転職して「やりがいのある仕事」がしたい!
転職して「好きな仕事」がしたい!
転職して「やってみたかった仕事」がしたい!
現在の仕事にやりがいを感じることができず、本当にやりたいことをやれていない、などの嘆きをよく聞きます。仕事は長きに渡って続いていくものなので、充実した気持ちで楽しくやっていきたいという気持ちはよく分かります。
ただ、そんな人たちに「やりがのある仕事とは?」「好きな仕事とは?」という問いを投げかけると、イメージ先行であることが多いように思います。「何となく楽しそう」「華やかな感じがする」といったレベルの漠然としたものです。表面的な要素でしか判断しておらず、その仕事の本質を捉えていません。
これは、「とりあえず起業したい!」という人によく似ています。企業することが目的となってしまい、何をやるかという具体的な中身のない人です。本当にそんな人いるの?と感じるかもしれませんが、起業した多くの人に見られる傾向です。
例えば、起業家を支援したい、Eコマースをやりたい、カフェをやりたい、人材紹介業をやりたいなどと話す人たちです。一応、漠然とした想いはあるのですが、そのほとんどが未経験です。起業することが最大の目的となってしまっているので、事業内容(利益追求)はその次に来るという現象が起こっているのです。
これを紐解くと、「サラリーマン = 悪」という考えに陥っていて、そこから解放されることが主の目的となり、まずは「好きなこと」「やってみたかったこと」をやりたいという想いが先行なのです。このような発想で起業した多くの人がサラリーマン時代より稼げおらず、失敗に終わることも多いのです。
あなたは、「やりがいのない仕事 = 悪」「好きな仕事を求めること = 善」などの想いに囚われてはいないでしょうか。今の現状から抜け出すことが、転職の目的となっていないでしょうか。その目的を達成するため、漠然としたレベルで「今とは異なる仕事(会社)」に憧れを抱いていないでしょうか。
この点をしっかりと考えて欲しいと思います。
やりがい(好き)を求めることは非営利であることも想定すべき!
転職して「やりがい」「好き」「やってみたい」を求めるということは、今の仕事と別の分野の仕事を求めることを意味します。この場合、自分の相対的価値が下がる可能性が高いということを知っておかなければなりません。
例えば、車の販売営業をしていた人の価値は「B to C 営業職」にあり、法人相手に仕事をしてきた人の価値は「B to B」にあって、法務関係で仕事をしてきた人の価値は法務職にこそ存在します。
これを捨てて新しい領域にチャレンジするということは、自分が持つ相対的価値をも捨てること、すなわち、給料が下がるということを意味します。これが事実だからこそ、職種を変える転職は20代の内に行うべきと言われるんですね。このチャレンジが遅くなるほどに「生涯年収」に大きな影響を及ぼすからです。
仕事をする目的とは「お金を稼ぐこと」にあるわけで、あなたも異論はないはずです。決して「やりがいのある仕事」「好きな仕事」「やってみたかった仕事」をすることが目的ではないですよね。だからこそ、今回の転職が持つ「非営利な一面」にもしっかりと向き合って判断する必要があるのです。
給料が下がるという非営利な一面を持つ転職!
これが将来にもたらす影響をしっかりと考えて下さい。そして、冒頭で挙げたような漠然としたレベルの「やりがい」「好き」「やってみたい」を求めてはいないかを振り返って下さい。漠然としたレベルで転職に臨むと、目的が遂げられないばかりか、給料を無駄に減らすことに繋がります。