転職で「事務職」を志す場合、面接でその理由を問われることがあります。
特に、職種転換で未経験から事務職を目指す場合にはそれが顕著です。
- なぜ、事務職を志すのでしょうか?
- あなたにとって事務職の魅力とは何ですか?
- 事務職は未経験のようですが、なぜ事務職を志望するのでしょうか?
この質問は「事務職の志望動機」と言えるもので、回答如何が合否に大きく影響します。
企業側の質問意図&回答例から、適切な回答を導き出しましょう。
企業側の本音 ~ここが知りたいポイント~
適切な回答を準備するため、まずは企業の「質問意図」を把握しておきましょう。
質問意図
- 甘い考えや消去法で事務職を選んでいないか探っている
- 事務職の仕事を理解しているのか探っている
- 当社の事務職を把握しているのか探っている
あなたが今回の転職で「事務職」を志す理由は何でしょう?
建前ではありません、本音の部分です。
- 事務職は楽そう
- 残業が無くて定時で上がれそう
- 休みが取りやすそう
- 売上やノルマに追われなくて済みそう
本音の部分に、この種の理由が隠れていないでしょうか?
別にそれが悪いと言っている訳ではありません。本音の志望理由がここにあってもイイんです。
でも、企業側も知っているんですね、この種の理由や、他の職種は向いていないなどの「消去法」で志望する人が多いことを!
だから、甘い考えを持っている人を炙り出すために問うのです。
ゆえに、「本音が見え隠れする回答」は避けなければならず、事務職という仕事をしっかりと理解した上での回答が求められます。
また、事務職は企業によって業務範囲が大きく異なるので、「当社の事務職の業務範囲を把握しているか」も探っています。
そのため、事前の企業研究は欠かせません!
応募企業の事務職の「業務範囲」を正しく把握し、その理解度と志望意欲を回答として伝える必要があります。
NG回答例
実際の面接の場でよくある「NG回答」についていくつかご紹介しておきます。
NG例①
社内の様々な人と接することができるのが、事務職の魅力です。
NG例②
私は表に出ることが得意ではないので、裏方として会社を支える事務職が向いていると思い志望しました。
NG例③
私は人を引っ張っていくタイプではなく、与えられた業務を地道にこなすタイプです。事務職は地道さが必要だと思いますので、この共通点が事務職を志望した理由です。
全てに共通して、職種研究・企業研究の甘さが露呈する回答です。
応募企業の事務職だからという要素が一切なく、どんな会社でも通用する内容であるために「説得力」のかけらもありません。
また、②③の回答は以下のことを連想させるので避けなければなりません。
- 消去法での選択
- 業務に対する受け身の姿勢
- 消極性
事務職だからといって「単に言われたことだけをやる」という受け身の姿勢は論外です。
OK回答例
OK例文から、回答のポイントを探りましょう。
OK例
私の考える事務職の魅力は、縁の下の力持ちとして、会社の運営に貢献できるという点です。また、いかにスピーディに処理していくかという効率化を考えるのが好きで、自分一人の業務範囲でも業務フローの見直しに取り組んでいけるのも魅力です。
御社の事務職では大量の顧客データを処理していく必要があると聞いております。まずはその中できちんと業務を覚え、後々はITやソフトを駆使して業務改善にも取り組んでいければと考えています。
事務職の魅力を非常に分かり易く語ることができています。
また、「自分の得意分野が応募企業の事務でも活かせること」「応募企業の事務職を理解していること」「業務に対する積極性」もまとめてアピールできています。
この構成であれば、評価を落とすことはないはずです。
回答ポイント
- 事務職の志望動機(魅力・選んだ理由)を分かり易く語る
- 応募企業の事務職として活かせる経験・強みをアピールとして盛り込む
- 業務に対する積極性(貢献)をアピールする
企業研究にも限界があるので、会社内部の仕事内容を詳細に見出すのは難しく、ありがちな回答に頼らざるを得ない面があるのは否めません。
しかし、これは逆にチャンスでもあります。
適切な回答が準備できれば、他の候補者と大きく差別化できる!
要するに、あなたの評価を高める可能性を秘めた良問なんですね。
非常に難しい質問ですが、上記のポイントを満たした回答に近づくよう努力しましょう。