高校生の段階で「将来は幼稚園の先生になりたい!」という希望を抱いている人は本当に素晴らしいと思います。志望するのが早ければ早いほど実現の可能性は高まり、進路も複数の中から検討することができます。
ここでは、幼稚園教諭になるための高校卒業からの進路を3つご紹介します。(取得可能な免許の種類やメリット・デメリットにも言及しています) 現在のあなたの気持ち、将来の展望などを考慮して、自身に最適な進路を見つけて頂きたいと思います。
なお、高校卒業後は、専門学校・短大・大学(大学院)のいずれかに進んで「幼稚園教諭免許状(国家資格)」の取得を目指すことになるのですが、全て「幼稚園教諭養成課程のある学校」が条件となります。
進路➀ 専門学校(2年)卒業コース
卒業と同時に「無試験」で「幼稚園教諭二種免許状」が取得できます。
- <入学難易度>
- 易
- <メリット>
- 幼稚園教諭になるための学習(現場で役立つ内容)に特化しているため、採用後もスムーズに業務に入っていける。短大・4大と比較すると、学費を抑えることができる。2年という短期間で免許が取得できるため、一早く現場に出て実践を積むことができる。
- <デメリット>
- 一種免許所持者と比較すると給料(初任給)が低い。幼稚園教諭以外の一般職を志望する必要が生じた際、就職活動の難易度が高まる可能性がある(潰しが利きいにくい)。 昇進に限度があり「園長」にはなれない。
専門学校は、幼稚園の先生になることだけを考えると、最適な進路(低コスト・短期間・専門学習・就職有利)だと言えます。
専門学校卒業で取得できるのは「二種免許」なので、4大卒の一種免許所持者に比べると給料(初任給)が安く設定されています。もちろん、仕事する上で「給料」は無視できない要素ですが、この要素が「就職に有利(採用されやすい)」というメリットにもなります。
雇用側(幼稚園)はコストを抑える為、一種所持者よりも二種所持者を優先して採用する傾向があるためです。
進路➁ 短大(2年)卒業コース
卒業と同時に「無試験」で「幼稚園教諭二種免許状」が取得できます。
- <入学難易度>
- 中
- <メリット>
- 専門学校と比較すると、一般教養も高めることができる。4大と比較すると学費を大幅に抑えることができる。2年という短期間で免許が取得できるため、一早く現場でに出て実践を積むことができる。
- <デメリット>
- 一種免許所持者と比較すると給料(初任給)が低い。卒業単位を取得するため、幼稚園教諭に直接関係のない学習にも時間を割く必要がある。昇進に限度があり「園長」にはなれない。
専門学校と同様に2年で二種免許を取得できる進路で、幼稚園の先生になることを考えた場合、両者の間に違いはほとんどありません。就職しやすい(採用されやすい)のも同じです。
ただ、専門学校よりも入学難易度が高いため、社会的な印象は少し高いかもしれません。これが、採用過程や今後の人生でプラスになることがあるかもしれません。
進路➂ 大学(4年)卒業コース
卒業と同時に「無試験」で「幼稚園教諭一種免許状」が取得できます。
- <入学難易度>
- 中~大
- <メリット>
- 短大以上に幅広く一般教養を身に付けることができる。二種所持者よりも給料(初任給)が高い。幼稚園の先生以外の職に就きたくなった場合、4大卒であることで選択肢が広がり、有利に就職活動を進められる。潰しが利きやすい。昇進に限度がなく「園長」にもなれる
- <デメリット>
- 免許を取得するまでに4年かかり、現場に出るのが遅くなる。専門・短大と比較すると学費がかさむ。卒業単位を取得するため、幼稚園教諭に直接関係のない学習に多くの時間を割く必要がある。採用活動において、二種所持者と同等の人物とみなされた場合、勝てない。
最短で一種免許が取得できる進路です。
この進路は、幼稚園教諭になるまで(採用されるまで)にデメリットが集中しているので、はっきり言って、入ってしまえばこっちの勝ちです。二種に負ける要素はなく、給料、将来性、全ての面で安心です。
4年生大学に通わせてもらうことができ、働き始めるのに急ぐ必要も無ければ「一種」を取得しておいて損はありません。但し、就職活動では、給料が低く需要の高い「二種所持者」と戦う必要があることを頭に入れておいて下さい。
なお、大学院まで進むと「幼稚園教諭専修免許」というものが取得できるのですが、4大卒と比較して大きなメリットがあるわけではないので割愛させていただきます。
なお、幼稚園の先生は「一種免許」でも「二種免許」でも、実際の職場(幼稚園)で行う業務に全く違いはありません。そして、種類による優劣もありません。 あなたの「現在の状況」や「将来設計」を踏まえた上で決めていただければと思います。
幼稚園教諭としていつまで働きたいのか、将来どうなりたいのか、それを考えることで、「どちらが適切なのか」が自然と見えてくるのではないでしょうか。