中小企業出身者は大手企業出身者に経歴で劣ると考えがちですが、実はそんな中小企業出身者にも「強み」があり、企業から高評価を得ているケースが多分にあります。
そのため、的確なアピールすることで企業規模に関係なく転職市場で戦うことができます。
ここでは、その中小企業出身者の「強み」と「弱み」に的を絞ってお伝えしていきます。この強みを効果的にアピールし、弱みを知って対策を練ることがあなたの転職を成功に導く為のカギとなるかもしれません。
中小企業出身者の強み
中小企業出身者の強みは、大手にはない環境だからこそ生まれる強みであり、その点をアピールすることで転職活動を有利に進めることができます。
- 幅広い業務経験が強みに
- 整った環境でないからこその創意工夫がプラスに
- 同年代の大手出身者にはない経験がプラスに
大企業と中小企業では人員数に大きな差があり、同じ業態であったとしても「業務の範囲」が大きく異なります。
大企業は業務が細分化され、個人が受け持つ範囲が限定的ですが、逆に中小企業は個人が広く業務を受け持たないと経営が成り立ちません。つまり、複数の業務を兼務していることも珍しくないわけです。そして、転職市場においては、この「幅広い経験」に対する需要が意外な程に高いのです。
たとえば「経理職」で言うと、入出金管理・請求書発行・伝票仕分け・決算業務・税務申告・予算管理など、大手なら複数のスタッフで分担している業務を、中小だと一人で担っていたりするわけです。
もちろん、大手と中小では規模が違うので、大手では一人で賄えないという面があるのですが、この広く業務をこなしてきた経験は大いにプラスとなります。採用側からしても多様な業務を任せることができるので、限定的な業務経験しかない人よりも採用しやすいのです。
次に、中小企業は大手と比較するとあらゆる面で環境的に「不利な状況」で働いていることが多いです。たとえば、「フォロー体制」「仕事のやり易さ」「利便性」が劣っていたりするわけです。
こんな状況下で創意工夫を行い、成果を出してきた経験は大きな価値となります。自然と「考えながら創意工夫して成果を出す」というスタンスが身に付いているんですね。この点に関しても大いにアピールできます。
また、中小企業は人員が少ないので、比較的若い時期からマネジメントを経験することになります。また、不利な環境化でのマネジメントは難易度も高くなる傾向にあります。
つまり、同年代の大手出身者では持ち得ない経験やスキルを持っていたりするわけです。規模が小さくても、「人」「物」「お金」「情報」いずれかを管理した経験には一定の価値があり、強いアピール材料として活用できます。
中小企業出身者の弱み
中小企業出身者の「弱み」に関しては、認識して対策することでプラマイゼロにできます。
- 大手企業出身者の強みがない可能性がある
- 無名企業の場合は詳しく伝えないと評価されない
まず、「大手企業だからこそ得ることができるもの」を持っていない可能性があるということです。これについては「転職における大手企業出身者のメリット・デメリット」で詳しく解説していますので、合わせてご覧下さい。
要は、大手と中小出身者のそれぞれの強み・弱みはの一部は逆転するということですね。ただ、これは企業の規模にもよりますし、無くても気にする要素ではありません。
次に、日本には400万社を超える企業が存在するのですが、その大部分が誰にも知られていない企業です。これは様々な企業の出身者と対峙する採用担当者であっても同じです。大手で有名な企業であれば、どんな会社でどんなサービスを提供しているかは想像できますが、逆の場合は想像できません。
つまり、職務経歴書に簡単な会社概要・事業内容・従業員数・売上高なども併せ記載して事細かに伝えないと、相手方に「あなたが何を経験し、何ができるのか」が伝わり辛いということです。
この点を疎かにすると、書類選考で弾かれる可能性が高まり、経験や実績について正当な評価を受けられない可能性も出てきます。ここは、応募書類を再度見返し、読み手にしっかりと自身の経験が伝わる文書になっているかを確認して下さい。
中小企業出身者の「強み」と「弱み」を見てきましたが、高い評価を得ることができる「強み」を持っていることが理解いただけたと思います。中小企業では当たり前に行っていた業務の幅や経験が、実は思いもよらぬ価値であったりするのです。
無名の中小企業出身だから...と卑屈になる必要は全くありません。
中小企業出身だからこそ得られた経験・スキルをアピールして転職を成功させて下さい。