いきなりですが、あなたはこの数字を見てどう感じるでしょうか?
- 転職して正解だった10%
- どちらとも言えない50%
- 転職して失敗だった40%
恐らく、この数値を見てしまうと転職に対して良い印象は抱かないと思います。当然ですよね、10人に1人しか「転職して正解だった」と感じていないわけですから。実は、このような残念な結果になってしまうのには理由があります。
転職に対して期待を抱きすぎている!
冒頭の数値は、転職の厳しい現実を把握せず、淡い期待だけで転職に臨んでしまっている結果なんですね。要するに、期待に対して結果が下回っているということです。
そこで、ここではあまり語られることのない「転職の"厳しい"現実」をお伝えします。
- あなたが望む理想の会社は存在しない!
- あなたが入社する会社は、他の誰かが不満を持って辞めた会社である!
- 転職してもやることは結局「仕事」である!
この厳しい現実をしっかりと受け止めて転職に臨みましょう。
1.あなたが望む理想の会社は存在しない
基本的に転職は「現職の不満」を改善することを目的に行うものだと思います。
ここに、一つの固定観念が存在します。
転職して会社を変えれば不満が改善されて上手くいく!
あなたは転職をこんな風に捉えてはいないでしょうか? ほんの少しでもこんな考えでいるのなら危険です。何故なら、現実はそんなに甘くはないからです。
- 転職して会社を変えても、同じ不満が発生する可能性がある!
- 転職前よりも状況が悪化する可能性がある!
- 今の不満が解消されても、別の不満が発生する可能性がある!
これが転職の常であり、「今の会社の良いところを残しつつ、あなたの不満だけが解消される!」と都合良く事が進むことはほぼありません。この現実を理解せず、淡い期待だけを抱いて転職するから、結果として「どちらとも言えない」「失敗だった」となってしまうんですね。
世の中に完璧な会社は存在しませんし、会社は個人の為にあるわけではないので、どんな会社に入ろうが「何かしら自分の意にそぐわないところ」が存在します。要は、誰もが望むような理想の会社は存在しないということです。
これは当たり前のことなんですが、転職後の明るい未来を想像している時には、見えなくなっている現実なんですね。転職を考えるくらいの不満を抱いている時は、他の会社が何倍も良く見えますし、現職の良い部分が見えなくなっています。
2.あなたが入社する会社は誰かが不満を持って辞めた会社である
何故、企業は中途採用を行っているんでしょう?
それは、人手が不足しているからです!
何故、人手が不足しているんでしょう?
それは、人が辞めたからです!
何故、人が辞めたんでしょう?
それは、会社に不満があったからです!
この循環で成り立っているのが転職市場であって、求人が途切れない理由です。
そのため、あなたが転職して入社する会社は、極めて高い確率で「赤の他人が不満を持って辞めた会社」であるわけです。
もちろん、事業拡大に伴う増員などで求人を打つケースもありますが、このような企業は極わずかです。今の日本社会で「目覚ましい成長を遂げている会社」なんてのはほとんど見受けられませんからね。
これが事実であることは、自分のケースを考えれば簡単に分かります。
- あなたは不満を解消するために転職します
- あなたが辞めた会社は人員が減ったので求人を出します
- あなたが辞めた会社にはあなたの変わりに別の誰かが入ってきます
そう、あなたが不満を持って辞めた会社に、あなたの代わりに誰かが入ってくるんです。そして、この同じパターンをあなたもやるのが転職です。この転職の現実を理解している人が少ないように思います。
要するに、あなたが転職して入社する会社は「人が辞めるような要素を持っている確率が高い」ということなんです。
だから、求人を探す時には「何故、この会社は求人を募っているのだろう?」をしっかりと探る必要があります。「人が辞める何か」があなたにとっても避けたいものならば、その会社を候補から外さないといけません。
3.転職してもやることは結局「仕事」である
基本的に「仕事をしてお金を稼ぐ」というのは総じて楽なことではないので、転職してどんな会社や職種を選んでも、そこには「仕事であるが故の大変さ」が必ず存在します。
転職するのならばこれもきっちりと把握しておきたいですね。
転職市場には「自分のやりたい仕事ができない」「やりたい仕事がある」などの理由で転職する人がいますが、やってみたら「思っていたものと違う」なんてことをよく耳にしますよね。これは、良いイメージや憧れだけを持って転職するからこその結果です。
どんな仕事であっても「仕事」としてやる以上は「目に見えない大変さ」「地味な作業(下積み)」「辛さ」が必ず存在します。表面的な「華やかさ」や「かっこよさ」だけではないということです。特に仕事に対して「楽しさ」「やりがい」「やりたい」などを求める場合は注意する必要があります。
もちろん、これらを求めることは間違いではないのですが、仕事である以上は「負の部分」も存在するということです。その負の部分も含めて「楽しさ」「やりがい」「やりたい」を実現するのであって、それだけを望んでも叶いません。
転職の厳しい現実にスポットを当ててお伝えしてきましたが、もちろん転職には良い部分も沢山あります。ただ、良い部分ばかりに目を向け、厳しい現実を見ないでいると、転職後に後悔する可能性が高まります。
転職とは「自分の意に反する部分も受け入れつつ、自分の望みを実現するものである!」と認識しておきましょう。
あなたが「転職して正解だった!」を手にできることを祈っています。