転職の面接では「転勤」に関してあなたの考えを問われることがあります。
企業からすると、いざその必要が生じた時に「拒否」されると困るので、入社前の段階で確認するんですね。
- 転居を伴う転勤がありますが、問題ないでしょうか?
- 全国規模で転勤がありますが、何処にでも転勤可能でしょうか?
転勤可能であれば「問題ありません。何処にでも転勤できます!」の一言で終了ですが、そうでない場合の答え方が難しい...。
そこで、ここでは「転勤に関する質問」について、企業側の質問意図、NG・OK回答例を交えて詳しく解説していきます。
企業側の本音 ~ここが知りたいポイント~
適切な回答を準備するため、まずは企業の「質問意図」を把握しておきましょう。
質問意図
- 転勤が「可能」or「不可能」という明確な回答を求めている
- 転勤が不可能な場合、それが「応募者の単なる希望」なのか、それとも「やむを得ない事情」なのかを探っている
人事異動は社内活性化のために必要なことであり、戦略の一環でもあります。
ゆえに、転勤の可能性がある企業で「転勤できません」と回答すると、100%マイナス評価となります。
全国に事業所(店舗)を展開しているような企業は特にそうで、これが不採用の直接の原因にもなり得ます。
また、当該企業の既存社員は「転勤の覚悟」を持って働いているわけで、ある特定の人物だけを特別扱いするわけにはいきません。
そのため、「転勤できない人物は採用しない!」と一線を引いている企業も多いです。
理由の如何に関わらず「転勤できません」と回答することは、不採用の確率が格段に高くなる!
この事実はしっかりと理解しておかなければなりません。
これを前提に「できない」と答えるわけですから、それ相応の理由が必要なのは言うまでもりません。
- 生まれ育った地域を離れたくない
- 親元を離れたくない
- 友人・知り合いのいる場所で働きたい
これら応募者の単なる願望はまず受け入れられません。
企業は、「転勤できないやむを得ない事情を抱えており、それでも御社で働きたい!」という強い意志を持った人にだけ検討の余地を与えてくれます。
NG回答例
実際の面接でありがちな「NG回答」についていくつか取りあげておきます。
NG例①
問題ありません、転勤可能です。(嘘を付く)
内定を得たいがために「嘘を付く」というのは、社会人としてご法度です。
取りあえず内定を得て入社し、「実際に転勤命令が出てから考えれば問題ないだろう」という付け焼刃的な考えは、後々大きなトラブルになり兼ねません。
- 該当企業で働きたいのなら、転勤を覚悟する!
- 転勤が嫌なら諦める!
これしか選択肢はありません。
NG例②
〇〇近辺なら問題ありませんが、〇〇を離れるのは厳しいです。
NG例③
恐らく大丈夫です。今のところ問題ありません。
これら、「遠隔地は厳しい」「恐らく大丈夫」「今は問題ない」など、明確な理由のない曖昧な回答もNGです。
この質問の答えは「可能」or「不可能」の二択であり、曖昧さは許されていません。
OK回答例
OK例文から回答のポイントを探りましょう!
OK例
今は転勤が難しいというのが正直なところです。実は今、父親の介護を抱えており、家族総出で介護をしているのですが、長男の私は一番の責任者となっているからです。
ただ、来年には弟夫妻がこちらの地域に越してくる予定で、その際は「今まで頼っていた分、今後は自分が中心になって父親を診る」と言ってくれています。また、下の子も来春になれば保育園に預けられるようになり、妻の行動範囲が広がるために、介護施設への送り迎えを担当すると申し出てくれています。
そのため、今すぐは厳しいですが、来春以降であれば遠隔地に配属になっても単身赴任で働く心づもりでいます。
この例文は、「父親の介護」という不可避な理由があり、今は厳しいが先々であれば対応可能であるという主旨を上手く説明できています。
この内容であれば、「転勤できない理由」として納得してくれるはずです。
但し、このレベルの正当な理由があったとしても、企業によってはアウトです。それだけ、転勤が当たり前の企業で「転勤不可」を通すことは難しいことなんですね。
- 転勤不可の方向で回答する場合、採用側を納得させる理由が必要!
- 応募者の単なる願望など、明確な理由が伴わなければ、極めて高い確率で不採用となる!
- やむを得ない事情があったとしても、考慮してくれるかは企業による
厳しいですが、これが現実です。
この現実を考慮して適切な回答を準備しましょう。
正直、多くの人が「転勤を避けたい」との想いを持ちながら、収入を得るために受け入れているのが実情です。
ゆえに、正社員で働き続けたいのであれば、「勤務地は問わない」くらいの意気込みで臨むのが賢明かと思います。