ひとつの会社にどれくらい在籍すれば転職しても良いのか?
はっきり言って、これに決められた年数や期間はありません。巷では「最低3年は働くべき」「5、6年働いた20代後半がベスト」なんて言われ方をします。もちろん、入社1年で辞めるよりは、3年働いた方が企業に対する見え方がいいのは確かで、需要の面から見ても間違った考えではありません。
ただ、ここで勘違いしてはけいないのは、企業というのは「〇年の業務経験を持つ人」を採用したいわけではないということです。あくまでも、「採用することで自社に利益をもたらしてくれる優秀な人材」を採用したいのです。
つまり、3年継続して働こうが、5年継続して働こうが、その年数相応の経験・スキルを積んでいなければ「仕事のできない人物」と認識されて終わりなわけです。だから、「転職したいけど、短期間で辞めると良くないので嫌々でも3年働こう」という気持ちで、ダラダラと何の成果も残さず働き続けても意味はないのです。
企業が応募条件に掲げる「◇◇の業務経験3年以上」というのは、「◇◇の業務経験が3年以上あれば習得しているであろう経験やスキルを持っている人」という意味です。つまり、2年でそれを達成している人は採用候補となりますし、4年の業務経験があってもそれを達成していない人は候補外です。
何年働けば転職しても良い、〇年働けば転職が上手くいく、こんな法則はどこにもありません。
転職するタイミングは年数ではなく、仕事をやり切ったかどうか!
転職する理想のタイミングとは、あくまでも「任された職務をやり遂げたかどうか」で決まります。
それは3年かもしれまんせんし、5年かもしれませんし、7年かもしれません。転職では、期間というよりも、その期間中に何をやり遂げたのか、という中身が問われるのです。勤続年数が長いほうが良いと思われがちですが、長ければ長い程、それ相応のものが問われるのです。
- A「勤続4年、対象期間で成し遂げられるであろう実績をしっかりと残し、経験から得られるスキルを自分のものとして確立している人」
- B「勤続6年、対象期間で成し遂げられるであろう実績もなく、ただ何となく働いてきた印象の人」
- C「勤続6年、勤続3年で達成できるような実績しか持たない人」
極端な例ですが、この場合、企業は100%「A」を採用します。
何故なら、これが「応募者の中から最も仕事のできる人材(会社に最も多くの利益をもたらす人材)を採る」という採用の本質だからです。企業は、応募者の中からNo.1を採用します。このNo.1は、継続して働いた期間ではなく、仕事力のNo.1のことです。そして、仕事力は働いていた期間中に何をやり遂げたのかで探られます。
あなたは、担当職務について「ミッションクリア」しているでしょうか。転職の面接で「私は〇〇をクリアしてきました」と自信を持ってアピールできるでしょうか。企業側に「この期間でこれだけ成し遂げて来たなら問題ないだろう」と思わせることができるでしょうか。
与えられた職務を全うすることもなく、「会社が悪い」「環境が悪い」「上司が悪い」「条件が悪い」「やりがいがない」など、責任を他者に押し付けて職務を途中放棄していないでしょうか。こんな状態で転職に臨んで何をアピールするんでしょう。しっかりと経験・スキルを積んできた内定を争うライバルに勝てるのでしょうか。
このことをしっかりと考えて欲しいと思います。
転職に臨むのであれば、〇年継続して働いてきたかどうかよりも、仕事のひと山をやり遂げているか否かの事実こそ重要なのです。