キャリア採用を主とする転職では、社長(創業者、会長、CEOなど)が面接官として登場することも往々にしてあります。社長ということで変に意識してしまいがちですが、あまり構え過ぎる必要はありません。
理念がしっかりしている、成長している、革新的な事業やサービスを展開している、伝統をしっかりと継承しようとしている、といったような本質的な事業経営テーマを持つ会社であれば(基本から逸脱した特殊な考えの会社でなければ)心配いりません。
一般的な会社であれば、実はその会社のどの人よりも、転職応募時に話しやすいのが社長(経営者)なのです。
もちろん、社長にも「快活な人」「強面の人」「寡黙な人」など様々なタイプが存在します。しかし、一つ確かなのは、「企業の取りまとめ役として事業・経営の全責任を背負えるだけの人物であり、視野の広さ、ものを見る時間軸の長さ、好奇心や包容力の面において突出したものがある」ということです。
そんな社長相手の面接だからこそ、大切な要素が4つあります。
- 全てをさらけ出す覚悟で臨むこと
- 話は端的に分かり易くが基本
- 思考・行動が前向きで、将来の展望を持っていること
- 逆質問は「経営的観点」or「将来展望」に関するものであること
社長ともなれば、面接は限られた時間となることが多いので、これらの4つのポイントを踏まえ、明確に端的にあなたの魅力を伝え切りたいものです。
1.全てをさらけ出す覚悟で臨むこと
相手は百戦錬磨の経営者、下手な嘘や謀は通用しません。あなたの本質はすぐに見透かされるはずです。あれこれ飾ろうとせず、肩の力を抜いて、丸裸で臨むくらいの気持ちが大事です。
2.話は端的に分かり易くが基本
経営者は総じて気が短い生き物です。自身が膨大な数の判断を日々繰り返しているので、冗長なこと、まわりくどいこと、無駄な時間を極端に嫌う傾向にあります。
もしあなたが、結論が見えないプレゼンテーションをダラダラと始めたとしたら、その途端、にこやかに聞いてくれている社長の頭の中では「あぁ、この人は駄目だな」とNGが出ていることでしょう。
3.思考・行動が前向きで、将来の展望を持っていること
経営者は現在だけでなく、常に自社の未来を見ています。そして、会社を永続的に成長・存続させていくことが使命なので、長期的に会社に貢献してくれる人材に入社してほしいと考えています。
そこで重要になってくるのが、「将来の展望(ビジョン)を持っているかどうか」なんですね。特に中堅・幹部クラス以上の採用で経営者が期待するのは、今の事業を牽引してくれることに加えて、我が社の未来を切り開いてくれる可能性を感じられることです。
また、経営者は総じて「自社をよい会社にしたい」という想いが強く、その一環で、前向きであることやツキ・運などにもビビットです。もしあなたがツイていそうな人物であれば、それだけでプラスに評価されるのです。
4.逆質問は「経営的観点」or「将来展望」に関するものであること
社長面接でも、これまでの面接と同様に「逆質問」の時間が設けられます。
ここで、社長相手に「細かな人事制度」「配属部署の仕事の進め方」「福利厚生」「給料」などは聞かないようにしましょう。これは、一次・二次面接で解決しておくべきことであり、経営陣に聞くことではありません。
経営幹部への逆質問は、「経営戦略」や「将来ビジョン」に関する質問をするのが一般的です。