職務経歴書にて相手に正確な情報を伝えるのは本当に難しいことです。同じ内容を記載したとしても、表現方法1つで伝わり方が異なり、その出来如何が転職の成否に大きな影響を及ぼします。
若年層の転職者であれば多少は曖昧で抽象的な表現も許されるでしょうが、社会人経験の豊富な40代ともなれば、それ相応の文書力・表現力を求められるのは言うまでもありません。しかし、現実には経歴書のクオリティの低さが原因で転職活動に苦戦する方はたくさんいらっしゃいます。
ここでは、そんな重要書類である「職務経歴書」の書き方と表現方法についてお伝えしていきます。
40代の「職務経歴書」は3つの観点を意識して表現する!
40代にとって必要不可欠で効果的な表現方法とは、次の3つの観点を意識して文書を作成することです。
- 定量的
- 客観性
- 具体性
まず「定量性」ですが、40代ともなれば豊富なビジネス経験があるため、採用側は「一定以上の計数感覚は持っているだろう」と考えています。その為、「とても」「非常に」といった抽象的な表現を多用すると、訴求力が大きく欠落することに。要は、能力を疑われるような「幼稚な文書」になってしまうんですね。それ故に、ここは「とても」「非常に」といった程度を「数字」に置き換えて表現する必要があります。
次に「客観性」についてですが、これも自身の成果や取り組みを主観でなく、客観的視点から表現することが求められます。よくありがちな「一生懸命に頑張った」などの表現は、自己申告に過ぎず、本当かどうかも判断できません。また、採用側はそんな主観的な心持よりも、「プロのビジネスマンとして成果が出せたがどうか」を知りたいのです。
最後に「具体性」ですが、これは5W3H(いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように・いくつ(数量)・いくら(金額))を意識して文書を構成します。そうすることで確実に文書の具体性は高まります。
部下と積極的に接することで部署をまとめ、営業部全体の売上に大きく貢献することができました。
- 「積極的に接する」という取り組みを具体的に表現できないか?
- 「大きく」という表現を数値化できないか?
- 「貢献」を客観的に表現できないか?
【GOOD】
部下に対して、毎週月曜日の午前中にミーティングを開催し、個々の進捗確認や改善点を共有し、給与日には食事に誘うなど、コミュニケーションの質・量を高めることで部署をまとめました。その結果、第二営業部の売上を前年比40%向上させ、営業部長より「第二営業部の頑張りで営業部全体の目標を達成できた」と高く評価いただきました。
3つの観点を意識することで、読み手にあなた自身(能力・実績など)を具体的にイメージさせることができるようになります。
BAD例文では、あなたのことが全くイメージできず、採用の判断材料がどこにも無いことが分かるかと思います。こんな状態では、採用リスクを考えると雇えません。逆に、GOODの例文では、「この人の取り組みは自社でも活かせそうだ」「40%も売上を向上させた手腕に興味がある」など、採用側に興味を抱かせることができます。これが、書類選考通過、採用へとつながるのです。
40代の「職務経歴書」に書くべき4つの項目!
職務経歴書は自由形式なので記載項目は個人の裁量に委ねられますが、必須項目「職務要約」「職務詳細」「貴社で活かせる経験・スキル」「自己PR」を順序立てて記載すれば、まず間違いなく効果的な経歴書を作成できます。
<各項目の狙いと役割>
項目 | 役割 |
---|---|
職務要約 | 採用担当者が最初に目にする項目。これまでの職歴を端的にまとめたもので、書籍でいう「目次」に該当する。ここの出来次第が、それ以降を読んでもらえるかどうかを決定する重要な役割を担っている。 |
職務詳細 | 経験してきた職務内容を掘り下げて記載する。採用側は、応募者の働いてきたイメージを抱きつつ、「経歴が当社で役立つか」という視点で読み進めるため、ただ単に事実を羅列するだけでなく、メリハリを付けて書く必要がある。経験豊富な40代だけに、見せ方にも工夫が必要で、冗長なのはNG。 |
貴社で活かせる経験・スキル | 自身の経験やスキルの中で、応募先に対して貢献できるものをピックアップして記載する。どれだけ優れていようとも、応募先で活かせない経験・スキルには何のアピール力もない。その為、応募企業ごとに変更が必要な項目となる。 |
自己PR | ハンデをフォローしたり、強みを強化するのに記載する。他とは異なり、自由な表現が許される項目なので、伝え切れなかった「スキル」「経験」「パーソナリティ」などを表現する。 |
*その他、特殊事項などをフォローする「特記事項」や、応募先に対する「志望動機」、輝かしい実績をセレクトして記載する「主な実績」といった項目を便宜追加して構成するのも効果的です。