転職の面接では必ず「退職理由」を問われますが、マイナスに連想される可能性がある退職理由は語らない方が良いとされています。
そして、「残業が多いから」もこれに当てはまります。
この理由で辞めた人の中には、本当に常識を逸脱するレベルの残業を強いられており、充分に退職理由として通用すると考えている方もいらっしゃるでしょう。でも、それでも絶対に語るべきではありません。
何故なら、プラスになる(あなたの評価が上がる)要素が一切ないからです!
面接では質疑応答によってプラスとなったりマイナスとなったりするわけですが、最終的にはプラス部分が大きい人が残っていくことになります。これは当たり前のことであり、誰しもが理解しているシステムかと思います。
じゃ、そのシステムの中で「絶対にプラスにならないこと」を語る必要があるのでしょうか?どう考えてもその必要はありませんよね。面接官を納得させられるだけの正当な理由を語ることができて「プラスマイナス0」です。それ以外は全てマイナスとなる、それが「残業が多いから」という退職理由なんです。
面接官の視点で考えよう!
面接の場面で「残業が多いから」という退職理由を聞いた面接官は以下のように連想します。
- 自社を選んだ理由は残業が少なそうだから?
- 残業が多いのが嫌 = 楽な仕事を求めている?
- 残業が多いのが嫌 = 実は働くこと自体が嫌なんじゃないか?
- 残業が多いのが嫌 = 長時間働けない = 体力不足?
- 自社に入社しても、残業が増えると辞める?
- 残業が多い企業でも働き続けている人がいる。逃げてきただけでは?
- 日本の企業に残業があるのは当たり前。考えが甘いのでは?
これ全てマイナス評価となる連想です。
採用側は、この退職理由を聞いて「そんなに残業させられてきたんだ!それは大変だったね、辞めてもしょうがない!じゃ、残業が少ない自社で雇ってあげよう!」と連想することは絶対にありません。はっきり言って、採用側からすると「応募者が過去にどんな厳しい状況で働いてきたか」なんてことはどうでも良いわけです。
採用側が欲しているのは「自社に利益をもたらしてくれる人材」であって、温情で採用することは絶対にありません。それ故に、過去の職場の悲惨な状況を退職理由として語っても意味はないんですね。
また、残業が多いことが退職理由の人は、今回の転職で「残業が少なそうな企業」を選びますよね。退職することになった原因を解消するために転職するんですから当然です。
ここで一つ頭に入れておくべきは、採用側もこの事実を把握しているということです。つまり、あなたがどれだけ良い志望動機を語ろうと、「結局は残業が少なそうだからが本音でしょ!」と捉えられてしまうんですね。
これも、マイナスとなります。
退職理由として何を語るべきかを考えよう!
ここまで読んでもらうと、なぜこの理由が通用しないかを理解いただけたのではないでしょうか。
そう、面接では、マイナスにしかなり得ないことを自ら語る必要はないということなんです。これを自ら語ること、それは「私を不採用にして下さい!」と言っているのと同じなんですね。
そんな馬鹿らしいことをしたくないですよね?
内定を獲得したいですよね?
だったら、この退職理由は語るべきではありません。
最も良いとされているのは、志望動機と連動している退職理由です。
「〇〇という想いを持っているが、前職ではどうしても実現できない。」
「御社であれば〇〇が実現できるので志望した。」
この連動があれば、志望動機に説得力が増してプラスに評価される可能性が生まれます。
逆に、残業が多いからという退職理由ではこの連動を作ることができません。
「残業が多いのが嫌で退職した。」
「残業が少ないだろう御社を志望した。」
この連動で雇ってくれる企業は存在しません。
「マイナスにしかなり得ないことを語る!」
「プラスとなる可能性のあることを語る!」
どちらを選択すべきか?
深く考えるまでもありませんよね。