転職の面接では「応募企業の課題(弱み)」を問われることがあります。
- 当社の課題は何だと思いますか?
- 当社の弱みはどこにあると思いますか?
- 弊社の足りない部分は何だと思いますか?
転職する側の人間としては、応募企業の課題(弱点・悪点)を指摘するのは躊躇われます。
それにも関わらず、企業は求職者にこの手の質問をぶつけてくるわけです。
企業はこの質問から何を探ろうとしているのでしょうか?
応募者側はどんな回答を示せばよいのでしょうか?
これらの疑問を解決すべく、企業側の質問意図、回答例を交えて詳しく解説していきます。
企業側の本音 ~ここが知りたいポイント~
適切な回答を準備するため、質問「応募企業の課題(弱み)」に対する意図を把握しておきましょう。
質問意図
- 企業(業界)研究から見えてきた課題を躊躇することなく本音で語って欲しい
- 「入社後、その課題を一緒に解決したい」という当事者意識を感じさせてくれると尚良し
- 単なる誹謗中傷、評論家目線の意見、自身の考えが入っていない回答は残念でしかない
この質問は、言葉が示す通り「あなたの意見」を求めています。
世の中に完璧な会社は存在しないので、どんな会社にも「何らかの課題(弱み)」があるはずです。
だからここは、「堂々と自分の意見を伝える」という方向性でOKです!
志望企業だからといって遠慮する必要はありませんし、企業側もそれを望んでいます。
また、仮にあなたが入社したら、一緒にその課題を克服していかなければなりません。
ゆえに、高みの見物を思わせるような評論家的意見は的外れで、当事者意識を持って「課題解決に対する考え」も併せて語るのがベストな回答となります。
注意したいのが、社会の時流に沿ったような「自身の考えが抜け落ちた回答」は求められていないということ!
例えば、今はグローバル化が当たり前の世の中となっていますが、それに乗っかって以下のように語るのはNGです。
御社はグローバル化ができていないのが課題だと思います!
社会の時流がそうだからといって、全ての企業にグローバル化がマッチするとは限りません。
ここは、企業研究に基づいた上での「あなたの意見」を語る必要があります。
NG回答例
実際の面接の場でよくある「NG回答例」について取り挙げておきます。
NG例①
御社は業界のリーディングカンパニーであり、課題(弱み)は特にないと思います。
NG例②
現時点で課題は思いつきませんが、入社できたら課題を見つけていきたいと思います。
NG例③
入社して内部事情を知らないことには、答えられないものではないでしょうか。
採用側は、企業研究の結果として導かれた「応募者視点での課題」を聞きたいと考えているので、「課題はない」「思いつかない」などの回答はNGです。
また、内部事情を知らないと適切な回答ができないというのは正論ですが、ここでは「誰もが唸るようなレベルの高い意見」が求められているわけではありません。
少し浅はかであったとしても、しっかりと自分の考えを伝えることに注視しましょう。
NG例④
今、世間ではグローバル化の波が押し寄せていますが、御社にはそれが欠けていると思います。
前述の通り、個人の見解が全く入っていない一般論的な回答もNGです。
企業からすると、これほどつまらない回答はありません。
OK回答例
OK例文から回答のポイントを探りましょう。
OK例
私が考える御社の課題ですが、2つあると思っています。
1つが国内市場への依存度の高さです。海外への展開を3年前から取り組んでいらっしゃいますが、当初の目標の40%しか達成できておらず、国内での儲けを海外で散財する結果となっております。ここは、海外戦略を見直す時期ではないかと考えます。
2つめは、事業拡大のスピードが速すぎて、人材が追い付いていないことです。入れ替わりが激しいと有益なノウハウが蓄積されませんし、優秀な人材を外から採ってくるやり方だけでは、やはり組織はうまくいかないと思います。
以上の2点をクリアできれば、御社はこれまで以上に加速度的に成長できるものと考えております。
この回答例は、数値をおさえた定量的な表現を用いて、臆することなく自分の意見を展開できています。(企業研究の成果が見て取れる!)
また、世間の動向に沿った場当たり的な意見もなく、当事者意識を感じさせることもできていますね。
このポイントを押さえておけば、あなたの評価が下がることはないでしょう。
また、この質問は「自分の語る内容が正解かどうか」を気にする必要はありません!
何故なら、内部事情を知らないので間違って当たり前だからです。それよりも、しっかりと自分の意見を自信を持って述べることが大切です。
要は、あなたの意見を求められているので、「自分の意見さえ述べておけば間違いはない」ということです。
そう考えると難しい質問ではありません。
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