会社内にチーム(部署)が存在する理由は、「個」の力を上手く結集することで、より大きな成果を上げるためです。
でも、実際の現場でそれが上手く機能しているかというと、そうでもありません。
- お互いに足を引っ張ってしまった
- 連携不足で計画通りに業務が進まなかった
- 相手に頼り切ってしまった
- 利益を拡大するために増員したが、売上が伸びなかった
この種の話は至る所に転がっています。
だからこそ、チームに相乗効果を生み出せる人材はどの会社でも評価されるんですね。
ゆえに、この手の質問には「個々の高い能力や実績ではなく、チームにどう貢献したか」を回答として示す必要があります。
また、一見すると優秀な人物であっても、個人プレイの要素が強い人もいます。そうした人物を採用した場合、チーム(部署)は上手く機能しません。
その為、チームワークに関する質問をすることで、本人がバランスの取れた発言ができるかどうかを試しているのです。
自身の立場によって回答は変化する!
チームワーク関連の質問は、自身の立場によって回答内容が異なります。
- プレイヤー(スタッフ)
- マネージャー(リーダー)
プレイヤーであれば、「メンバーとして〇〇をすることで貢献した」といった話、マネージャーであれば、「チームを〇〇の方法で率いて成果を出した」という話が必要になります。
それぞれの立場において、どんな回答が適切なのか見ていきましょう。
プレイヤー
あるプロジェクトを進行中に、急遽一人のスタッフが退職することになり、計画通り業務を完遂することが難しい事態に追い込まれました。そこで、私が退職したスタッフの仕事も担当することになりました。
直後の2ヶ月間は本当にハードワークが続き、チームメンバーに助けてもらうことも度々でしたが、その結果、当初の予定通りプロジェクトを完遂できました。未経験だった新しい業務も習得できたことで自身の仕事の幅も広がりました。ハードワークは厳しかったですが、振り返ってみると、最も成長できた時期であったと思います。
厳しい状況でしたが、チームのためを思って行動したことが、結果的にチーム及び、自身のためにもなったことは大きな収穫だったと思います。
チームへの貢献を目的とした行動が、結果的に双方にプラスに転じる!
ありがちな話ではありますが、面接官にも受け入れられやすく、回答として間違っていません。
マネージャー
数年前に課長として新たな会社に転職し、3人の部下を持つことになりました。2ヶ月経過した時のこと、上司の部長が急遽退職することになり、突然会社に来なくなりました。自分はまだ現場に慣れてきた程度でしたが、やむを得ず部長の仕事を引き継ぐことになり、現場の実質的なリーダーとなりました。
問題というのは重なるもので、一番の売上を挙げていた部下が、部長と共に退職することも判明。一気に戦力ダウンとなり、特に辞めた部下が担当していた顧客との新しいプロジェクトが立ち上がった矢先であったため、まずはそのプロジェクトリーダーを自分が肩代わりすることにしました。
顧客に頭を下げ、全てのスケジュールを組み直しながら、顧客の仕事に追加で担当者を割り当て、注力する仕事を一時的に絞る戦略をとりました。もちろん、現場は大変だったのですが、結果としてその顧客からの受注も増え、深刻な戦力ダウンがあったにも関わらず、当初の売上目標を達成し、会社からの信頼を得ることになりました。
結局、部長の後任探しは保留になり、自身は半年で課長から次長に昇進し、実質的には部長の仕事を任されることにも繋がりました。
マネージャーにとってのチームワークとは、チームメンバーをサポートすることであるのと同時に、「チームの成績を維持し、成長させることに」あります。
当然、その中には危機管理対策も含まれるので、この回答例は、全ての要素が盛り込まれたベストな内容と言えます。
面接官など、初対面の相手にインパクトのある話を伝える際は、危機対策の話を選ぶと有効に作用しやすい!
その理由は、「問題が発生 ⇒ 乗り越えた方法」というのは個性が出やすく、あなたの「仕事観」や「人となり」を表現するのに持ってこいだからです。
自分自身が面接で伝えるべきチームワークは何か?
この疑問に向き合って適切な答えを準備しましょう。