職務経歴書に記載する「自己PR」は制限なく自由に記載できるので、説得力の高い文書が求められます。
ポイントを押さえた文書を作成すれば、採用担当者を納得させることができ、面接への扉を開いてくれるでしょう。
OK・NG記述例からポイントを把握し、採用担当者を納得させる「説得力の高い文書」を作成しましょう。
職務経歴書の自己PR(NG例)
採用担当者の立場になって、「何故、NGなのか?」を推測しながら読んでみましょう。
NG例①
私は、業務の効率化やスピードアップに力を入れて取り組んできました。
NG例②
お客様の目線を意識した売り場作りを行い、お客様に喜んでいただきました。
NG例③
顧客とのコミュニケーションを大切にしてきたので、誠実な対応には自信があります。
①~③に共通するのが、主観的(抽象的)な表現に終始しており、「行動」や「成果」が見えないために説得力がないことです。
要するに、誰にでも書くことができる内容で、採用担当者から「あなたが勝手にそう思っているだではないの?」と思われる主観的な内容だということ。
NG例②で解説すると、採用側は以下のことが知りたいのです。
- 具体的にどんな売り場作りを指すのか?
- お客様が喜んだと分かる、具体的なエピソードは?
- お客様に喜んでいただいた結果、どうなったの?
つまり、主観的(抽象的)な表現に終始した文書は、採用側が知りたいことが書かれていない文書なんですね。
ゆえに、信憑性が薄く説得力のない文書ができあがるのです。
突っ込んで質問してくれるならまだ挽回の余地はありますが、そうしない面接官の場合は一発アウトです。
NG例④
〇〇の活動に力を注いできた結果、△△を達成するといった輝かしい成果を挙げ、社内から賞賛を浴びました。この経験から〇〇においては誰にも負けない自信があります。
大袈裟な表現であるために「自意識過剰」or「自己中心的」という印象を持たれやすい内容です。
特に、「輝かしい成果」などは自分で表現するものではなく、周りが評価するものです。アピールしたいがために美化し過ぎるのはよくありません。
NG例⑤
〇〇営業として幅広い顧客を担当し、営業スキルを磨いてきました。
フットワークの軽さには自信があり、かつヒアリングをしっかりと行った上での企画・提案にも力を入れてきました。顧客と早く打ち解け、親密な関係を築くのも得意です。
また、既存顧客だけでなく、新規開拓にも積極的に取り組みました。更に、商品開発部に対してお客様の声を伝えるなどして社内外の橋渡し的な役割も担いました。
主観的(抽象的)な表現に終始しており、かつ、情報を盛り込みすぎているために、何が本当の強みなのかも伝わりません。
最もNG度の高い内容となるため、絶対に避けましょう。
- アピール材料が複数ある場合は、それぞれを分けて記述する
- アピール材料は最大でも2個までに留める(それ以上を持つ場合は、応募企業に合わせて使い分ける)
以上のポイントを意識して記述していきましょう。
職務経歴書の自己PR(OK例)
主観と客観のバランスが取れた、「採用担当者が納得してくれる文書」を見ていきましょう。
OK例①
お客様の目線を重視した売り場作りをモットーに、常連のお客様に声を掛け、売り場の感想や欲しい商品を聞いて回りました。
また、会社に来店客アンケートの実施を提案、実行した経緯もあります。
これらを反映した売り場作りを実施した結果、年間売上高で前年比130%を達成しました。
OK例②
顧客とのコミュニケーションを大切に、誠実な対応を心掛けてきました。お客様に少しでも不安な様子が見えたら、追加の資料を集めてご説明し、安心していただけるよう努めてきました。
「担当が〇〇さんだから買うことに決めた」と言っていただいたことは、大きな自信に繋がっています。
具体的な「行動」や「成果」が記述されていることで、説得力のある文書になっていることが分かります。
OK例③
部門内での情報共有が不十分であるという課題に対し、「週1回、メンバーの進捗状況を取りまとめ、一斉メールを配信する」という解決策を提案し、自らルール作りを行いました。
結果、役割分担がスムーズに進み、部内の残業時間を30%削減させることに成功しました。
部内を俯瞰して観察し、メンバー間の調整を行うのは私が得意とするところです。この強みは、貴社のプロジェクトリーダー業務でも活かせると考えています。
OK例④
飲食店店長として売上拡大を目指し、お客様の来店を待つだけでなく、近隣オフィスへのチラシ配布を定期的に行いました。
他の飲食店のウェブサイトを100以上見て研究し、チラシのレイアウトやフレーズを工夫したところ、反響を呼び、売上30%アップを達成しました。
これを機に「広告」の力を強く感じ、飲食店のネット広告を手掛ける貴社に興味を抱きました。飲食業での経験や知識を活かし、是非貴社で営業に挑戦したいです。
具体的な「行動」や「成果」を示すと共に、「数値」を交えることで更に客観的に記述できています。
また、応募先の志望動機とも連動しているため、①②よりも説得力の高い内容に仕上がっていることも分かります。
- 職務経歴書の自己PRは、行動や成果を「数値」を交えて客観的に記述する!
- アピールする材料は、応募先企業が求めているものを採用する!
- アピールする内容は、応募先企業で再現可能なものであることも重要!
これらを意識して、説得力の高い文書を完成させましょう。
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