転職において「志望動機」というのは採用側が最も注目している部分です。
何故なら、志望動機を見るだけで「入社意思の強さ」「企業研究の度合い」「本気度」が丸分かりだからです。
会社にはそれぞれ特徴や個性があるので、通常、志望動機は会社ごとに異なってしかるべきです。でも、実際に一社ごとに志望動機を考えるのは大変で面倒臭い部分でもあります。ですから、応募者が「最も手を抜きたくなる部分」でもあるんですね。だからこそ、応募者の人となりがもろに出てしまいます。
その人となりがマイナス方向に出てしまうと、それが採用側に見抜かれて不採用となるわけですね。WEBからの応募も含めて、書類選考が通らない人が最もやってしまうミスでもあります。どんな会社でも通用する志望動機を使い回している・・・この様な手抜きで選考を通過できるはずはありません。
ここでは、転職において最重要項目の一つである「志望動機」について解説します。
志望動機の書き方のポイント
履歴書の志望動機を記入するスペースは非常に限られていますから、面接で語る様に詳細を記すことはできません。それでも、満たしておくべきポイントがいくつかあります。
- 会社独自の特徴やキーワードを入れる
- あなたの経験をどう活かしたいのかも交える
- 面接も想定しておく
まず、最低限押さえておくべきは「この会社でなければ」という独自のポイントを見つけ、その特徴やキーワードを入れることです。この要素がないと、どの会社でも通用するありきたりな志望動機になってしまいます。
また、会社独自のポイントを踏まえ、「自分の経験を活かしてどうしていきたいのか」も書くようにしましょう。これを加えることで、応募企業とマッチした人材であることもアピールできます。
つまり、履歴書に書く志望動機というのは、以下の様に構成することで事足りるということです。
更に、もう一つ考慮しておくべきことが「志望動機を書く段階で面接も想定しておくこと」になります。履歴書に書いてある志望動機と面接の場で語る志望動機に一貫性がないと「ん?」となってしまいますよね。「面接前に改めて企業研究を行ったら、履歴書に書いた志望動機と実際の考えがズレていることに気付いた」なんてこともよくあります。そうなっても後の祭りですから、応募する段階で面接を想定しておき、ある程度の企業研究をしておく必要があるということです。
志望動機のNG例文
履歴書の志望動機でよくあるNG例文をいくつか取り上げておきます。
- 貴社の将来性(成長性・安定感)に魅力を感じました
- 貴社の企業理念(コンセプト)に共感しました
- 私の経験が活かせると思いました
- 給料の高さに魅力を感じました
- 貴社で〇〇の知識を学びたいと思いました
根拠の無い抽象的なフレーズが面接官の心に響くことはありません。また、「この会社でなければ」の要素が全くありませんので、評価される志望動機となりません。
この類いの志望動機は非常に多いんですが、採用側からすると「理念ってどの理念?」と疑問を持ちますし、どの会社でも通用するものとなりますから評価されません。仮に理念を志望動機とするのなら、どの理念を指しているのかを明確にし、その具体的な理由を面接で語れるかどうかも考えて採用しましょう。
どんな経験が、どんな風に活かせるのかがイメージできません。もう少し具体的に記述する必要があります。
給料に代表される待遇に関することを志望動機とするのは避けるべきでしょう。企業からすると、「この会社で働きたい」という強い意志を持つ人を採用したいものです。待遇が志望動機だと「それが満たされれば、結局はどの会社でも良いんだ」と思われてしまいます。
会社は学校ではないので学ぶ場ではありません。新卒ならまだしも、転職において「学ぶ」はNGワードです。採用側は「どう貢献してくれるのか」に注目しています。
非常に難しい「志望動機」ですが、以上のポイントを押さえて記入するようにしましょう。「取りあえず応募の段階では無難なものを書いておけば良いだろう」と考え、回答例などをそのまま引用するのは避けましょう。そこに独自性は生まれることはありませんからね。
「あなたは、その企業の面接でどんな志望動機を語るつもりですか?」
この答えを端的に纏めたものが「履歴書に書く志望動機」となります。採用に近づく為には面接までを想定して準備しておくことが大切です。多くの企業に応募するとなると非常に大変ですが、それをできる人が希望する会社に入社し、いち早く転職活動を終了させます。それをせず、手を抜く人の結果は言わずとも分かりますよね・・・。