今の時代、一年を通して中途採用の求人は豊富ですが、「賃貸の最盛期は1~3月」「結婚式場は6月が最も忙しい」などの季節性が転職市場にもあります。
転職市場が最も賑わいを見せ、求人が右肩上がりに増えていく時期は「秋口(9~10月)」になります。毎年、お盆を過ぎたあたりから秋口にかけて、企業の中途採用需要が高まるんですね。
この理由と共に、求人が多い時期の捉え方をお伝えしていきます。
秋口に転職求人が増えていく理由
転職希望者にとって、求人が多いというのは「選択肢が増えること」を意味するので、一つのメリットであることは確かです。このメリットを最大限活かす為にも、その理由を把握しておきましょう。
- 6月のボーナス後に退職する人が多いため
- 中間決算の結果を受けて動く企業が存在するため
- 年内に採用を完結させるよう動き出すため
一つ目の理由は、6月のボーナスをもらった後に転職活動を開始する人が多いことに起因しています。こうした人は、7月~8月にかけて現勤務先に退職届を出すことになるので、企業はこの欠員を補充するために9月~10月にかけて求人を出します。
次に、6月に中間決算を迎える企業が、思いのほか業績が良かったことを受け、追加で新規の採用を考え出すことが影響しています。中間決算後、新規の採用計画を固めて募集を始めるのは、お盆が終わった後、おおよそ8月下旬以降になるんですね。
最後は、年内に採用を完結させたいと考えている企業が、9月~10月になっても、まだ採用が実現していないポジションについて、採用条件のハードルを下げることがあるからです。要は、時間を掛けて優秀な人材を探してきたけれど、理想的な人材に出会えておらず、年内には決着をつけたいと決断を急ぐことがあるんですね。
転職エージェントに求人紹介を依頼していたけど、思った以上に人が集まらないので、転職サイトにも求人を掲載しよう!なんてことが起こるわけです。
また、12月には冬のボーナスシーズンが到来するので、転職希望者の間でも11月に入ると「冬のボーナスをもらって年明けから活動を始めよう」という機運が高まり、転職にブレーキを掛け始めます。それ故に、採用側も9月~10月の間に採用活動したいと考えるんですね。
これらの理由が相まって「秋口」に求人が増えていきます。
求人が増える時期も「転職の難易度」は変わらない!
求人が多いことは「選択肢が増える」といったメリットがあることはお伝えしましたが、ここで勘違いしてはいけないのは、「求人が多い = 転職が容易」は成り立たないということです。
何故なら、求人が多い時期というのは、転職活動者も多いからです。つまりは、内定を争うライバルが多いことを意味するんですね。それ故に、「求人が多いから転職しやすいだろう!」は希望的観測に過ぎず、転職が簡単な時期とはイコールではありません。
選択肢が増える!
求人を出すことが少ない企業と出会える!
こんなチャンスの多い時期だと捉えて下さい。
このチャンスをものにできるのは、ライバルとの競争を勝ち抜い人だけです。
転職の難易度はどの時期でも変わりません。
また、自分が転職したいと思った時が「転職すべきベストなタイミング」です。求人の多少に合わせて無理やり転職するのは本末転倒なので、ここで紹介した季節性はあくまでも一つの参考に、独自の転職スケジュールを立てることをオススメします。