転職を考えた時、「実際のところ、転職ってどうなの?」というのは気になりますよね。
転職する方が良いのか、それともしない方が良いのか...
この疑問に対して、転職を3度経験してきた私の見解をお伝えします。もちろん、私の見解が全て正しいわけではありませんが、一つの考え方として参考にして頂けたらと思います。
- 転職しても仕事の本質は変えられない
- 会社に全てを求めてはいけない
- 転職についてどう考えるかはあなた次第
- 転職の成功・失敗はすぐに判断できない
1.転職しても仕事の本質は変えられない
転職して計4社で働いた経験から得た「仕事」というものについての見解をお伝えしたいと思います。
仕事というのは、様々な経験や多くの人との出会いをもたらしてくれるので、自分自身の人間的な成長(自己形成)を促してくれる側面を持っています。そのため、転職することを選択した場合、その経験や新たな出会いがプラスに作用することは大いにあります。
逆に、社会の現実や厳しさを痛感する結果となるかもしれませんが、その経験をもプラスに捉えることができれば「人生においてマイナスになることはない」と私は考えます。
ただ、仕事というものが「お金を稼ぐこと」を目的としている以上、そこには必ず「辛さ」「プレッシャー」「我慢」「ストレス」が存在します。
私は大小様々な企業で働いてきましたが、これは全ての会社に共通していたことです。もちろん、会社によって程度にこそ違いはありますが、「お金を稼ぐことは決して楽ではない!」ということを学びました。
そして、転職しても「お金を稼ぐ為に仕事をする」という本質は変わらないので、「転職理由が仕事の本質を否定するような場合は上手くいかない可能性が高い!」と言えますね。
例えば、「仕事が辛いので辞めたい」「プレッシャーのない仕事がしたい」「ノンストレスで働きたい」「責任の薄い楽な仕事で十分な稼ぎを得たい」「疲れたので仕事を辞めて少し休みたい」といったものです。
転職してすぐの時期は、環境の変化による高揚感があったり、新人扱いで仕事が楽なので、一時的にそれが実現できたかのような錯覚に陥ります。でも、ある程度の時間が経過すると、仕事である以上その問題は再び現れます。
これが事実だからこそ、転職を繰り返す人が後を絶たないんですね。
「私はなぜ転職したいのだろう?」
これを自分自身の心に問うて下さい。周囲の人に伝えたり、面接で語る嘘の理由ではありません。自分だけが知っている本当の転職理由です。
もし、あなたの本当の転職理由が「仕事の本質を否定するもの」であるならば、それは熟考の余地があるかもしれません。何故なら、それは転職で変えられるものではないからです。
2.会社に全てを求めてはいけない
転職と会社の関係についての見解もお伝えしたいと思います。
転職すると「会社を変えること」になるわけですが、一つ知っておいて欲しいことがあります。それは「他人が作った会社で働くということは、自分の意にそぐわないところが必ず存在する」ということです。
会社は考え方が違う者同士が集まって仕事をしているので、必ずルールが存在します。そして、会社に所属している以上は、そのルールを守ることが求められます。たとえそれが自分の意に反したものであったとしてもです。
また、給料、労働環境、福利厚生などの条件面においても、全ての人が納得する会社は存在しません。
つまり、転職する上で理解しておかなければならないことは、「あなたの思いを全て実現してくれる会社は存在しない」ということです。今の会社で抱えている不満(転職理由)を解消してくれる会社は存在するでしょう。でも、そこには別の不満が発生する可能性が極めて高いです。
そのため、転職には「自分の望みを実現する代わりに、犠牲にするものがある!」との認識で臨まなければなりません。
転職を考え始めると大抵の人が、「理想の会社で心豊かに働いている未来」を想像します。もちろん、そこを目指して活動すべきなんですが、実際は想像と異なることが数多く発生します。
そして、それが想定外のことであったり、理想とかけ離れていると、転職が失敗だったと考えてしまいます。でも、決してそうではないんです。
想定外のことが起こる!
理想とかけ離れた現実が存在する!
これは当たり前のことであり、それが転職なんです。
今の会社の良いところは維持しつつ、不満だけが解消される...これが簡単に実現できるほど転職は甘くありません。これが簡単に実現できるならば、社会で働く全ての人が転職します。
この事実をしっかりと頭に入れておきましょう。
転職ってどうなのか知りたい。
転職するかどうかを迷っている。
そんなあなたに考えて欲しいこと!
