転職の面接では、「現職(前職)との違い」を問われることがあります。
- 現職と当社の違いは何だと思いますか?
- 前職と当社の違いは何だと思いますか?
求職者からすると、「何故、こんなことを聞くの?」と理解しづらい質問かと思いますが、面接で聞く以上は「意図」があります。
つまり、企業の質問意図を理解した「適切な回答」を示せるかどうかが明暗を分ける!
非常に難解な質問ですが、ライバルとの差を広げるチャンスでもあります。ここは、プラスに捉えてこの質問に立ち向かいましょう。
企業側の本音 ~ここが知りたいポイント~
適切な回答を準備するため、まずは、企業の「質問意図」をお伝えします。
質問意図
- 現職(前職)の不平・不満を聞きたいわけではない
- 当社を持ち上げた回答を期待しているわけではない
- 企業研究を通して「当社で働くことを現実視できているのか」を確認したい
この質問に対しては、「現職(前職)を貶めて応募企業を持ち上げる回答」をする人が多いのですが、現職(前職)を悪く言うのはご法度です。
また、応募企業を持ち上げ過ぎるのもNGで、「御社は最高!」と褒めて熱い想いをアピールしすぎると、逆に「実際はあなたが思うほどの会社ではない。何か勘違いしているのでは?」とマイナスに捉えられます。
このような「過大な期待」は現実とのギャップを生み、企業が懸念する「入社してすぐに辞める」を連想させてしまうんですね。
深い企業研究を行い、現職(前職)との違いを明確に伝えること!
回答のポイントはここにあるので、自分自身が抱く何となくのイメージを伝えるだけでは足りません。
事実に基づいた具体的な内容を語り、「応募企業で働くことを現実的にイメージできていること」を伝える必要があります。
NG回答例
実際の面接の場でよくある「NG回答」について見ておきましょう。
NG例①
現職は〇〇の仕組みも整っておらず、御社と比べると効率面で劣っていたと思います。
たとえ事実であったとしても、現職(前職)の誹謗中傷と見なされる内容はNGです。
誹謗中傷を語ってしまうと、「この人は当社に入っても、都合が悪くなると同じように悪く言うのだろう」などと評価されます。
NG例②
御社は全てが非常に高いレベルにあると思います。それに比べて前職は~
次に、「御社は全てのレベルが高い」など、曖昧でおべんちゃらが過ぎるのもNGです。
採用側は「現職(前職)の駄目な部分」&「当社の素晴らしい部分」を聞きたい訳ではありません。
両者にどんな違いが存在し、その違いがあるからこそ「どう働いていくことが必要なのか」を理解しているかを探りたいと思っています。
OK回答例
この質問の回答としては、どんな内容が適切なんでしょうか。
OK例文から回答のポイントを探りましょう。
OK例
前職も御社と同業界ですが、企業文化が全く違うと感じております。
前職はオーナー企業ということもあり、完全なトップダウン経営でした。業界全体が低迷する中できちんと業績を残し、社長の経営手腕は業界でも高く評価されていたと思います。
一方で御社は、経営者と従業員の距離感が緊密なのが特徴で、前職との大きな違いであると感じています。先日の会社説明会でも御社社員の方が「自分の提案や意見を自由に言える風土がある。ただ、意見を言う限りは責任も重い」という点を強調されておりました。
自由と責任は表裏一体ですから、改めて御社のシビアな側面を認識できた次第です。
この回答例は、両社の組織風土の違いについて触れており、具体的に話を展開できています。
前職についても評価しつつ、応募企業の良さだけを持ち上げずに「シビアな現実を認識している点」を伝えることができています。
この内容であれば、「この応募者は当社をよく理解している」と見なされるでしょうし、「入社後のギャップですぐに辞める」という不安を持たれることもないはずです。
この質問は、以下の点を確認するものであることを理解しておきましょう。
- 企業研究の有無(当社の理解度)
- 当社で働いていく覚悟
これを意識して回答を準備すれば、評価が高まる回答が示せるはずです。
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