嘘本当

転職の面接で付いて良い嘘と付いてはいけない嘘

転職の面接なんてのは、ある種「本音と建前が混ざり合った探り合いの場」ですから、暗黙の了解の中で「嘘」が使われるものです。

これが転職面接の実態であり、そこには「付いて良い嘘」と「付いてはいけない嘘」が存在します。「嘘はつかない方がいい!」と言われたりもしますが、これは綺麗事であって、バカ正直に何でも素直に話していては内定は勝ち取れません。

ここでは、そんな面接での「嘘」に焦点を当て、その実態に迫っていこうと思います。

付いて良い嘘(付かなければならない嘘)

面接には「ご法度とされる回答」が存在し、そこは「本音では語れない」という現実があります。つまり、嘘が求められており、言いまわしを変えて別の視点から語ることが必要になります。

その代表例が次の2つです。

  • ネガティブな退職(転職)理由
  • 内容の薄い志望動機

面接官も含めて、退職理由の本音は「会社に対する不平・不満であること」は分かっています。というか、不平・不満があるから転職するんですから当然のことです。ただ、それを「本音で語るのはご法度」という変な世界で成り立っています。

例えば、「仕事が辛い(残業が多い)」「人間関係に問題があった」「上司・経営者の考えに納得できない」「給料が低い」「仕事にやりがいがない」「社風が合わない」などが当てはまります。

これらの理由を素直に本音で語ると、まず間違いなく不採用となります。何故なら、これらの事象はどんな会社でも起こり得ることであり、「また同じ理由で辞めるのではないか」と疑われてしまうからです。

実は、採用側は「退職理由」に素晴らしい回答なんて求めていません。どういうことかと言うと、「転職者の本音は不平・不満であるが、皆がそれを隠している」ということを知っているからです。

要するに、退職理由というのは「良い人を選ぶための質問」ではなく、「不採用にする人を炙り出すための質問」なんですね。そう、不平・不満をそのまま伝えてくるような「社会人としての認識の甘い人」を炙り出すためです。

つまり、退職理由には「言いまわしを変えてネガティブさを排除し、いかに相手を納得させられるか」が求められており、ある意味「嘘(建前)」で答えざるを得ないのです。

驚き

次に志望動機に関して考えてみましょう。

実際の話、志望動機の「本音」って以下のようなものではないでしょうか。

  • 求人情報から何となく興味が沸いた
  • 企業のHPを見て良さそうな会社だと感じた
  • 有名な会社だった
  • 給料が良かった
  • 福利厚生が充実していた
  • しっかりと休みが取れそうな会社だった

知名度の高い企業ならともかく、そうでない企業については情報量も限られます。また、会社なんてものは、実際に入社して働いてみないことには、その実態を正確に掴むことはできません。つまり、この程度でしか判断しようがないというのがホントのところです。

でも、素直にこれらの本音を語ると不採用になります。心底意味が分かりませんが、こんな世界で成り立っているので、ここにも「嘘(建前)」が求められます。

企業は「なぜ、同じような会社が多くあるにも関わらず当社なのか?」を知りたいと思っているので、応募者は「その会社でなければならない理由」を準備しなければなりません。たとえ、本当はそんなもの無かったとしてもです。

志望動機は、企業研究の成果を「その会社でなければならない理由」として伝えることがカギとなります。

  • 応募者は本当に自社に入りたいのか?
  • 応募者は本当に自社に興味があるのか?

企業は、この点を見極めようとしているんですね。そして、「本当に自社に興味があり、入社を強く望んでいるのなら、しっかりと企業研究しているはずだ!」くらいに考えています。

また、退職理由との連動も意識しておきましょう。「前職には〇〇がないから転職を決意した。そして、御社には〇〇があるから志望した」という連動があれば、話す内容に説得力が増します。

ここで語る内容に「嘘(建前)」が混じっても問題はないので、上手く作り込むことが大切です。

 


 

印象アップを図る嘘(盛り)もOK

印象アップを図る嘘とはどういったものか、ここでは分かり易い営業職を取り上げて説明します。

<本当の営業実績>
A「私は〇〇という手法を用いて成果を上げ、営業成績で社内5位となりました。」
 
B「〇〇という工夫が功を奏し、1年目は目標比103%、2年目は目標比99%、3年目は目標比101%、トータルで目標比101%となり何とか目標をクリアできました。」
 
<少し盛った嘘の営業成績>
A「私は〇〇という手法を用いて成果を上げ、営業成績で社内ベスト3に入りました。」
 
B「〇〇という工夫が功を奏し、全ての年度で目標をクリアし、入社からのトータル達成率は105%となりました。」

 
このように「実際にできることに対して印象アップのために盛るのはOK」だということです。但し、真偽を疑われかねない盛り過ぎはいけません。

また、重要なのは数値(実績)そのものではなく「プロセス」と「再現性」です。つまり、面接では「御社でも同様のプロセスで、同レベルの結果が出せます」ということを伝える必要があります。

この点は「職務経歴書(面接)での実績に関する嘘」ページにて詳しく解説しています。

 


 

付いてはいけない嘘

次に、「付いてはいけない嘘」についてですが、それは「0を1にする嘘(業務に直結する嘘)」のことを指します。

たとえば、「本当はできないのにできる!」とか「本当は未経験なのに経験あり!」という嘘です。

面接官:「あなたは〇〇の経験をお持ちですか?」
 
応募者の心の中:「経験がないと答えると不採用になりそうだし、まぁ、嘘を付いても何とかなるだろう。」
 
応募者:「はい、経験あります!」

 
この嘘はいけないということです。

何故なら、仮に採用となった場合、それができることを前提に配属されるからです。

そして、配属先も「〇〇ができる人が入社してくる!」と期待して待っています。それなのに実際にやってみるとできない…。周りからどんな目で見られることになるのか、想像するまでもありませんよね。

つまり、「0を1にする嘘」は結果的に自身に大きな負担となって返ってくるということです。

キャリアアップを目指す転職では特に注意すべきかもしれません。「自分の能力以上のことが求められ、結局は対応できずに辞めることになった…」 これは、自分を良く見せようと売り込み過ぎて失敗するパターンです。

こうなっては転職した意味がありませんし、採用してくれた企業にも損失を与えることになります。つまり、誰も得をしない「嘘」ということですね。

内定獲得のために「少しでも自分を良く見せたい」という気持ちは分かります。でも、入社後に充実した気持ちで働くことの方が重要なはずです。だから、業務に直結するスキルなどは、等身大の自分で勝負しましょう。

目先の内定獲得だけを目的とする「0を1にする嘘」はいけません!

仮に、能力不足と感じる部分を指摘された時は、素直に認め、必要な能力は「業務や自己学習を通して早急に習得すること」をアピールすればOKです。

付いていい嘘。
付いてはいけない嘘。

これをしっかりと見極め、適切なアピールをすることが内定獲得への近道です。

<参考情報>
面接で「経験の有無」を問われた際の回答ポイントを解説したページもご用意しています。経験なしの場合の答え方にも言及していますので、参考までにご覧いただければと思います。
 
⇒ 「転職面接”〇〇の経験はありますか?”の回答ポイントとOK・NG例文
 

 


 


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