いきなりですが、一つの問いに答えて欲しいと思います。
何故あなたは「経理職」への転職を考えているのでしょうか?
面接で語るような表面的な理由は必要ありません。
あなたが心の中に秘めている、「自分だけが知る本当の転職理由」を考えて下さい。
- 仕事が楽そうだから
- 経理なら自分にもできそうだから
- 今までしてきたような仕事はしたくないから
- これまでの仕事で、今後もやっていくことに自信がないから
- 経理なら潰しが効きそうだから
心に秘めた本当の転職理由、実はこの種の類いのものではないですか?
もちろん、これがダメだと言っているのではありません。本音がこの種のものでもOKです。論点はここにありません。
ここでお伝えしたいのは、この種の理由で安易に「経理職」を志望しているとしたら、厳しい現実に直面する可能性が高いということです。
- 採用側も志望動機の本音を知っている
- 男性経理の需要は極めて少ない
- 経理は即戦力性が何よりも重要視される
- 昇給が難しく給料が一生横這い
詳しく見ていきましょう。
採用側も志望動機の「本音」を知っている
採用側は、男性で経理職を志望する人の大半が、前述のような「転職理由」を持っていることを知っています。
ゆえに、面接において「転職理由」や「志望動機」を相当に深く突っ込みます!
ここで、「採用側が納得する理由(動機)を語れない」or「当たり障りのない返答しかできない」となると、採用側の考えは以下のように推移します。
- あぁ、また同じような嘘の転職理由か
- どうせ、「楽そうだ」とかそんなのが本音だろう
- で、実務経験も無し
- 当然、不採用だな
この流れを踏んで撃沈する人が多いのが実態です。
あなたは、採用側を納得させられる「経理職を志望する理由」を持っていますか?
ただでさえ厳しい未経験男子、この点を満たせなければ、豊富な経験を持つ経験者に絶対に勝てません。
このように、男性の経理職への転職には、「企業からの見られ方による活動の難しさ」が存在するのです。
男性経理の「需要」は極めて少ない
転職の実現において、最も大切な要素をご存じでしょうか?
それは、需要です!
自身がいくら強く願っても、需要がない場所に到達することはできません。たとえ、仕事ができる人であったとしてもです。
で、男性経理はというと「極めて需要が少ない」というのが実際です。
事実、女性が経理を担当している企業が大多数で、この傾向は今でも根強く残っています。
求人の実態!
男女雇用機会均等法で「男性のみ」「女性のみ」という表現の募集ができないだけで、内実は「男性のみ」「女性のみ」という求人が山ほど存在している!
また、企業は会社内の男女比を調整するため、「経理には女性を配置したい」と考えていることも多いです。
男性比が高い会社(業界・職種)は特にそうですね。もっと言えば、「女性の雇用を確保するため」というニュアンスもあります。
つまり、しっかりと以下のことを認識しておかなければなりません。
男性で経理職を目指すことは、極めて小さな可能性を追い求めることを意味しており、困難極まりないものである!
極めて需要が少ない...。
これほどに転職の実現を阻む大きな壁は存在しません。
経理は「即戦力性」が何よりも重要視される
転職において「即戦力性が重視される」というのは一般常識ですが、業界・職種または年齢によってはある程度の「ポテンシャル」を加味してくれます。
しかし、経理は極めて即戦力性が重視される職種です!
- 会社に利益をもたらす職種ではないので、少人数運営が基本
- 中小企業であれば、1人ないし2人が一般的
- 大企業でも人数は最小限
そんな中で企業が中途採用を募る理由、それは「今いる人が辞めるから」or「急な欠員がでたから」です。
つまり、転職者には短期間の引継ぎ期間(1、2ヶ月程度)で全ての業務を覚え、主力の一人として活躍していくことが求められるのです!
場合によっては、超即戦力として欠員によって滞った業務を即担う必要があります。
だからこそ、経理の求人は「経験〇年以上」という条件が設定されていることが多く、これまでの経験がものを言うんですね。
この点に関して男女差はありませんが、「未経験者の転職が難しい職種である」という事実は認識しておく必要があります。
昇給が難しく給料が一生横這い
経理を目指している人なら大方把握していると思いますが、経理は昇給が難しく、給料がほぼ横這いであるのが基本です。
その理由は、前述した通り会社に利益をもたらす職種ではないからです。
<経理の年収推移>
データが示す通り、経験年数を重ねても年収がほぼ横這いであることが分かります。
- 年収は300万~400万で推移しており、平均年収も356万円と低い
- 中小企業に至っては、年収300万円未満の会社が大半を占める
経理は「月次処理」「決算処理」「給与計算」「経費処理」など、会社に関わるお金の流れを管理し、会社が会社として成り立つのを支える存在です。
もちろん、会社になくてはならない存在ですが、その会社の年次サイクルを一通り覚えれば、その後は同じことの繰り返しです。
※悪い言い方をすると、同じことの繰り返しなので、慣れれば惰性でもこなしていける職種だということ!
業績が不振(売上が上がっていない)でも、経理が怒られることはありませんよね?
もちろん、経理の仕事が楽だと言っているわけではありません。
ただ、会社の存続に大きく関わる営業部隊(主の売上を立てる存在の人たち)よりは楽であり、求められるものが少ないのは確かです。
だからこそ、一般職に分類され、給料がほぼ横這いなんですね。
で、あなたは男性です。
どんな未来を描いていますか?
- 将来的に結婚したい!
- 車も家も欲しい!
- 子供も欲しい!
- 子供には思い通りの人生を送らせてあげたい!
- 旅行にも行きたい!
- 趣味に没頭したい!
- 人生を謳歌したい!
これ、実現できるかどうかは「どれだけ稼ぐか」にかかっています。
結婚なんかは特にそうですが、あなたが家計を支える存在にならなければなりません。子供を持ちたいと考えているのなら尚更です。
でも、給料が横這いの経理という職種を選ぼうとしている...。
今現在の経理志望、未来を見据えた上での選択ですか?
将来、結婚して「給料が少ないから」という理由で、再転職の道に進む可能性はないですか?
転職しなければ今頃は...と後悔する可能性はありませんか?
経理職を志望する男性には、これらの疑問にしっかりと向き合って欲しいのです。
結局、仕事の目的は「お金を稼ぐこと」にあります。そして、仕事で得たお金で人生を設計していきます。当然、稼ぎが大きければ、より多くのことを実現できます。
もちろんお金だけが全てではありませんが、お金は大事です。
以上の事実を加味して、本当に経理を目指すかを考えて欲しいと思います。
経理関連情報!
転職面接「経理職の志望理由」の回答例と質問意図
続きを見る