仕事をしている誰もが一度は頭によぎるのが「転職」ではないでしょうか。どんな会社にも何かしらの不満は付き物ですし、10年先、20年先を考えると「この会社に居続けてもいいのだろうか?」なんてことも頭に浮かびます。
そんなこんなで、最終的には「転職に踏み切る人」「今の会社に留まる人」に分かれるわけですが、双方にメリット・デメリットがあり、正解もありません。
だからこそ迷うんだと思います。
そこで、転職するべきかどうかを迷っているあなたに、条件や転職理由別に一つの考え方をお伝えします。もちろん、ここでお伝えすることが正しいとは限りません。あなたの迷いを吹っ切る「ヒント」として一読下さればと思います。
転職ちょっと待った!と言いたい条件
転職することは個人の自由ですが、安易にその道に進むことは避けた方が良いでしょう。転職が頭に浮かんでも「転職しない」という選択をすることも時には重要です。
仮にあなたが以下の条件に当てはまるのならば、特に慎重に動いて欲しいと思います。
- 特にこれといって不満のない会社で働いている
- 人間関係が良好な会社で働いている
- 定時で帰れる仕事をしている
- 転職のリスクを受け入れる覚悟がない
今の会社に不満はないが、やりがいを感じない、何となく違う仕事をしてみたい。こんな理由で転職するのは非常に勿体ないですね。そもそも「やりがい」なんてものは自分の考え方次第であり、会社から与えられるものではありません。異なる仕事をしてみたいという気持ちも分かりますが、仕事としてやる以上は何であっとも同じことが多いです。ですから、このような理由で不満のない会社を辞めることは再考の余地ありです。
人間関係が良好なことは何よりも素晴らしい要素です。どんなに給料が高く、自分のやりたいことができる会社に入ったとしても、人間関係が悪ければ、そこには「苦痛」が伴います。今あなたが働いている環境はとても素晴らしい!この事実を頭に入れておきましょう。転職すればその素晴らしい要素を失うリスクがあります。
定時に帰れる仕事や時間的負担の少ない仕事も手に入れ難い要素です。それによって給料が少ないことが転職理由かもしれませんが、今の時代であれば、転職ではなく「副業」で収入を増やす方法もあります。定時で帰れるのなら時間に余裕がありますよね。その時間を有効に使うことも一つの手段です。転職だけが選択肢ではありません。
転職にはリスクが伴います。望み通りの会社に入れる保証もなければ、会社には「入ってみないと分からない」といったギャンブル的要素があります。そのため、転職することで更に状況が悪化する、といったリスクも考えなければなりません。このリスクを受け入れる覚悟を持っていないのであれば、転職すべきではありません。
よく考えて欲しい転職理由
あなたの転職理由がここに該当するものであるならば、よく考えて決めて欲しいと思います。その転職理由というのが「どの会社でも起こり得る理由」や「改善可能な理由」で転職を考えている場合です。
- やりたい仕事ができない
- 給料が安い
- 残業が多い、休日が少ない
- 昇給や評価基準が不明確
- 上司や同僚との人間関係
- 会社の将来性が不安
- その他改善できる可能性がある理由
気持ちは分かります。でも、会社を変えてもあなたのやりたいことができるとは限りません。思いもよらない仕事を任されることもあります。また、今やりたい仕事ができていないのなら、会社や上司にそのことをアピールしましたか。今後、人事異動でやりたい仕事ができる可能性はありませんか。また、転職して望み通りの仕事ができたとしても、「思っていたものと違う」なんて話も良く聞きますよね。そうなったとしてもあなたは受け入れてやっていく覚悟がありますか。
これは立派な転職理由ですし、より上を目指すことは良いことです。また、本当に給料が安い会社が存在することも事実だと思います。その場合は給料UPを目指して転職しましょう。ただ、給料が安い原因が「自分の地位が低いから」または「実績を出してキャリアアップ(昇進)していないから」の場合は考えましょう。それは会社ではなくあなたの問題です。また、実績がない状態で給料をくれと言っても転職市場では通用しません。
