昨今、30代・40代で転職に臨む人が増えています。もちろん、この年代で転職することに問題はないですし、今後も長く続く社会人生活を充実させるためには必要なことだとも言えます。
但し、この年代の転職が厳しいことは周知の事実であり、失敗につながりやすいのも事実です。年齢的にも失敗が許されない転職になるので、「何故、30代・40代の転職は難しいのか!?」という部分を理解して活動に臨む必要があります。
転職市場を甘く見ている!
この年代の、転職活動で苦戦する人の共通点、それは自身の市場価値を理解していないということにあります。転職に失敗する人の大半は、転職市場を甘く見ているのです。
例えば、「大手有名企業に長年勤めていたから、転職先なんてすぐに見つかるだろう」などと高を括って臨むも、前職の企業規模と当人のスキル・能力は全く持って別の話。このような勘違いから条件面でも譲歩せず、決まるものも決まらないのです。
また、20代に比べると圧倒的に求人数は少なく、選択肢も限られます。もちろん、企業は30代・40代が持つ経験やスキルに注目しており、エージェントなどを介して多くの企業が求人を募っています。ただ、総じて競争率は高く、低スペックでは勝ち抜くのが難しいのです。
この現実を理解していないから、甘い認識で活動に臨んで撃沈する人が多い...
はっきり言って、20代と同等レベルのスペックでは勝負になりません。何故なら、企業は応募者のレベルが同等であれば、極めて高い確率で「若い人」を採用するからです。その為、30代・40代で転職に臨むのならば、「自分は20代の若年層では持ちえない経験・スキルを有しているのか?」という問いに真剣に向き合う必要があります。
この問いにYESと回答できないのであれば、「厳しい戦いになる可能性が高い」「多少なりとも条件を軟化させる必要がある」ということです。雇う側というのは、社会人経験が長いだけの30代・40代は求めていません。これが転職市場の現実ですから、甘い認識で臨むのは避けましょう。
転職市場は想像以上に冷たく、冷静ですから...
自分の市場価値はそれほど高くはない!
そもそも、市場価値が高い人は、転職活動前から声がかかっていたり、職業紹介所にアプローチしたら、ひっきりなしに求人紹介されるなど、最初から勝負はついています。そこまで高スペックでなくても、短期間で成果を出す人は、自身の市場価値をきちんと把握しているのです。
自身の価値を客観的に把握できていないと、応募するべきターゲット企業(内定を勝ち得る企業)がズレていたり、前職の好条件にこだわり続けてしまいます。これでは不採用が続き、活動期間がいたずらに長くなってしまいます。これが退職後の転職活動だとすると、失業期間が長期化し、更に活動を困難にしていくのです。
転職活動に臨むにあたって自信を持つことは大切ですが、過信は絶対に禁物です!
また、30代・40代で転職に臨むのであれば、リスクヘッジとして「今の職場で働きながら」という活動方法を強くオススメします。失敗できない年代であるからこそ、「転職しない(現職に留まる)」という選択肢を残しておくことが重要なのです。
30代・40代の転職を失敗に導く勘違い
30代・40代の転職を失敗に導く「勘違い」をいくつかご紹介しておきます。
転職者の勘違い | 企業の視点 |
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大手企業(一部上場・人気企業)出身だから、中小企業ならすぐに決まるはずだ。 | 大手企業に勤めていようが、選考には全く関係がない。重要なのは「当社で戦力となるかどうか」の一点のみ。前職の企業に優越感を抱いているような人材はいらない。 |
一流大学を卒業しているから、学歴で劣る人よりも評価されるはずだ。 | 30代・40代に求めるものは、過去の仕事で培った経験・スキルであって、大学という遠い過去の栄光にしがみついている人は論外。 |
前職で大きな成果を出したので、転職市場では引く手あまたのはずだ。 | 会社や部署の功績を、さも自分1人の実績のように語る人は信用できない。「どんな方法で成果を出し、それを当社で実現できるのかどうか」が焦点。 |
前職では課長まで勤めたので、他の候補者よりも評価されるはずだ。 | 企業によっては単なる当て職の可能性もあるので、「役職持ち = 仕事ができる」とは単純に考えない。ここは「どんなマネジメントを実施し、どんな成果を出してきたのか」が重要。 |
前職では〇〇円もらっていたから、転職先でも同等以上もらえるはずだ。 | ご都合主義の一方的な希望は考慮しない。それだけ出す価値があるかどうかは、当社の判断となる。 |
前職では〇〇制度があったので、転職先でも同程度の福利厚生が用意されるはずだ。 | 希望するのは自由だが、特定の人だけに特別待遇は用意できない。仕事(当社への貢献意欲)よりも条件から入る人は評価できない。 |