転職回数が図らずも多くなっている人、不遇な理由で短期間で離職した経歴を持つ人は、覆水盆に返らずではありますが、前を向き、未来に向かって進むしかありません。しっかりと、自身のこれまでの過去と向き合い、事実を認め、反省すべき点は反省して次に向かいましょう。
職務経歴書について、読み手である採用企業の人事や経営者は、どうしてもその「転職回数の多さ」や「在籍期間の短さ」について疑念を持たざるを得ないのは、避けようのない事実です。
こうした人は、職務経歴書の各転職間の部分に「経緯情報」を記載するのがポイントです。要は、「前の会社を辞めた理由、その当時、次の会社を選んだ理由について、事実経緯をしっかりと記載する」ということですね。
転職回数が多い人や短期職歴を持つ人が、この経緯情報なく職務経歴書を出すと、読み手は「転職を繰り返してしまう人」「仕事をやり遂げる力や気持ちがない人」「壁に当たると逃げる人」としか見てくれません。結果、書類選考の段階で弾かれる可能性が格段に高まります。
もちろん、この「経緯情報」を記載したからといって、必ずしも譲歩してもらえるとは限りません。しかし、事情によっては理解できること、斟酌できることもあります。結局、こちらが伝えないと、相手は勝手に理由を想像するので、マイナスにしかなり得ないのです。
経緯情報を記載する際の注意点としては、言い訳がましくならないこと。当時の転職選択に自分の判断ミス(社会や仕事に対する認識の甘さなど)があったのであれば、そういうことも含めて真摯に記載することです。
転職の多さを正当化しようと、言い訳、他責、嘘で塗り固めると、まず間違いなく見破られて不採用です。企業は、疑わしき人(信用できない人)を採用しません。多少の脚色は必要なこともあるでしょうが、やり過ぎて経緯情報を記載が「逆効果」にならないよう注意しましょう。
やむを得ない事情で転職回数が増えてしまった際
過去の在籍企業が明らかにブラック企業で、職場環境や待遇があまりにもひどかったという人もいるでしょう。その際に気を付て欲しいのが、過去の会社を誹謗中傷しても意味がないということです。何故なら、「当該企業を選んだのはあなた自身である」という事実があるからです。
だから、たとえ「やむを得ない事情」による転職であったとしても、前述の経歴の書き方同様、ある意味努めて淡々と「ファクト(事実)」「ナンバー(数字)」「ロジック(論理)」で記載して下さい。
事実ベースで、どのような不具合があったのか、劣悪な労働環境だったのか、ハラスメントなどがあったのか...。決して、感情的な形容詞表現を使って記載してはいけません。
また、中には、いく先々が「倒産」や「業績悪化」の憂き目にあい、会社都合で転職を繰り返している人もいるでしょう。「自分が悪いのではない」と言いたくなるでしょうが、応募先の企業はそう見てくれません。これらの会社を選び続けたのは、間違いなく「あなた自身」だからです。
そのため、場合によっては「業績不振は嘘で、単に逃げ出しただけではないか」「まともに企業研究もせず、適当に会社を選んでいるのではないか」といったマイナスに類推される恐れもあります。
結局、会社都合で退職せざるを得ない企業に数社所属し続けた、という経歴は「その人に企業を見る目がない」を示すものでしかないのです。つまり、「会社都合だから転職回数が多いのは仕方ないでしょ!」は通用しないということです。
ここは、そうした企業を次こそ選ばないように、どのような選択ポイントを持って今は活動しているか、を応募書類で伝えることが大切です。
実際に会社都合で仕方なく退職し、苦しい思いをした人にとっては納得できない部分かもしれませんが、「自分の企業選択にも甘さがあった ⇒ 今はこのポイントで企業を選んでいる」といったスタンスでいくことが、内定獲得への近道です。