「転職回数が多いことは不利なのか?」
転職回数が多い人、再転職を考えている人にとっては気になるところですよね。まぁ、第一印象が良くないですから有利でないことだけは確かです。また、書類選考の通過基準に回数を取り入れている企業もありますから、不採用の直接の原因になることもあります。
ただ、この転職回数に関しては「回数の多少が問題ではない」ということを理解しておく必要があります。本質的な部分は別にあります。採用側の企業は転職回数で採用を決定するわけではありませんからね。これを正しく理解していないと、回数ばかりに目を奪われて重要な部分が抜け落ちてしまいます。
転職理由が明確でないことが多い
まず、転職回数が多い場合、採用側の企業はあなたのことを以下の視点で見ています。
- 嫌なことがあるとすぐに辞めるのではないか?
- 精神的に弱い人なんではないか?
- 何か問題があるのではないか?
第一印象が良くないことは冒頭でお伝えしましたが、この様に見られていることは間違いありません。ですから、そうでないことを証明する為に「転職理由(転職回数が多い理由)」が非常に重要になります。でも、重要であるにも関わらず「採用側が納得できる理由を伝えることができていない」あるいは「嘘の転職理由が見破られている」ということが多いんですね。これがまず採用に繋がらない大きな理由です。
転職の原因は何かしらの不満であることが多く、採用側もこれは重々承知しています。ただ、それを「ありのままの本音で伝えることができない」という難しさが転職にはあります。ですから、そこに嘘が含まれることは問題ないのですが、嘘を見破られないレベルまできっちりと作り込む必要があります。それが転職回数が多い程に難しくなり、説得力が欠けてきます。ですから回数が多いと大変なんですね。
そこで重要なのが「転職理由に一貫性を持たせる」ということです。複数回の転職を繰り返しているのなら尚更です。例えば「仕事を通してこの様なキャリアを積んでいきたいが、今までの会社ではどうしてもそれが実現できなかった」などです。更に、その理由と応募先企業が連動している必要があります。上記の例を交えていうと「思い描いているキャリアを積める環境が御社にある」という連動性です。
つまり「転職理由と志望動機を連動させること」が何よりも重要であり、そこに一本の繋がりがあれば転職回数は問題ではありません。これは簡単ではありませんが、企業研究でその連動できる部分を探し出して下さい。その過程は大変ですが、それができれば面接でも自信を持って答えることができます。また、今までは企業研究が甘く、それが故に転職回数が多くなってしまったという自分の非を認めることも大切です。
もし、企業に「確かに会社をよく研究しているな」と思わせることができれば、あなたの話すことに説得力がでますよね。また、今までの回数が増えてしまったことを反省して転職活動していることをアピールすることにもなります。つまりは転職理由にも信憑性が生まれるわけですね。
これを意識して転職理由と志望動機を考えるようにしましょう。実はこれ転職活動者でできていない人が非常に多いことです。つまり、これができれば転職回数が多くても充分にライバルと戦えます。
実績(キャリア)がないから問題
転職回数が多いということは、各会社の在籍期間が短いことが考えられます。つまり、実績を充分に積めていない可能性があります。転職は可能性ではなく実績が評価されますから、当然それは不利に働きます。あなたは充分な実績を持っていますか。
転職回数が多くても、誰もが納得する様な実績を持っていれば問題はありません。でも、そうでないことが多いのが実状です。実績(キャリア)がないことは、評価する基準がないのと同じですから、厳しい結果に終わってしまうことは想像できますよね。また、実績を持つライバルにも勝てるわけがありません。
転職回数の多い少ないを気にするよりも、今までの経歴を振り返って「具体的な数値で示せる実績」や「キャリアアップで昇進した経緯」があるかを確認してください。企業が知りたいのは「あなたは何ができるのか」です。そのレベルと企業が求めるレベルが合致して初めて採用が検討されます。
もしあなたがまだ会社に在籍しながら再転職を考えているのなら、今までの転職回数よりも「実績(キャリア)があるか」を確認してください。もし無いのであれば、今の会社でもう少しキャリアを積むことを考えても良いのかもしれません。結局転職は「あなたの実績 ≧ 会社の求めるレベル」で採用可否が決まります。それなりの実績しかなければ、それなりの会社にしか入ることはできません。厳しいですがそれが転職の現実です。
今、仕事を辞めて活動しており、転職回数が不採用の原因だと考えている方は、視点を変えてみて下さい。転職回数ではなく「転職理由」と「実績」に問題がないか、そして、それを書類選考や面接で正しく伝えることができているかをです。そこを変更することで感触が変わるかもしれません。新たに実績を積むことができないので、徹底した準備が求められます。それでも上手くいかないのであれば、業種や職種の幅を広げることも検討する必要があるかもしれません。
転職回数が多くなってくるとそれ相応の準備が求められますから、そうでない人に比べて活動自体の難易度が増すことは事実です。でも、それは自分が歩んできた道ですから受け入れるしかありません。回数が多いことを嘆いても何も始まりません。
私も転職を3度経験しましたから、この回数が多い苦しみはよく分かります。でも、当時は転職回数が多いことの「本質」を全く理解していなかったので、単に「転職回数が多いとしんどいな」と感じていただけでした。今考えると転職理由が滅茶苦茶だったと感じます。そんな状態で望みの会社に入れるわけはないですよね。同じ道をたどらない様にする為にもこの本質を頭に入れて活動を見直してみて下さい。
転職回数が多くても必ず道はあります。