転職先の会社や仕事に対して、「求める条件」というものを決めておくことは、企業選びの観点からみても重要なことです。
しかし、その条件の設定を誤ると、大きなチャンスを逃したり、活動の長期化を招く可能性があり、ややもすると転職の失敗へと繋がります。
そこで、ここでは、転職の「求める条件」を決定する際に重要な3つの考え方をご紹介します。
- 条件は求め過ぎず、大まかに考える
- 現実的な条件を設定する
- 最初に決めた条件にこだわり過ぎない
転職の現実をしっかりと認識し、今のあなたの「市場価値」を正確に把握したうえで「求める条件」を設定しましょう。
1.条件は求め過ぎず、大まかに考える
条件については求め過ぎず大まかに考えて、絶対に譲れない条件を一つ(最大でも二つ)決めたら、それ以外は「受け入れる姿勢(妥協)」を持つことが必要です。
あれもこれもと欲しいモノねだりをしては、選択肢が限りなく制限され、大きなチャンスを逃すことにも繋がります。自身の「求める条件」が簡単に手にできるほど転職は甘いものではありません。
また、求める条件をどれだけ実現できるかは、個人の「市場価値」に大きく依存することを知っておく必要もあります。
- 市場価値が高く、幾多の企業から引く手あまたの人 ⇒ 実現できる条件は多い
- 年齢相応の市場価値を持つ人 ⇒ 実現できる条件は1つないし2つ
- 年齢相応の市場価値を持たない人 ⇒ 望み通りの条件を手にするのは難しい
厳しいですが、これが転職市場の現実です。
また、自分のイメージだけで条件を限定しないことも大切です。
たとえば「大手企業でないとダメ」などと決めてしまう人がいますが、実際に働いてみたら「小規模のベンチャーのほうがやりがいが感じられた」といったケースは多々あります。
条件を決定する際、「あれはダメ」「これもダメ」と求め過ぎて、自分から八方塞がりの状況を作り出している求職者は少なくありません。自ら可能性を狭めることは避けたいところです。
2.現実的な条件を設定する
条件については、現実的な視点でもって考えることも重要です。
たとえば「事務的なサポート職に就きたい。仕事と家事を両立させたいので残業はしたくない。でも年収は最低500万は欲しい」などという人がいたとしたら...普通に考えれば分かるはずですが、この条件を満たす転職先はまずありません。
年収が高く、条件のいい仕事には、それなりの責任、仕事量が求められます。残業を一切できないなかで、「理想の勤務形態」と「高額な年収」を求めるには無理があるのです。
現実的でない条件にこだわるのなら、「5年後には年収〇〇円になっていたい」「10年後にはワークライフバランスの取れた形態になっていたい」など、将来の目標として設定し、「この目標を達成するにはどんなスキルを身に付けるべきか」を考えたほうが近道です。
3.最初に決めた条件にこだわり過ぎない
転職活動をスタートする際には、その道しるべとなる「wants」を明確にしておくことは極めて重要です。
- 転職先でどんな仕事がしたいか
- 3年後、5年後、10年後のビジョン
- 会社に求める条件
しかし、実際に転職活動を開始し、いろいろな会社の面接を受けたり、他の業界で働いている人たちの話を聞くなどしているうちに、当初考えていた「wants」とは別の方向に魅力を感じる場合が出てきます。
たとえば、「こういう仕事をしたいと思っていたけど、面接した会社で聞いた仕事もおもしろそうだ」「面接での印象はイメージとは違った...むしろ別の業界に興味がわいてきた」などといったもの。
このような場合は、自分の直感に素直に従ってみるのも悪い選択ではありません。「当初考えていた業界や職種ではないけれど、直感を信じて働いてみたら案外自分に合っていた」といったケースは思いのほか多いのです。
逆に、転職がうまくいかない人は、最初に決めた「wants」にこだわり過ぎてしまう傾向があります。
転職活動をしていくなかで、「おもしろそうかも」と感じる仕事に出会いつつも、「当初の考えとは違う仕事だから」と、その仕事そのものを除外してしまうのです。これではせっかくのチャンスも無駄になってしまいます。
条件は求め過ぎず、かつ、ある程度の受け入れ(妥協)が必要だとお伝えしました。この点を詳しく解説したページもご用意していますので、興味のある方は一読下さい。
⇒ 転職には「妥協すべき点」と「妥協してはいけない点」が存在する!