりブラック)にしか転職できないからです。
更に、ブラックだからという理由で「キャリア形成を無視した転職を繰り返す」ことも避けなければなりません。何故なら、日本の社会は転職回数が多いことに寛容ではないからです。
まず、転職を繰り返して回数が増えると「応募者に何らかの問題がある」と捉えられ、それだけで相手にされなくなります。転職回数で足切りを設定している企業もあるので、書類選考すら通過しなくなるなんて現実も存在します。
「この人はブラック企業で働いていた ⇒ ブラックなら辞めても仕方がない ⇒ かわいそうだから自社で雇ってあげよう」
こんな現実は何処にも存在しません。採用企業からすると、「あなたがブラック企業で働いていたかどうか」なんてことはどうでもいいわけです。そこに自社に貢献してくれるだろう経験やスキルがないと採用はありません。
その結果、行きつく先は「転職回数が多いことにも寛容な業界・職種」なわけです。そう、誰もが避けたい業界・職種であり、ブラックと呼ばれることが多い業界・職種なんですね。これが、「ブラック企業を避けて転職を繰り返すと、結局はブラックに辿り着く」という所以なんです。
ここでは、その事実を踏まえて「じゃ、どうするか?」についてお話ししようと思います。
今の会社が本当にブラック企業である場合
今、あなたが働いている企業が本当に働き続けていく価値のないブラック企業だとしましょう。その場合は、転職することを前提に「転職市場で評価される実績・経験を積んでから」転職しましょう。
つまり、自分自身の市場価値を高め「あなたを採用する理由」を手に入れてから転職するということですね。
例えば、外食のブラック企業で働いていると仮定しましょう。
Bさん「入社後、すぐにブラックだと判断したが、店長まで経験して3年後に転職」
この両者が存在した場合、Bさんの方が市場価値が高く、転職時の選択肢が広くなります。何故なら、Bさんは店長というマネジメントを経験しているからです。更に、採用側から見ると「Aさんは何かあるとすぐに辞める人」「Bさんは何かあってもその環境で頑張れる人」と見られます。
ここに大きな差が生まれるんですね。
そして、Aさんの場合は市場で評価される実績・経験が乏しいため、結局はそのレベルでも雇ってもらえる会社にしか転職できません。つまり、今と同等またはそれ以下の企業に行きつくことが多いのです。そして、また再転職の道に進む・・・こんな悪循環に陥る可能性があります。
実は、「転職回数が多い人」というのは、経験や実績が乏しく、市場価値が低いから相手にされなくなるんですね。逆に、転職回数が多くても、「キャリアアップの転職を繰り返している人」は普通に転職できます。つまり、回数の問題ではなく、実績・経験・キャリアの問題であるわけです。
だからこそ、今働いている企業がブラックであったとしても、そこである程度の実績や経験を積むことが大切なんです。
ブラック企業で1秒たりとも我慢できない場合
ただ、中には今の企業で「経験や実績を積むことが無理」なケースも存在するでしょう。精神を病んでまで無理に続けるのは間違っていますし、すぐにでも辞めたいと感じることもありますよね。
そんな場合は、なりふり構わず「転職してもOK」ではないでしょうか。特に「初転職」「年齢が若い」場合はそれが許される可能性も高いです。転職市場では「1回のミス(わがまま)は許される」といった事実もありますからね。
但し、「次の会社がとてつもなく重要になる」ということは忘れてはいけません。
プレッシャーをかけるわけではないですが、これは紛れもない事実です。なぜなら、次の会社でも同じことを繰り返してしまうと、転職市場で相手にされなくなる「実績・経験の乏しい転職回数が多い人」になってしまうからです。その行き着く先は上記で説明した通りです。
ですから、手を抜かず全力で転職活動して下さい。そして、次の会社では何があっても「ある程度の実績や経験を積む」ということを覚悟して臨む必要があります。それが出来れば、最悪、また転職できますから。
今の転職市場、ブラック企業や不人気の業界・職種であっても人の流入が途絶えることはありません。それは何故かというと、そんな企業にしか相手にしてもらえない「実績・経験の乏しい転職回数が多い人」が大勢いるからです。
悲しい話ですが、これが転職市場の現実です。ですから、「今の会社はブラックだ!」と安易に考えて転職することは注意が必要であり、それを繰り返すことは避けるべきなんですね。
もし、あなたの働く会社が本当のブラックであるならば、転職を前提に市場で評価される実績や経験を積むまで頑張る。これが転職の際にブラック企業を避ける最も有効な手段です。