高校生の段階で「将来は保育士になりたい!」という希望を抱いている人は本当に素晴らしいと思います。志望するのが早いほどに実現の可能性は高まり、進路も複数の中から検討することができます。
ここでは、保育士になるための進路を3つご紹介しています。(各進路のメリット・デメリットにも言及しています) 現在のあなたの気持ち、将来の展望などを考慮して、自身に最適な進路を見つけて頂きたいと思います。
なお、高校卒業後は「専門学校」「短大」「大学(4年生)」のいずれかに進んで保育士資格の取得を目指すのが一般的です。
進路➀ 短大・専門学校(2年)コース
短大の「保育科」「幼児教育科」、専門学校の「保育士養成課程」を卒業するコースです。
- <難易度>
- 易
- <メリット>
- 卒業と同時に無試験で保育士資格を取得できる。4年制大学と比較すると、学費を低く抑えることができ、一早く保育士として働ける。短大の場合は一般教養も学ぶことが必要だが、専門学校の場合は保育士として働くための学習に特化しているため、現場にも馴染みやすい。
- <デメリット>
- 保育士以外の一般職に就く必要が生じた場合、4大卒と比較すると選択肢が制限される可能性があり、潰しが利きいにくい。(保育士として働き続ける場合は何ら問題はない。)
保育士として働くことに限定すると、最適な進路(低コスト・短期間・専門学習)だと言えます。
進路➁ 大学(4年)コース
4年制大学の社会福祉学部や生活関連学部の「幼児教育学科」「児童学科」「子ども学科」などを卒業するコースです。
- <難易度>
- 中
- <メリット>
- 卒業と同時に無試験で保育士資格を取得できる。短大・専門卒以上に幅広く一般教養を身に付けることができ、潰しも利きやすい。
- <デメリット>
- 資格取得までに4年かかり、現場に出るのが遅くなる。専門・短大と比較すると学費がかさむ。卒業単位を取得するため、保育士と直接関係のない学習にも多くの時間を割く必要がある。
保育士資格の取得だけに限って言えば、短大・専門卒と比較してメリットはありません。しかし、4大卒ということが将来の様々な事柄を有利に進めてくれる可能性があります。
4年制の大学に通わせてもらえる、働き出すことに急いでいない、というのであればこのコースを選択しておいて間違いはありません。
進路➂ 保育士試験受験コース
一般的な学部(保育士養成課程以外)に入学し、保育士試験を受けて資格取得を目指すコースです。
保育士資格試験を受けるためには、「4年制大学に2年以上在籍し62単位以上を取得」or「短大卒業」or「高校卒業後、児童福祉施設で2年以上かつ2880時間以上働く」のいずれかの条件をクリアする必要があります。
- <難易度>
- 中~大
- <メリット>
- 学業の途中で新たな希望が発生しても、進路変更が可能。保育士養成課程の卒業者と比較すると潰しが利きやすい。
- <デメリット>
- 試験に合格して資格を取得しなければならない。試験の合否によっては、資格取得までに時間を要し、保育士として働くまでに時間がかかる。
保育士関連の授業は一切ないため、全て自己学習によって教養を身に付ける必要があります。その意味で、資格取得の難易度は最も高くなります。日々の生活の中に「保育士資格取得への勉強時間」をしっかりと設け、継続して取り組める人でないと難しいのが実情です。
ただ、進路変更や潰しが利きやすいコースであるため、今の段階で「絶対に保育士として働きたい!」という強い意志を持てていない人にはお勧めです。