これはその度合いによりますが、あきらかに異常な場合は転職を考慮しても良いのかもしれません。ただ、同じ業界ならば同じレベルであることは多いです。また、残業は多いけど残業代は支払われる。暦通りの休みの人に比べると休みは少ないが、週休2日は確保されている。こんな場合もよく考えましょう。そうでない会社も五万と存在します。
これが本当に整っているのは大企業の一部だけで、日本の会社はそれが曖昧な会社がほとんどです。本当にこの明確性を求めるのならば、営業や販売等の数値で判断してもらえる職種が良いでしょう。その実績でキャリアアップしていける仕事です。そうでない会社を選ぶならどこも変わらないでしょう。また、その不明確さを会社に伝えていますか。何をやれば昇給・昇進をできるか聞くことで、具体的な条件を提示してくれることもあります。今からの時代、自分から動いてアピールしないと昇給できないケースも多いです。
これも良くある転職理由なんですが、どの会社でも起こり得る代表格ですよね。世の中には本当に最悪な人間がいるのも事実ですが、その場合は周りに味方がいますよね。それでも耐えられませんか。また、どんな場所でも上手くやっていける人がいるのも事実ですから、実は環境ではなく自分に原因がある場合もあります。あなたは関係が悪い人をただ「嫌い」というだけで関係を悪化させていませんか。仕事ですから、好きな人だけと仕事ができる会社はありません。ただ、精神的に本当にきつい場合は動くべきですね。
これも転職理由で多いのですが、会社が潰れる恐れがあるということでしょうか。潰れる可能性のない会社なんて世の中に存在しません。また、小さい会社が不安であるのならば、自分が頑張って潰れないようにすることもできますよね。業界の将来性が心配ならば、これからは「医療・介護」の道に進むべきだと思います。なぜなら、人工知能が発達してもロボットができる仕事でないこと、これから訪れる高齢化社会を考えると将来性はぴか一だからです。あなたは20年後、30年後の将来性のある会社や業界の明確な基準を持っていますか。
改善できる可能性があるにも関わらず行動せずに転職に逃げてしまうと、転職先で同じことが起きた場合にまた転職が頭に浮かんでしまいます。実はこれ自分の成長を妨げる要因にもなりますし、転職を繰り返す悪循環にも繋がる恐れがあります。もし改善に向けて動けるのであれば、一度行動してみてからでも遅くはありません。
転職しても良いと思う条件
ここはもう転職する方向で良いのではと思う条件です。
- 理由は何であれ、もう耐えられない
- 何でも受け入れる覚悟を持っている
もし、一日でも早く今の会社を辞めたい。出勤するのも嫌。この会社に残るという選択肢は一切ない。3年後、5年後に今の会社で働いていることは想像できない。この様な思いを抱えて転職を考えているのなら、迷う必要はありません。転職しましょう。悩む時間やその間の人生が無駄です。転職は会社が変わるだけでなく、再出発のチャンスでもあります。行動することでしか変えられない現実もあります。
これが最も重要です。これさえきっちりと持っていれば問題ありません。転職のリスクや自分の思い通りにいかないこともあるということを受け入れる覚悟です。この覚悟を持って転職に臨めるならば、あなたにとって転職は必ずプラスになるでしょう。上記いづれかの転職理由に当てはまろうと、今回は逃げの転職であろうと、これさえ持っていれば大丈夫です。これを持っていない人が希望だけ抱いて転職するから後悔するんです。
ここで書いていることがあなたの参考になったかどうかは分かりませんが、最も避けるべきことは「後悔する選択をすること」です。ですから、後悔しそうな条件には厳しい現実を書かせていただきました。
もし、どうしても決めれない時は、未来思考で考えることも一つの方法です。私はいつも人生の選択で迷った時は「死ぬときに後悔しない道」を選ぶようにしています。自分が何十年か先に死ぬ間際、あの時こうしとけば良かったと思わない道です。それがリスクの伴う選択であろうとそうしています。
それが遠すぎるなら、3年後、5年後の自分を想像してでも良いと思います。この基準で選べば覚悟が決まります。どんな結果でも受け入れてプラスに転換できます。そうすれば後悔することはありません。
結局、転職の成功・失敗は自分の考え方次第です。
人生に関わることですから大いに悩んで後悔しない選択をしましょう。