現職に不満があるのなら、転職して改善すべきだ!
このように考える人が多いかもしれませんが、それは大きな間違いです。現職で仕事を満足にやり切っていない人が転職すると、転職先でも同じ課題にぶち当たります。人はステージをクリアしなければ、更なる成長は見込めないのです。
現職で不満を改善する努力をせず、中途半端に課題から逃げる転職を繰り返している人は、いく先々で同じ仕事の壁、同様の悩みに突き当たります。そのため、転職しても何も変わりません。これに気付かず、同じ課題に直面し続けて仕事人生を終える人が少なくないのです。
- 上司や同僚との人間関係に悩み、転職したい・・・
- 負荷の高すぎる過剰なリーダー業務に耐えられない・・・
- 給料が安い、評価に納得いかない、将来性が、福利厚生が・・・
では、新たな転職先では、上司や同僚との間に人間関係の課題は起こらないのでしょうか?仮に起こったとしたら、自身のキャリアを壊してまで再度転職するのでしょうか?
では、新天地ではそうした負荷の高いリーダー業務や責任業務を与えられなくても良いのでしょうか?順々に襲ってくるプレッシャーに打ち勝って昇進していかないと、給料は一生横這いですが問題ないのでしょうか?
転職して何らかの不満を解決できたとしても、別の不満が発生することは大いにあります。あなたが求めているものは、別の何かを犠牲にしてでも手に入れたいものでしょうか?その覚悟を持っての転職でしょうか?
もちろん、今いる会社が誰の目で見ても「ブラック」で、常識を逸脱した業務を強いられているのかもしれません。中には、パワハラやセクハラが横行している企業、業務統制が崩壊している企業なんてのもあるかもしれません。それならば、転職で環境を変えることで大きく改善されるでしょう。
しかし、たとえ「評判の良い会社」「人気企業」「働きがいランキング上位の企業」であったとしても、職場内の環境がどんな人にとっても「バラダイス」なんてことは絶対にありません。ある意味、企業組織というものは、多かれ少なかれ何らかの課題を抱えているものです。
転職することだけが道ではありません。
現職に留まり、課題と向き合ってみる!
現職に留まり、不満を自らの力で変えるよう働きかけてみる!
ここにも社会人としての大きな成長の道があります。
あなたの転職はポジティブですか?
同じ職場で、同じ仕事をしていても、「やりがいを持って業務に励む人」と「嫌々仕事をしている人」が存在します。後者の一部の人が、「もっとやりがいのある仕事がしたい」と考え転職の道に進むわけですが、失敗する可能性が極めて高いです。
この両者の差は、仕事上の「軸・テーマの有無」「自責 or 他責」「やり切る力の有無」にあります。
ここで、「軸・テーマなし」「他責」「やり切る力なし」の人が踏み出す転職は、ネガティブ転職に当たります。前述した「嫌々仕事をしている人」もこのパターンに入ります。はっきり言って、この場合の転職はやめておいた方が良いでしょう。何故なら、この状態で転職しても、同じ理由やレベルでまた転職に逃げたくなるからです。
今やるべきことは、現職で頑張り切ることで「軸・テーマの発見」「自責への転換」「やり切った実績と自信の獲得」を果たすことです。転職はその次です。
逆に、現職でやれることを本当にやり切った人が踏み出す転職は、「軸・テーマ有」「自責」「やり切る力あり」のポジティブ転職です。「今の仕事でのチャレンジを十分にやり切り、役割は全て全うした自信がある。これ以上のチャンレンジが今の環境では望めないので転職へ」といったものです。
転職はステージアップのための有力な手段であり、自身の仕事上のテーマ・軸を極め、生涯キャリアを最大化するために有効な手段です。逆に言うと、そのため以外の転職はキャリアの面から見るとマイナスであり、仕事人生に有効に作用しないことが多いです。
転職する理由は千差万別、他人がどうこう言うことではありません。
ただ、何らかの不満があっとしても「転職することだけが道ではない」「今、転職することが正解なのか」ということを考えてもらいたいのです。一旦は現職に留まり、逃げずに徹底的にやり切ることの方が、今後の長い仕事人生においてプラスになるかもしれません。
あなたには、是非ともポジティブな転職をして欲しいと思います。