それは、「あなたが転職して手に入れたいものは、今の会社の良い部分を犠牲にしてでも手に入れたいものなのか?」ということ。
これに「YES」と答えることができるのであれば、転職に踏み切っても良いのではないでしょうか。手に入れたいものが強く、リスクを受け入れる覚悟も持っているように思います。
逆に「YES」と答えることができないのであれば、転職を再考して下さい。転職に対する認識が甘い(幻想を抱いている)、またはリスクを受け入れる覚悟が足りない可能性があります。
3.転職についてどう考えるかはあなた次第
転職にはメリットとデメリットが存在し、個人の能力・キャリア・求める条件・選択する業界(職種)によって難易度も変化します。
そして、全力で転職活動に臨んだとしても、第一志望の会社に入社できるとは限りません。というか、できない可能性の方が高いです。でも、第二、第三志望だった会社が「入社してみると自分に合っていた」なんてこともあります。
転職によって自分の望みを実現できる人もいれば、実現できない人もいます。また、実現できても別の問題で頭を抱える人がいれば、実現できなくてもプラスに捉えて前向きに取り組んでいける人もいます。
これが転職なので、「転職ってどうなの?」という疑問の答えは、「あなた次第」としか言えないのがホントのところです。
ただ、以下のような傾向があることは確かです。
- プラス思考の人は成功に繋げることができる!
- マイナス思考の人は失敗だと感じる可能性が極めて高い!
- 現実をしっかりと把握できている人は、何が起きても動じることなくプラスに転換できる
- 転職に甘い幻想を抱いている人は、こんなはずじゃなかったと再転職の道に進む
転職のメリット・デメリット、成功・失敗は表裏一体ですから、転職の成否は「個人の思考によるところが大きい」というのが私の見解です。
4.転職の成功・失敗はすぐに判断できない
転職の結果(成功・失敗)が判断できるのは何年後、何十年後であって、すぐには分からない!
これも転職を経験してきて感じることですね。
私のケースを少し紹介させていただきますが、私は転職を繰り返して「最終的には決して良いとはいえない会社」にたどり着きました。
転職を3度、計4社で働き、経験してきた業界・職種もバラバラです。言わば、転職市場において全く価値のないキャリアを積んできたわけで、「失敗例の典型」のようなものです。
転職して第一志望の会社に入れたのは1回目だけで、2、3回目は望み通りの会社に入ることはできませんでした。
ただ、転職してきて心底良かったと感じています。何故なら、今、その経験を活かして個人で仕事ができているからです。これが実現できたのは4つの仕事で得た経験や学んだことがあったからこそです。
逆に、今、個人で仕事ができていなかったとしたら後悔しているはずです。何故なら、最終的にたどり着いた会社は決して良いとは言えない会社だったからです。恐らく、2、3回目の転職を悔いていたでしょう。
結局、転職の成功・失敗はすぐには判断できないのです。
転職して最初は良くても、何年後かに問題を抱えるかもしれません。転職して最初は悪くても、それを含めて頑張った結果、後に良かったと感じるかもしれません。転職の経験や新たな出会いが、別の人生を歩むきっかけになるかもしれません。
これが真なので、何事もすぐには判断せず、少し長い目で見て欲しいと思います。
最後に!
転職するかどうかを迷っている人にとっては、更に頭を抱える内容だったかもしれませんが、これが私が転職してきて感じる正直な見解です。
- 転職する・しないに正解はない!
- 転職するかどうかを決断するのはあなた自身!
- 転職の成功・失敗を決めるのもあなた自身!
- 転職を今後の人生にどう活かすかもあなた次第!
迷っているのなら、「将来的に後悔しない選択」をしてみてはどうでしょうか。あるいは、「死ぬ時に後悔しない選択はどちらか?」と考えてみても良いかもしれません。
また、その選択がもたらす結果を受け入れる覚悟を持ち、どんな結果がもたらされたとしても、将来的に良かったと思える方向に舵を切ることです。
あなたが後悔しない選択をして、将来的に良かったと思うことができれば、はっきり言って「転職する or 転職しない」なんてことは大した問題ではありません。