転職エージェントの利用において、担当コンサルタントとの「相性」は無視できない重要な要素となります。何故なら、仕事や生き方に対する価値観が近く、シンクロできるような担当者は大きな力になりますが、逆に、相性の悪い担当者の元では「望み通りの転職」を実現できる可能性が極めて小さくなるからです。
実際、同じような経験を持つ転職者であっても、担当コンサルタントによって転職先の企業にカラーが出ます。つまり、担当コンサルタント個人の「経験(経歴)」と「価値観」が転職者の行き先に大きな影響を与えるんですね。だから、担当コンサルタントとの相性は絶対に無視できません。
ここでは、転職エージェントとの「相性」の大切さや、賢く付き合う方法についてお伝えします。
コンサルタントには「自身の経験」を勧める傾向がある!
キャリアコンサルタントには実に様々な業界出身者が集まっていますが、「自分が経験してきた業界を勧める傾向にある!」というのは一つの事実です。
たとえば、メーカー出身のコンサルタントは、業界や会社に対する知識(経験)が豊富なので、メーカーの求人を紹介するのが上手いです。だから、メーカー出身の担当者に当たると、メーカーに転職する求職者が多くなります。ベンチャー出身者であれば、ベンチャーを勧める傾向にあります。
また、過去に自分が担当した求職者が「継続して充実して働いている会社」も同じで、内定獲得後は入社を強く勧める傾向があります。何故なら、「継続して働いている = 間違いのない会社である」と認識しており、早期退職によるコンサルフィー返還の心配も少ないからです。
逆に、イマイチよく知らない業界・会社はお勧めする自信がないので紹介を避けがちになります。
あなたも、今、自分が働いている業界(会社)のことは詳しく説明できるかと思いますが、異業界(業種)のことは説明できませんよね。実は、転職のプロと思われがちなコンサルタントも同じなんですね。もちろん、経験豊富で多くの業界に精通している優秀なコンサルタントもいますが、大抵は、転職してコンサルタントになったばかりの経験不足の人ばかりです。(コンサルタントは超成果主義の仕事で、入れ替わりが激しく、定着性が低い。)
これが転職エージェントの実態ですから、担当者が「どんな経歴を持ち、どの業界・会社・求人が得意ジャンルなのか?」という点は重要なファクターになります。それ故に、求職者側としては、「登録段階で希望の業界(職種)を明確に伝える」「担当者の希望を出す」などの対策を行うことが大切です。また、転職したい業界(職種)が明確な人は、特化型のエージェント(IT業界専門など)を使うのも手です。
兎に角、あなたが希望する業界(職種)の知識が乏しく、経験も持ち合わせていない担当者だけは避けねばなりません。
転職エージェント(コンサルタント)の価値観を探ろう!
コンサルタントの経歴や得意ジャンルが重要なことはお伝えしましたが、「仕事に対してどんな価値観を持っているのか?」というのも重要で、自分の考えとフィットする方に担当してもらうことも大切です。
コンサルタントにとって、向き合う求職者に「より良い会社で、より良い人生を送ってほしい!」という想いを持っているのは全員共通です。だから、求職者に「自分が考えるベスト」を提案します。でも、「良い会社とは?」「良い人生とは?」の問いに対する答えは千差万別ですから、やっぱり個々の「価値観」が色濃く反映されます。
コンサルタントは、自分と同じような志向を持つ社員が多くいる会社の情報は、日頃の付き合いもあってどんどん仕入れることができます。逆に、そうでない志向や価値観を持つ会社とはあまり付き合いがなく、「よく分からない」というが実状です。
たとえば、「最高の仲間とやりがいを感じられる仕事がしたい!」という価値観を持つコンサルタントがいたとします。このコンサルタントは「働くことを楽しみたい!」「どうせ働くのなら、リスクあってもワクワクする仕事に挑戦したい!」といった価値観を持つ求職者には様々な提案ができます。
逆に、「仕事内容はつまらなくてもいいから、とにかく安定した仕事を紹介して下さい!えーと、財閥系の企業が希望です!」という依頼は苦手です。もちろん、価値観が異なっていても、求職者の要望を叶えようと一生懸命にマッチングしますが、そういった会社で働いた経験がなく、そういった会社で働く知人も少ないので、どうしても情報量が少なくなってしまうわけです。
転職エージェント(コンサルタント)を見極めと付き合い方!
担当コンサルタントとの「相性」や「価値観」の大切さは理解いただけたかと思います。
極端な話をすると、親しい友人や知り合いでエージェント業をやっている人がいたら、その人に任せるのが最適です。過去の自分を知っている友人であれば、価値観を分かっていますし、親しくしている人であれば価値観は近いことが多いからです。
もし、担当コンサルタントが合わないと感じた時は、要望を出せば変更可能です。変更すると、以前の担当よりも敏腕コンサルタントがついてくれることもあるので、どうにもならない場合は遠慮せずに要望しましょう。
また、何よりも重要なのが、転職エージェントは1社だけに限定しないことです。担当コンサルタントの優劣を見極める為にも、2,3社を併用するのがベストです。そして、「親身に対応してくれる、適切な企業を紹介してくれる、相性が良い、価値観も近い」という信用できる担当者の元で活動することです。
逆に、相性や価値観の合わない担当者は「速攻で切る!」という考えで活動して下さい。はっきり言って、「相性が悪い、価値観が合わない、信用できない」という担当者の元で活動を続けても、転職を失敗に導かれるだけであり、時間の無駄です。
転職エージェントは、「どの会社を使うか」よりも「どんな人が担当になるのか」の方が遥かに重要です。だから、会社選びよりも、担当者選びを重要視して下さい。自分にとって適切な担当者に出会えれば、あなたの転職をプラスの方向に導いてくれるはずです。