何かを得るならば、何かを捨てる覚悟が必要!
これは転職に臨むにあたって絶対に持っておくべき考え方です。
何故なら、そうであることが圧倒的に多いのが転職だからです。全てを手に入れようとするから、転職して会社を変えても不満を抱きます。理想の会社や仕事があると幻想を抱いているから、負の部分が受け入れられず、いつまで経ってもその会社(仕事)で生きていく覚悟が生まれません。
結局のところ、自身の望みが全て満たされる会社(仕事)なんてのは夢物語で、そうした環境が簡単に手に入るほど社会も甘くありません。だから、転職して「想定していなかったマイナス面が表面化する」というのは当たり前のことなんですね。
それが故の、転職して手に入れたいもの(条件)があるのならば、逆に失うもの(条件)があることを覚悟しなければならないということなのです。
この覚悟を持っていれば、転職後に想定外のことが起きても動じることなく対処できます。逆に、この覚悟を持たず、転職の甘い部分だけを追いかけてしまうと、想定外の事態が起きた時に「こんなはずじゃなかった」などとあたふたしてしまいます。最悪、また「青い鳥」を追いかけて再転職の道に進むことになるのです。
あなたの手に入れたいもの(転職の目的)には、どんなリスクが潜んでいるのでしょうか。
転職において、得ることと引き換えに、失うことが多い事象
ここでは、転職理由に伴う「得るもの(プラス面)」と「捨てる覚悟が必要なもの(想定外のマイナス面)」をお伝えします。このプラスマイナスが起こり得る可能性が高いことを認識して転職に臨みましょう。
得るもの(プラス面) | 捨てる覚悟が必要なもの(想定外のマイナス面) |
---|---|
新たな職場 | 以前の職場の良かった部分 |
不満の解消 | 新たな不満の発生 |
給料・収入の増加 | 自由な時間や休日の減少、残業の増加、要求・求められるレベルの上昇・プレッシャーの増加 |
プレッシャーの少ない楽な仕事、時間的余裕(残業が少ない環境) | 給料・収入の低下 |
休日(土日祝休み) | 給料・収入の低下、休日以外は相当な残業が強いられる |
希望勤務地(U・Iターン)での就業 | 数年後に転勤を命じられた |
仕事内容(やりたいこと、やりがい) | 想像していた仕事と違う、前の会社ではやる必要がなかったことまでやらされる |
人間関係の改善 | 良い人は多いが、配属先の上司や同僚と相性が良くない |
職場環境が良い | 使い慣れた設備やシステムがなく不便 |
充実した評価制度 | 自分の得意分野を評価する指標がない |
将来性のある会社や業界に就職できた | 想像以上に厳しい仕事であり、ずっと続けられるか不安 |
ノルマがない仕事 | 楽だが給料が一生横這い |
なし | 前の会社の方が良かった、転職するんじゃなかったと後悔する日々 |
転職にはリスクが付きもので、どんなに熱心に情報を集め、最善の活動を行ったとしてもリスクをゼロにすることはできません。何故かと言うと、会社というモノは「入社してみないと分からないこと」があまりにも多いからです。
そして、世の中に「全ての従業員が満足する完璧な会社」なんてものも存在しないので、必ず何かしらの納得できない部分が出てきます。全てを自分の思い通りにと考えるのであれば、それは転職ではなく、起業でしか実現できません。
転職するにあたって理解しておかなければならないことは、「転職してあなたが入社する会社は、赤の他人が不満を持って辞めた会社である」ということ。転職市場はこうして人が循環して成り立っています。これは真実なので、後は、赤の他人が辞めることを決めた要素が、あなたにとってどうなのかという話なのです。
あなたにとってその部分が問題なければ万々歳ですが、人が辞めるような要素です。あなたも同じように不満を抱く可能性が高い。でも、あなたの転職目的が果たされているのであれば、この不満は受け入れる必要があります。この受け入れる覚悟を持っていないと、転職を繰り返す羽目になり、ジョブホッパーに成り下がります。
で、どうしようも立ち行かなくなってから「後悔」するんです、転職に逃げずに頑張ってあの会社で働いていれば今頃は...と。
何なの大袈裟な・・・と感じた人もいるかもしれませんが、世の中にはこうした人がわんさかいます。だから、どんなに悪名高いブラック企業にも人の流入があり続けるのです。ブラックに行きたいわけではなく、行かざるを得ない。何故なら、無意味な転職を繰り返し、年齢相応のキャリアを積んでいないから。
あなたにはこうなって欲しくありません。
だから、ここでは敢えて厳しい現実をお伝えしました。そして、転職にはそれ相応のリスクがあり、得るものと失うものは表裏一体であることを知ってほしかったのです。
転職を考えるくらいですから、今の会社に何かしらの不満を抱いていることだと思います。でも、そんな会社にもいいところはあるはずです。だから、「今回の転職で手に入れたいものは、現職の良い部分を捨ててまで手に入れたいものなのか?」といった疑問にしっかりと向き合って欲しいのです。
現職にも「良い部分」と「悪い部分」があります。
当然、転職先にも「良い部分」と「悪い部分」があります。
あなたは、転職すれば今の会社の「良い部分」は引き継がれつつ、悪い点だけが改善される! と勘違いしていませんか?
転職が全て「正」の方向に動くなら、社会人全ての人が転職しています。
でも、そんな現実はどこにもありません。